2010年1月1日金曜日
正月休み
正月元日 寝正月ならぬ座小説,吉田修一『悪人』(朝日新聞社,2007年)。たまにしか小説を読まないせいか,元々読むのが遅かったのにさらに遅くなった。結局丸一日かかった。小説のモチーフは,タイトルの悪人/善人観の相対性と,人間関係の危うさ・非対称性(ズレ)にあるように思うが,前者は有り体に言うと陳腐。他方,後者は新聞の連載小説ということから数頁で話者が入れ替わるスタイルを取ったことも与って,うまく描写されているように思った。しかし,後者だけなら400頁も要しなかったのではないか。前者のモチーフがサスペンス仕立てを取らせ全体を冗長したのではないか。午後,サッカー天皇杯決勝戦,ガンバ大阪4x1名古屋グランパスエイトをTV観戦。アトランタ・オリンピックでブラジルを破って以来,西野監督を応援しているが,日立製作所(柏),パナソニック(ガンバ)と大企業親会社の豊富な資金で戦力を整えて貰いながら,優勝経験は少ない。攻撃サッカー,パスサッカーは観ていて面白いのだが,もっと効率を重視しないと,最終結果はついてこない。この試合も前半層,パスを繋いでキレイに相手守備陣を崩して得点しながら,追加点を得損なっている内に,前半終盤,豪州代表の長身FWケネティの,ゴール前ヘッディングによるアシストで1点失った。パスにこだわるばかりで得点に結び付かなければ単なる曲芸。同点で息を吹き返したグランパスに後半押し込まれている最中,負けを覚悟した。ところが,後半30分頃,パスサッカーで膠着した局面を,そのパスワークの中心である遠藤選手の個人技でDF2枚を抜き去った後にゴールゲット。これが試合の全てで後の2点はおまけ。全日本代表監督オシムが繰り返し指摘していたように,中盤の選手がその技術におぼれずに,もっと走って点に絡まない限り,日本代表が好成績を収めることはあり得なし,選手個人も国際市場では評価されない。その遠藤がメッシ張りのDFゴボウ抜きでシュート。パスチームとカウンターチームの遣り取りで退屈だと思って観ていたが,このゴールシーンを観ただけで十分観戦の価値があった。このままガンバも日本代表も一皮むけないかな?その後,大崎八幡宮前まで散歩。雪は止んでいたが,アイスバーン状態の歩道をバランスとりながら,スナップ写真。
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