2010年5月30日日曜日

計画的生活

日曜日と言ってもうかうかしておれない。
尻に火が着いたこともあるが,5月30日は14時からプロ野球交流戦広島戦がある。また夜9時からはサッカー日本代表のイングランド代表との親善試合がある。

仕事が捗っていないのなら,スポーツ観戦に勤しむ場合ではない。
しかし,昨年,広島戦ではご当地企業から「おたふくお好みソース」を頂いたという恩義がある。増して当日は11時から永井投手フィギュアの7000体無料配布が予定されている。
またサッカーワールドカップ南アフリカ大会で日本代表は3戦全敗するものと覚悟を決めているとはいえ,やはり強豪との試合は録画でなく,生でTV観戦したい。

そこで,駅スタバで10時50分まで原稿。myイーグルス2号で球場に駆けつけフィギュアをゲット。試合開始まで近所のファミレスで原稿。試合観戦は3時間半を限度とし,ジムもストレッチ教室だけにして21時までファミレスへ。

しかし,計画を立てるのは簡単だが,実行するのはもっと大変だ。

・先ず寝坊したため,駅スタバでは原稿を読み返して朱を入れているだけで時間オーバー。
・フィギュアゲットするまでの行列の時間を忘れていた^/^。
 11時ちょっと過ぎには1列5名,数十mの行列が1往復半。日曜日だし,永井怜選手は岩隈,田中両エースに次ぐ先発3番手だもの。入団以来故障もなく3年間先発ローテを守り続け,昨シーズンは16勝7敗と大きく開花したのも人気の秘密だろう。7千体用意されていたので,ゲット出来ていたが20余分並んだ。しかもスタンドには入れるのは12時からなので30分も手持ち無沙汰を味わった。仕方なくオールスターファン投票用紙にマーク。
・ファミレスに行く時間を節約してラウンジ「イーグルスネスト」に直行したもの,席は埋まっていた。
 結局,窓際カウンターにスペースを見つけて立ったまま入力。端から見れば「変なおっちゃん」としか映らなかっただろうが,外見を気にする余裕もなかった。
・今年も「おたふくソース」はもらえたのは嬉しい誤算^^;。
・田中将大投手が不調でほぼ毎回のようにランナーを出していたことは大誤算。
 それでも2失点完投は凄い。
・2死から二度得点は嬉しい誤算(東北楽天イーグルス4x2広島東洋カープ

(写真は4回2死から四球で出塁した1塁走者宮出が草野の2塁打で本塁生還したところ)
・ジム後立ち寄ったスタバ当日2杯目100円は知ってたので誤算ではないが,助かる。
・サッカーワールドカップ南ア大会で優勝候補の一角に数えられているイングランド代表と善戦,しかも先取点を取ったのも嬉しい誤算。
・後半選手を入れ替えた相手のプレッシャーでラインがずるずる下がっていたので,敗北自体は誤算ではないが,2失点いずれもオウンゴールは大誤算(日本代表1x2イングランド代表)。

 でも最大の誤算は遊び疲れたことかな^^;。

 5月31日 向こう半月の講義資料作りで終わる。

2010年5月29日土曜日

言語感覚と構想力

構想を原稿にしてみると,言葉が出て来なくて困ることがある。
適切な言葉が見つからない,単純に語彙の問題もたまにはある。
しかし,大抵は,構想レベルでは明確でなかった論点の明証性が問われているのである。
箇条書きレベルでは繋がっていたいくつかの論点を結んでいるものは何か。改めて考え直してみると,まだまだ明確でなかったことが明らかになる。
だからこそ文章にすることそれ自体が意味を持つ。

 5月29日 ドトール・コーヒー,自宅,ファミレスと場所を変えながら書いては打ち出し,また書き直す。牛歩の如し。

2010年5月28日金曜日

誤算

人生も世の中も誤算だらけ。
誤算を憂えているのは自分や首相だけではないと思うが,
大きな話をすると気分は高揚しても周囲の賛同は得がたい。
身の上話ではもとより何も伝わらない。

仕事に限っても,2月論文の抜刷を送った再「春休み中に仕上げる」と宣言した次の,「消費における労働」に関する論文が,構想の見直しとともに先送りされ,
空回りしたまま4月が過ぎ,5月ももう終わろうとしている。

何が原因かと探っていけば,構想の貧弱さ・非現実性,勉強不足,本人の怠慢....。
いろいろ挙げられるが,やはり構想の詰めの甘さか。

しかし,この2ヶ月,構想の練り直しに専念したが,各パーツの連携がしっくり来ない。
ここは現在は粗原稿だけでも仕上げ,連携の穴をハッキリさせよることにした。
良く言えば,構想と原稿の往復運動だが,
悪く言えば,「場当たり的」。新たな誤算を産みそうだ^^;。

