2014年1月24日金曜日

久し振りにうっすら積雪

 2月23日 久し振りにうっすら雪化粧。
 宮城学院女子大学「経済社会特論」は期末試験。
 即日採点。
 受験者はそう多くはないとは言え,チェックに相当の時間が掛かり,夕方終了。
 平素の成績と合算して,単位認定。
 合わせて事務方には,試験問題の採点基準と,結果の掲示を依頼。

 雪は午前中にはほぼ降り止んだが,寒かったのはその後だ。

2014年1月22日水曜日

消費税増税を乗り越えてゆくために

 この間,普通に勤務していたが,仕事が捗ったかというと疑問で,
結局,日曜日はスタバ行脚。夜になってようやく少し進捗。
しかし,晴れ間が見えたと油断したのか,週明けから停滞。

 21日は,検査が必要になった母を行きつけの病院に連れて行き,紹介状を貰って別の大病院へ。
 その間,待合室で,当日締め切りの「春闘パンフレット」「経済指標の解説」の項を編集。
 各種官庁報告書を閲覧して個別指標をチェックする部分は既に埋めていたので,
個別指標の提示を受けて最後に分析する総括部分(下記「消費増税を乗り越えてゆくために」)を編集。
これも書き殴り調で文章にしていたので,あとは文章を繋げるだけ思ったら,意外に難渋。
例年に比し長くなった。 

 結局,アベノミクス批判と,消費税増税の意味,と言いたいことが2つあったからだ。

 また当然だが,最後に引用データ,数値の原典チェックが必要だったので,丸一日仕事になった。
 これでようやく月末締め切り仕事に専念,したい。

 

◇消費税増税を乗り越えてゆくために

冒頭に記したように、景気回復のニュースには事欠かない。
しかしながら、個別指標を丹念に見ると、回復基調は昨年から続いていた。例えば、四半期毎の企業収益は既に2012年1-3月期から前年同期比プラスに転じていたし(図3)、2011年夏の欧州金融危機を承けて4.5%に止まっていた失業率も2012年4月から緩やかな下降曲線を描いている(図4)。


また,地域や階層によるバラツキも大きい。前述のように、日銀さくらレポートでは、東北は自動車産業の集積のある東海と共に「回復」という最も強い表現が用いられている地域ではあるが、生活面を見ると、例えば、百貨店の売上高は全国的には2年連続増となったものの、「東京や大阪など十大都市は売上高が3.0%増えた一方、地方は..1.0%減となった」(朝日新聞1月18日付け)。都市部は品揃えが豊富なうえに、訪日外国人増加の恩恵も受けやすい反面、地方は品揃えも芳しくなく、郊外店やショッピングセンターとの競争も激しい。また、品目別でも「高級腕時計を含む「美術・宝飾・貴金属」が前年比15.5%増のほか、海外高級ブランドが多い「靴やバッグなど」も5.0%増と好調だった。ただ、売上高の3割強を占める衣料品は0.2%増、3割弱の食料品も横ばいで、ともに伸び悩んだ」(同紙)。株価上昇の恩恵を受けて高級品に手を出した層と、恩恵を受けずに堅実な生活を続ける層にハッキリ分かれていることが見て取れよう。

このように、アベノミクスは、現在のところ、第2の矢「公共事業の増発」で地方経済が底支えさえされている面はあるが、専ら第1の矢「大胆な金融緩和」が円安-輸出産業の増益-株価上昇というサイクルをもたらし,株式投資の可能な富裕層の所得を底上げし、高級品・高額品の売上を拡大させているものの、雇用や賃金への波及効果はまだ弱いため、庶民の生活には好況感が伴わず、灯油や小麦粉の値上げなど、円安による生活物資の価格上昇ばかり感じられる状況である。


このような状況下,目先に迫っている4月からの消費税増税について、財界を中心に楽観論が蔓延している。朝日新聞が新春財界賀詞交換会で今年の景気を占って貰ったところ「大半が明るさを示す『晴れ』を含む答えだった」。田中孝司KDDI社長は「『景気が悪くなる要素があまりない。底堅く、これで雨という人はいないだろう』と言い切った」。強気の背景には円安傾向継続との見方がある。気に掛かる消費税増税による落ち込みに対しても「多くは影響は限定的との見方だ」。駆け込み需要の「予想される販売の反動減は3カ月くらいで回復するのではないか」(豊田章男トヨタ自動車社長)との見方が一般的であった(朝日1月8日付け)。
しかし、こうした楽観論は円安持続予想に支えられてのことである。確かに円安は輸出産業には恩恵が大きいが、輸入品が昂騰し加工産業や生活を苦しめる面がある。また、為替や株価の動向はアメリカ経済や新興国経済の先行き予想で不安定に上下動する局面にあることは前述の通りである。