 3月26日 「市場と組織」は勤続昇給の,1つの説明原理としての人的資本理論の紹介。
 3月27日 自宅に籠もって原稿書き繋ぐも続かず^/^
 3月28日 「経済原論」は剰余価値生産の2つの方法と機械制大工業。学科運営会議。教養セミナー「格差を考える」は第2章第3節。ここ2,3回,こちらが指示しないのに司会者が勝手にディベート形式やワークショップ形式を進めてくれるので助かる^^;。「経済原論演習」は周さんが奥村第5章後半を報告。佐藤君が卒論構想の発表。「初回なのであまり内容はないです。笑って聞き流して下さい」。^/^。第18回三大学合同ゼミについて。ヨソのゼミ生も加わってその後は四方山話。「僕も大学で筋テレしています。自分でプランを立てたんです」と写真付のメニューを取り出した。君ぃ,卒論構想より用意周到で明快じゃないか^^;。
 

2010年5月26日水曜日

伝えることとその中味,その2

もう先々週のことになるが,坂本冬美の「また君に恋してる」にはまった。
肝心の構想が全く進まないのに比例して関係のないことに関心が削がれることは良くあることで,それがたたたま同曲で,遂にアルバム『Love Songs』をTUTAYAで借りてしまった。

2007年ある酒造メーカーのCM曲としてビリーバンバンによって歌われた同曲は
サビの部分は,特別何ともないが(失礼!),
間のフレーズ
「いつか風が 散らした花も 季節巡り 色をつけるよ」
「いつか雨に 失くした空も 涙ふけば 虹も架かるよ」
が耳に残って仕方なかった。

松井五郎によるその歌詞は
韻文的というか,絵画的で,意味を追っていただけでは展開が予想できない。

ところが,その他の部分はサビも含めて散文的というか,紋切り型というか陳腐(失礼!)。残念だ。

もっと残念なのはアルバムに収められた他の曲で
恋しくて,あの日にかえりたい,会いたい,言葉にできない,恋,

夏をあきらめて,シルエット・ロマンス,片想い,

なごり雪,時の過ぎゆくままに,大阪で生まれた女

いずれも情緒的で
展開が予想できるベタな表現が続く。
「ニューミュージック」「Jポップ」がこんなに演歌的なのか!,と改めて考えさせら
れた。

ベタな表現,直截な表現では伝わらない思いがあるから,
思いを深堀してより普遍的な姿にしようとするのではないか。

 5月25日 「経済原論」はテキストより踏み込んで,マルクスと宇野弘蔵の価値論の違いを解説。ちょっと難しかったかな。日中は講義準備。ジムにてマシーン・トレーニングの後いつものようにサウナに入ったいたら,疲労困憊して気分転換にはならず,そのまま休養。

2010年5月25日火曜日

混沌

キリンチャレンジカップ日本0x2韓国戦後半をビデオで観た。

相手ボール奪取に人出を掛け,そこからパスを繋ぐ戦法なので,ディフェンスラインから前線まで間が開き,ゴールが遠いのは相変わらず。
かといって,守備が脆い,寄せが甘い,スピード負けするのも相変わらず。

かてて加えて,リードされているのに中村俊輔,本田圭佑,遠藤保仁を下げたのは理解に苦しむ。本田の代わりの中村憲剛,遠藤の代わりの駒野祐一はより後ろ目の選手だからだ。
中村俊輔,遠藤保仁は本調子ではない,疲れているように見えたが,両名を中核に置いているのが岡田ジャパン。90分内で疲労というなら彼らを核にしたことが間違いということになる。
本田が仕事できなかったのは韓国選手に数名で囲われたからであり,味方のサポートが薄かったから。

守備も攻撃も機能しないなら一から立て直す必要が出るが,監督の進退伺いと協会会長による不受理も「いまさら」「出来レースみえみえ」の印象で改善の余地がない。

孤軍奮闘した大久保嘉人の「中盤で、もっとダイレクトでつながないとダメ。2タッチしているとDFが戻ってしまう」という声,本田の「早く(攻めに)行きたい人と、行きたくない人で分かれている。もう少し統一する必要がある」という訴えに耳を貸すべきであろう。

 5月23日 早朝UEFAチャンピオンズリーグ決勝戦を観た後,ぶらっと外出。原稿の第1節,問題の所在を示す件を読み返すと,問題構制の見通しの悪差が目立った。再検討必要。
 5月24日 三大学合同ゼミの日程確定。7月17日(土)午後。講義の準備で一日終わる。

2010年5月23日日曜日

番狂わせもなく

土曜日の夜から日曜日未明に掛けて2試合を観戦した。

プロ野球交流戦東北楽天イーグルス3x5東京読売ジャイアンツ
サッカー・ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ決勝戦独バイエルン・ミュンヘン0x2位インテル・ミラノ

方やチャリンコ,myイーグルス2号を30余分漕いで,方やタイマーを朝3時35分にセットしたうえでリビングのソファーで仮眠して。
つまり大いに期待して(楽天戦はいつものことだが^/^)

しかし,試合展開に番狂わせはなかった。
楽天イーグルスも終盤まで良く食らいついていたが,エース岩隈と抑え川岸で計3発被弾し,すべてホームランで失点した。
バイエルンはボール支配率こそ60%を超えていたが,むしろ「ボールを持たされている」格好で,相手ペナルティ・エリア内ではほとんどチャンスらしいチャンスを演出すら出来なかった。

もちろん疑問はある。なぜ長打力のある,阿部,長野に易々とホームランを打たれたのか,しかも長野には2発も。なぜ9回好投していた片山を川岸に代えたのか。
なぜ見す見すインテルのスタイル,カウンター攻撃を喫したのか,おまけにアルゼンチン代表ミリートに2回も。なぜインテルのスタイル,堅守に全く策を打てなかったのか。

疑問は尽きないが,
結局,実力差がそのまま出たとしか言いようがない。
バイエルンは仏代表リベリの出場停止が痛かったとは言え,ドイツ・リーグ優勝の立役者,蘭代表ロッペンもなすすべがなかった。
他方,インテルは蘭代表スナイデルとミリートの2人だけでカウンターを2度成功させていた。その裏にはペナルティ・エリア内では相手に仕事をさせない堅守があった。
楽天イーグルスも復調した山崎武司のソロ・ホームランなど出て今季7連勝中の東野投手を引き摺り下ろしたものの,後が続かなかった。

「大一番に番狂わせなし」
勝負事の冷徹さが出たように思う。

2010年5月22日土曜日

教育者であること

前回,学生から「困った先生」扱いされていると記した。
その日も日,大学院時代の副主任教員であった福留久生先生から,春先送った抜刷に対して丁寧な感想を頂いた。

九州大学を定年退職されて,しばらくどの大学にも属さず「悠々自適」の生活を送っていると聞いていたが,やむを得ぬ事情?で2年前から福岡国際大学に奉職されている。
その大学紀要の抜刷「マルクスの蜂起革命論」とともに,拙稿に対する感想と誤植の指摘を記して下さった。

抜刷や本を送られても,論文を執筆したり,構想を練っている最中は,自分のテーマと密接に関連しない限り,目を通すことは難しい。せいぜい関心のある箇所だけ流し読みする程度である。
感想を記すほど丹念に読むことはなかなかできるものではない。

他方,自分としては担当学生への指導は十分ではない,むしろ困った先生である。
しかし,決して教育や学生に無関心であるわけではない。
また時間を割いていないわけではない。

違いがどこにあるかと言えば,生来の資質を別にすれば,コーティングのスタンスであろう。
「長嶋タイプ」に分類されているのは,指導の見極めが早い,せっかち過ぎることの反映ではないか,というのが福留先生の,懇切丁寧なコメントを見て感じたことである。

2010年5月21日金曜日

長嶋タイプですね

 ゼミ終了後の雑談は楽しい。
 今の学生がどんなことを考えているか,その一端を窺い知ることも出来る。
 
 しかし,研究生や他のゼミ生も集まって学生同士が雑談を始めると,
全く話題についてゆけないことがある。
 特に漫画やアニメの話題になると,ストーリーも登場人物も知らない者としては相づちを打つタイミングさえ戸惑う。
 話が合うのはせいぜいプロ野球ネタだったりする。

 今日も一生懸命学生の話題に付いていこうとしていたら,
学生からふと告げられたことがある。
「先生,長嶋タイプですねぇ」

 学生の教師観はわれわれの視点から見れば,不可解なこと,有り体に言えば皮相的と思えることも多いが,われわれでは気がつかない点を鋭い言い当てている場合も多い。
 雑談の中で思わず出た発言に思わずゾッとしたが,学生から見れば,「言動が突拍子もない」「思いつき」「気分にむらがある」と映っているのであろう。
 言い換えると「接しにくい教師」と見られているわけで大いに考えさせられた。
 
 5月20日 自宅にてノート。
 5月21日 「経済原論」は剰余価値の形成。教養セミナー「格差を考える」。「家事労働への賃金,あるいは学生賃金への当否を言い合う前に,なぜそのような要求が出てきたかを考えて欲しい」「現代国語の問題のようにテキストだけで解答が描けるわけではない,想像力も必要だ」。「経済原論演習」は奥山第1編第5章前半。久しぶりに4年生の佐藤君も参加して周晴楓さんの報告をフォローしてくれた。

2010年5月20日木曜日

伝わらないのは中味か,中味がありそうということか

ファンとはわがままなもので,今季の,ブラウン監督が率いる東北楽天イーグルスには期待しないと公言していても,交流戦では「あの」広島カープや横浜ベイスターズ,ヤクルトスワローズには全勝とは言わないまでも「それに近い」成績を期待してしまう。そして裏切られた気持ちになるから身勝手^/^。

しかし,そもそもなぜ「期待していない」と公言していたかと言えば,
選手がランナーに出ても監督の指示がなければ盗塁もさせない,
むしろランナーが出れば,判を押したようにエンドランを敢行したがる
バッターの調子が悪くても打順をなかなか代えない
など選手の特性,調子に合わせた用兵ではなく,
用兵がパターン化している点もあるが,
試合後の談話も「敗因は打てなかったこと。それだけ」など他人事のような空疎感を感じるからだ。

前監督の場合「そこまで言っちゃあ,選手のやる気を削ぎ,逆効果では」と心配になるほどの毒舌ぶりだったが,
ブラウン監督には選手を揶揄するような発言をほとんど聞かない。
それは,選手にストレスを与えず,周囲の目に萎縮せずに力を発揮して欲しいという配慮からかもしれない。

しかし,他方で,叱責も激励もそもそも選手に対して具体的指示をするだけの内容がないのではないか,という懸念も生じる。

のびのび自主性を重んじる野球かと思いきや
前述のようにランナーがいる場合の走塁やバッティングに細かい指示を与えている。
ところがその内容がパターン化されている。

どんな管理野球でも,状況は無限に多様なので,選手の一挙手一投足を拘束することは出来ない。一定の決まり事を作って後は選手の判断に任せるしかない。
しかし,その決まり事が状況に即したものではなく,硬直的だとすると,
それは野球観自体の問題ではないか。
つまり,自軍及び相手の戦力や試合の動きに関わりなく,単に「投げて打つ」だけの平板な野球観の持ち主ではないか。

そんなことを考えていると,
我が身を振り返って,身に詰まされることが多いことに気付いた。

 5月18日 「経済原論」は労働生産過程。「地域社会論」先週締め切った4月21日分,28日分の講義へのコメント編集。
 5月19日 「市場と組織」は日本の賃金制度史と成果主義。昼休み,山大職組人文支部総会。ゼミ生の佐藤君来訪。ゼミのこと,就活のこと。「地域社会論」は人文学部と連携協定を結んでいる蔵王観光協会の岡崎副会長「観光振興」。講義の前後,講師紹介や学生への連絡,講義後の講師への挨拶等で同時並行で開かれたいた教授会にはものの30分も参加できなかった。

2010年5月17日月曜日

「『社会保障で成長』は誤り」は誤り

鳩山政権の支持率凋落が著しい。
「政治とカネ」の問題では説明不足が続いていると受け止められている上,
高速道路無料化問題でも普天間基地問題でも首相のリーダーシップが見られないばかりか,首相自身の発言が迷走を極めているように思われるからであろう。

他方,これまでの供給サイド重視から需要サイド重視に力点を移していた政権の経済政策,戦略は,個別施策としてみれば,財政支出の増大,いわゆるバラマキが多く,「マクロ的視点を欠く」との批判が総選挙前から寄せられていた。

その意味では景気浮揚や長期的な経済成長にどのように結ぶつけようとするのか,という批判的検討が加えられて当然である。

しかし,今日,2010年5月17日付の日本経済新聞,経済教室欄の鈴木亘学習院大学教授「『社会保障で成長』は誤り」による批評は少し筆が走りすぎているように思われる。

いくつか検討すべき点はあるが,レトリックに走りすぎていると思われる最たるもののは,「ポイント」にも挙げられている「民主党の政策,一時的『財政政策』にすぎず」という点である。

要は医療費や介護費の増大による成長という主張に対して,医療保険の4割,介護保険の6割は公費負担(税の投入,残りが保険収入)という事実を挙げて,「つまり,日本の医療・介護産業は,....自律的な成長が期待できる分野ではない」「これは成長戦略というより,一時的な財政政策と見るべきである」と指摘している。

しかし,鈴木氏が半分も公費負担であることを指摘している年金給付と同様,公費負担が半分近い医療保険や介護保険も,毎年支出される点に変わりない。つまり,公費負担の大きさは,景気回復ともに縮小される,定額給付金のような景気対策とは異なって恒久的措置であって「一時的財政政策」というのはミスリーディングであろう。ましてや公的保険制度が敷かれている「医療・介護産業は,....自律的な成長が期待できる分野ではない」との指摘は大学生にも理解できない言説,レトリックにならない戯れ言である。

一層おかしいのは末尾に示された結論である。
すなわち「負担を引き上げるか,社会保障費の大盤振る舞いを止めるか,どちらかの責任ある選択をすべきである」と結論を示している。
しかし,社会保障費約90兆円のうち,民主党が主張するこども手当でも4.5兆円にすぎない。言い換えると,社会保障費の大半は,政権交代に係わりになく,使途が決まっていることである。これを「大盤振る舞い」として,鳩山政権に社会保障費抑制か負担増を迫るのはお門違いも甚だしいと言えよう。

鈴木氏の指摘には,高齢者の予備的貯蓄がおも割れるほど多くはない等,実態調査に基づく貴重な指摘も見られるが,少し自身の結論に引きずられ過ぎてているように思われる。

 5月16日 マンション管理組合新理事会の初会合。といっても,ほとんどがマンション管理会社の方の説明を受ける形。来月末防災訓練決定。その後,外出。
 5月17日 TV中継でプロ野球交流戦阪神タイガース3x7東北楽天イーグルス。足も使わず,不振な打撃陣にただ打たせているだけのイーグルスに負けるとはヨソの球団の窮状が窺い知れた^^;。2日間10時間睡眠続くが,それでもまだ眠い。

2010年5月14日金曜日

段階論・その2

担当している「経済原論」では,テキストの解説ばかりでは抽象的なお話ばかりで退屈だろうと,確変が終わるごとに関連する記事を読んでもらって質問に答えて貰うことにしている。

方法論に相当する第1編が終えた4月末には,加藤榮一「福祉国家と現代資本主義」の冒頭説を読んでもらって,現代資本主義の捉え方に関する宇野弘蔵と加藤榮一の違いを答えて貰った。

素材となる記事,論文に自体が難解で,昨年度も「日本語として理解できなかった」というコメントがあった。
今年も「現代がどこを指すのかわからなかった」というコメントがあった。
しかし,この点こそ宇野弘蔵と加藤榮一との違いでもある。

宇野弘蔵の場合,段階論の役割は第一次世界大戦で終え,それ以降は現状分析の課題であるとされる。
その理由は,経済政策は支配的資本の利害によって規定されるが,第一次世界大戦以降も支配的資本が金融資本である点に代わりがないことに求められている。
そして第一次世界大戦後は「社会主義に対する資本主義」として捉えられるべきだというのである。

したがって,宇野弘蔵にとって現代は,第一次世界大戦直後も高度経済成長時も,その後も,めまぐるしく変わる「社会主義に対する資本主義」の様相の一つに過ぎないことになろう。

他方,加藤榮一の場合,支配的資本は同じだとしても,基軸産業が宇野が想定した古典的鉄鋼業から戦後の,鉄鋼業を基盤にしつつも石油,機械,電機を中心とした多軸的産業連関へと展開していること,また政策的には管理通貨制度を基盤にフィスカル・ポリシーを展開して福祉国家を実現していることが重視されている。つまり,第一次世界大戦以降も,資本主義の発展段階は進展しており,いきおい現代は新しい段階を経た現代ということになる。端的には「福祉国家後」,場合によっては「福祉国家終焉後」の今日,ということになろう。

例えば,
レーガン,サッチャー以降の,新自由主義の展開も,相も変わらぬ「社会主義に対する資本主義」として保守派と革新派のせめぎ合いの中で振り子が逆方向に振れた(「資本主義の逆流」)であるとするか,
「福祉国家終焉後」の福祉再構築と捉えるか,
両者では現代資本主義の捉え方に大きな違いが出てくるのである。

翻って,
原理論と現状分析との間に段階論を挟む意義を考えれば,
経済政策の動向に端的に表れる資本主義の発展動向を
新しい段階を経た不可逆的な進展と見るか,
以前からみられるいわゆる修正資本主義の振幅の一つと見るか,
の違いにあると思われる。

 5月13日 夜,近くの生協に寄ったら福岡の銘菓「博多の女(ひと)」が目に入った。「九州,四国のうまいもの市」のキャンペーン中とのことだが,単なる食材なら別として,土産物を他所で売っては興醒めだろう。
 5月14日 「経済原論」は第2編,いわゆる流通論が終わったところで,岩井克人氏が自身の,貨幣や資本主義に対する見方を説いた記事「資本主義は本質的に不安定」(朝日新聞2008年10月17日付)を読んでもらい,設問に答えて貰うことにした。教養セミナー「格差を考える」は1年生健康診断のため休講。

2010年5月12日水曜日

夏風邪?

慎重なのか,小心なのか,朝から咳が止まらないので,ジムにも寄らずに帰宅。18時過ぎからなんと10時間近く睡眠。

睡眠はたっぷり取ったが,食事をほとんど取っていなかったので翌日は朝からグッタリ。こういう日に限って講義,会議,研究会等々予定が詰まっている。

周囲を見渡しても咳き込む人は少ないが,高速バスの車中には2,3人いる。少し早い夏風邪?
アトピー性のためか,咳の収まりが遅い,しばらく続き,頭もスッキリしない。

 5月11日 「経済原論」は産業資本。昼休み行きつけの美容院でカット。キャリアガイダンスの一コマとして「正規雇用・非正規雇用」。2年生対象なので,非正規雇用の種別,規模や比率,問題点などを解説。
 5月12日 「市場と組織」は記事「第2ステージを迎えた成果主義」(日経産業新聞2001年5月18日付)を読んで設問に答えて貰った。昼休み,旧経済情報系講座会議。県村山総合支庁との合同研究会山形仙台圏交流研究会。続いて,地域社会論。

2010年5月10日月曜日

それとは違います

英サッカー,プレミアリーグでは優勝の行方が最終戦にもつれ込んだと知って深夜BS-1の生中継首位チェルシー対ウィガン戦を観た。

チェルシーが勝てば,2位マンチェスター・ユナイテッドの勝敗に関わりなく優勝が決まる。
プレミアリーグは,3連覇中のマンチェスター・ユナイテッド,ロシア人オーナーの投資によって競合として復活したチェルシー,同じくロンドンが本拠地のアーセナル,スペイン人監督ベニテスによるリバプールが不動の?4強なので(リバプールは近年怪しいが),16位ウィガン相手ならチェルシーが勝利して優勝するのは目に見えていた。しかも本拠地での試合だ。

試合はウィガンが積極的にプレスを掛け,チェルシーも思うようにボールをキープできない。試合の流れは硬直してその行方は予断を許さない,と画面に引き寄せられた。

しかし,個人の力量差は如何ともしがたかった。仏代表FWアネルカのゴール,英代表MFランパードのPKで2点,後半早々コート・ジボワール代表カルーのサイドを抉った末のパス交換からのシュートで,試合の行方が見え,就寝した。

朝起きて結果をチェックしてみたところ,なんと8対0でチェルシーの圧勝だった。
Jリーグでも優勝候補はせいぜい4,5チームに限られる。鹿島,ガンバ,浦和,川崎,清水,名古屋くらいまでか。
しかし,上下のチームに8対0ほどの戦力差はない。

その原因の一つが外国人選手登録の制限(1チーム3名)にあることは間違いないであろうが,
日本サッカー全体のレベル向上という点から見れば好ましいことではない。

他方,ヨーロッパのように,積極的に戦力投資し,有力外国人選手を招くのはオープンで良いことであろうが,
優勝決定戦の緊張感がなくなってはプロスポーツ,即ち興行としてはこれまた好ましくない。
サラリーキャップ制など戦力差を一定範囲に留める方策が必要なように思われる。

 5月10日 ゼミ生S君,内定報告に来訪。苦しい就活も1社でも内定を貰うと少し落ち着くだろう。昼休み,学科運営会議。ジムにてリラクゼーション・マッサージ。「首が硬いですねぇ。意識的に脱力する必要があるんじゃないでしょうか」。日中ボッーとすることはしょっちゅうなんですが「それとは違います。筋肉系のことですよ」(≧。≦)

2010年5月9日日曜日

オーバーワーク

オーバーワーク,といっても仕事ではなく、ジムでのこと。
半月くらい前からランニングを再開したが,直ちに食事を取ることも出来ないくらいヘトヘト。
サウナでストレッチすれば時間の節約にもなると思っていたが,
30分くらい掛けて5km超走った後サウナに計15分籠もるのは心臓にも負担が重すぎるのだろう。
疲労困憊して食事もままならない。
そこで,速度を落としてランニングからジョギングに切り替えようと思っていたが,
実際に走り出すと時速6-8kmでは「運動した気にならない」。
結局,いつも通り11km/hで5km走ってしまった。
その代わり,ストレッチはマット上で行ない,シャワーで済ますことにした。

 5月7日 連休中,アトピーがひどくなったので,近くの皮膚科に。土曜とあって待ち時間90分。午後,リコールのかかった車をディーラーに持ち込む。
 5月8日 寝坊したのでそのままオフ。チューナ-が故障したDVDレコーダーを買い替えようと家電量販店に寄ってみたらネット通販よりずっと高く断念。

2010年5月8日土曜日

贈り物文化

研究生として迎え入れた留学生から翡翠のお守りを頂いた。
「高くないですから」と言ってはいたものの,それなりの値段だろう。
しかし,単身来日した初日から申出を断られては本人も困惑するのでは,とそのまま受け取り研究室のテーブルに飾ることにした。

GW明け首都圏を旅行したといって今度はお煎餅をお土産に持って来た。これもゼミ生と食べようと受け取った。
しかし,これが慣例と思われては困るので,後で「今後は土産不要」とメールしておいた。

すると,「留学生仲間から聞いた、お土産は日本の習慣ですので。迷惑をかけてすみません。」との返信が届いた。
なるほど,自分の飛騨高山の「栃の実煎餅」を同僚とゼミ生に買って来ていた^^;。

お土産を貰ったことで気分を害したわけではなく,むしろ気持ちは嬉しいと断った上で,
同僚との水平的な関係とは異なり,
1)教師は学生の単位認定権などを持っているので土産が単位の条件と思われては困るし,
2)学生にはすでに高い入学料,授業料を大学に払って貰っているので,お土産は「二重に貰う」ようで気が引ける。
今度からは留学生仲間に土産を配ったら,と返信してみた。

物事を杓子定規に捉えては意味がない。
贈り物を全面禁止して監視し合っては素っ気なくなる。
他方,過大な贈り物は相手に負担感を与え,形骸化した贈り物では潤いは生まれない。
しかし,管理的関係がある場合には一定の線引きが必要であろう。

 5月6日 専ら研究室にて講義資料の作り溜め。ジムにて久しぶりにランニング。
 5月7日 車で登校。「経済原論」は貨幣の諸機能。前日に続いて講義資料作り溜め。ジム帰りに寄ったファミレスでは店長より「大丈夫ですか,お疲れのようですよ」。ランニング5kmの疲労もあるが,アトピー性皮膚炎が悪化して気疲れ?

2010年5月4日火曜日

2010年GWは飛騨高山行脚

5月3日 新横浜駅よりのぞみ155号。名古屋駅にて両T君と合流。特急飛騨に持ち込む駅弁選び。名古屋とえば,エビフライ、ミソかつ,コーチン。実際「名古屋ビックスリー弁当」なるものも売られていて,チャーハンを添えたこの弁当に最も心惹かれたが、理性が踏み止めた。しかし、名古屋はミソかつというブランドイメージには抗いがたく結局「だるまのみそかつヒレ重」。名古屋のイメージ?を裏切ってアッサリ目。JR高山駅からレンタカーを借りて穂高へ。ロープウェイを2つ乗り継いで頂上へ,は蔵王とそっくりだ。登山を目的としない者にとってはデジャビュー(既視感)ありあり。下山して奥飛騨温泉郷は「山荘錫杖」。露天風呂は貸切と混浴の2種類。「混浴には女性は入ってきませんよ」東北の混浴には女性も入っていたのに「ところ変われば」か?露天は自然の趣向,余計なこと気にしなくてよいのに。

味噌カツ重
高木君(左)の頭の上の映る尖りが穂高岳背後は槍ヶ岳か
奥飛騨温泉郷「山荘錫杖」


5月4日 世界遺産白川郷,五箇山(菅沼集落,相倉集落)
白川郷は合掌造りの飲食店等が多すぎ,かえって本家合掌造り,江戸時代以来の和田家,神田家が霞んでしまうほど。むしろ富山県の五箇山の方が趣きが感じられた。帰り,白川郷IC付近10km超の渋滞に見舞われて高山へ。旅館河渡は素泊まり。一風呂浴びて「京や」にて「飛騨牛焼きシャブ定食」。2千円。もやし,玉ねぎに乗せて焼いた上でのシャブは美味。

白川郷・和田家
展望台から見た白川郷
五箇山・相倉集落(富山県南砺市)
五箇山・菅沼集落(富山県南砺市)
「旅館河渡」(高山市)
「旅館河渡」(高山市)
「京や」左が焼しゃぶ定食,右が牛道楽定食


5月5日 陣屋前の朝市を見学。陣屋開館までの2,30分あったので隣の喫茶店で朝食を採るにコトにした。僕やT1君は3種類のモーニングの中でも最も低カロリーなセットを選択したのに,T2君は飛騨牛サンドセットを選択。せっかく飛騨高山に来たのだからという好奇心旺盛さは理解できるのだが,食後「まだお腹空いています」というのにはぶったまげた。
高山陣屋は全国に4つしかなかった郡代役所(他は代官役所)の一つで現存する唯一のものだ。17世紀末,高山藩主金森氏が出羽上ノ山(現山形県上山市)に移封された後,天領となり,代々郡代が赴任して管理に当たった。
陣屋見学後,訪れた宮川朝市は約100mに亘ってかき分けて進むほかないほどの人垣だった。
少し早めに摂った昼食は「河渡」の女将に勧められた甚五郎らーめん甚八 安川店の高山ラーメン。極細縮れ麺でスープはアッサリめ。特急ひだ10号にて名古屋。ミッドランド展望台で時間潰し。のぞみ36,はやて31号と乗り継いで帰仙。



高山陣屋
飛騨牛モーニングセット
高山ラーメン(甚五郎らーめん甚八)

2010年5月3日月曜日

またもや勝ちに不思議の勝ちあり



どういう関係か知らないが、タレント安田美沙子さんの始球式で始まった5月2日の対大阪オリックスバッファローズ戦。田中マー君の調子がピリッとせず、毎回のようにランナーを出す展開。実際、初回から失点。7回を被安打8。「仕方ないなぁ」と思ったが、そこからさらに試合の行方が混沌としてきた。中継ぎ辛島投手が被弾。その次の小山投手は1四球出すだけでワンアウトも取れず「何しに来たのか、このやろう」降板。他方、得点は初回と2回のみ。中軸山崎、中村の「置物化」は深刻。納得したのは結果だけの試合だった。嶋捕手の強打者変身振りが救いか。

2010年5月2日日曜日

不思議の勝ち


戦力薄いのに無為無策のように見える東北楽天イーグルス,昨晩勝ったから今日は負けるだろうと誰でも予想が付く。しかし,折角のGW,折角のチケットが勿体無いからと宮城球場に出掛けたところ、然したる盛り上がりもないまま終わってしまった東北楽天イーグルス2x1大阪オリックスバッファローズ

岩隈とオリックス木佐貫による投手戦だったこともあるが、打てない。
特に中軸、山崎武司と中村紀洋が打てない、飛ばせない。打球がフェンス前でお辞儀。
それで勝ったのだから,正に野村克也前監督のいう「勝ちに不思議の勝ちあり」だ。
打線として繋がらない打撃を観ながら,ため息をつく日が終わりそうにない。
(写真は7回裏タイムリー安打を打ち「初めてのお立ち台」聖澤諒選手と4連勝の岩隈投手)

 5月1日 近くの皮膚科へ。GWの合間かつ診察時間が11時までの土曜日であったため待ち時間1時間半^^;。ドトール・コーヒーにて構想等々で気付いたら試合開始時間。myイーグルス2号にて球場に駆けつけた時は既に1点先取。その後は両者凡退。帰りにジムにてジョギング6kmの後,リラクゼーション・マッサージ「脚がパンパンですよ」。ファミレス

一瞬の隙なのか王者の奢りなのか

 4月30日 ジムのトレッドミルの上を走りながらクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦フェルナンド・モンティエル(4回2分59秒TKO勝ち)長谷川穂積noTV中継を観ていた。
 モンティエル選手は空振りが多く,実力の差がありすぎてつまらない,とさえ思っていた。
 ところが,目標の30分を走破したのでぐったりとして汗を拭いていたら,チャンピオンベルトをかざすモンティエルの笑顔が映ってした。

 ネットニュースや翌日の一般紙,スポーツ紙の解説を見ていると,そのほとんどが「4ラウンド残り10秒の拍子木とともに一瞬気が緩んだ隙を突かれた」という解説をしていた。
 ところが,サンケイスポーツの解説者だけは「防衛を重ねるうちにストレートの後のガードが甘くなっていた。攻撃しながら防御するというボクシングの基本が疎かにされてきた」とコメントしていた。

 両者は大きく異なる。残り10秒の気の緩みは偶発的なことだが,カードの怠慢ならば事前の研究通りに弱点を突いた必然である。厳しく言えば,これまで対戦相手に恵まれていただけということになる。

 いずれにしてもボクシングは過酷なスポーツだ。減量も不自然なら,パンチによる後遺症,致命傷の虞がつきまとう。長谷川選手はTVのバラエティ番組を観る限り,純朴な青年だ。恐妻家であることを笑いに提供してくれる。しかし,最も怖れるべきは自分のなかに潜み込む奢りではなかったか。