では、第3の矢「成長戦略」はどうか。第1、第2の矢の効果が剥落してしまえば、否応なしに日本経済独自の成長像の提示が求められる。

1月20日の産業競争力会議では6月にまとめる予定の新成長戦略から解雇規制の緩和(解雇無効判決が下りた際、職場に戻る代わりに金銭を受け取る「解雇の金銭解決」の創設)は検討課題から抜け落ちた。ホワイトカラー・エグゼプションは政府内に慎重意見根強いとされながらまだ残っている。代わりに、労働力人口の増加につながる施策とし、「学童保育」の拡大。配偶者控除など税制の再点検が検討課題に挙げられている(日経及び朝日1月21日付け)。『労働力調査』によれば、子育て期、35~44歳の女性の労働力率が、2013年1~11月の平均で12年より1.6ポイント上昇し、71.3%となった。この年齢層で70%を超すのは初めてである。働く女性が増えると、中長期的な経済成長率の底上げにつながる(日経1月20日付け)。世帯の可処分所得が増えれば、消費も増えるからだ。働く女性への配慮は推し進められて当然であろう。

他方で、経済諮問会議では法人実効税率の引き下げが議題となっている。「安倍晋三首相は減税の当面の財源確保にはこだわらない考えを示唆」「民間議員も..税率を2014年度より10%低い25%程度にすべきだと踏み込んだ」。14年度予算では「法人税1%当たりの税収は4700億円。10%分なら約5兆円、国の税収全体(約50兆円)の1割が減る」(日経1月21日付け)。他方で、昨年10月8日内閣府が明らかにしたところによると、4月からの消費税税率アップによる税収増見込みも5.1兆円である(引上げ幅3%は8.1兆円の税収増に相当するものの,初年度は納税の遅れや消費の落ち込みなどが考慮されている。日経10月8日付け)。民間議員が要求する法人税減税では増税分が吹き飛ぶ。

何のための増税だったのであろうか。背景をもう一度確認すべきであろう。単純な財政再建ではない。累積債務が855兆円に上ろうとする時、3%の税率アップ=年8兆円の消費税収増だけでは債務解消は果たせないことは火を見るより明らかだ。ここ20年来、日本の課題は決して累積債務の解消ではなかった。景気を回復させようにも、その年度の歳入で、歳出の内、国債費を除く政策的経費と地方交付税さえも賄えなければ、積極的政策を打てない、という課題を抱えていた。すなわち、プライマリー・バランス(PB)の達成が経済財政上の課題であった。安倍首相も1期目は、社会保障費の自然増分年2千億円を削減し、2012年度までPBを達成しようとしていた(「骨太の方針2006」)。しかし、折からの労働市場の規制緩和もあり、生活保護の母子加算廃止など、セーフティ・ネットの縮小・削減では格差拡大を加速するだけであった。07年参院選挙惨敗によりそのことが骨身に滲みた旧自公政権は、格差是正に舵を切り、第1次安倍政権の「再チャレンジ」を経て08-09年の麻生政権「安心社会実現会議」では、「骨太の方針」を棚上げし、「中福祉中負担」を標榜することになった。そのため自民党は09年総選挙以来、一貫して消費税増税を掲げている。他方、民主党を中心とする連立政権も、当初は埋蔵金供出や事業仕分けを通じて高速道路無料化や子ども手当創設の財源を確保しようとしていたが、やがて細かな改善の積み上げではなく、確かな財源確保が必要という認識に転換し、「税と社会保障の一体改革」会議で消費税増税と高齢者寄りの給付をそれ以下の層にも広げることを打ち出した。この流れは、10年参院選挙惨敗、ネジレ国会等紆余曲折を経て、「三党合意」による税法改正に至った(使途は既に2009年度より実施されている基礎年金への国庫負担金1/3から1/2への引上げの原資、子育て支援、低所得者の国保保険料軽減等)。「安心社会実現会議」以降、言わば「福祉のための増税」が、自公、民主を問わず謳われるようになったのは、「骨太の方針2006」のような福祉切り詰めによるPB達成は困難であること、むしろ持続可能な社会保障体制の構築こそ貯蓄過多、消費・投資不足から国内経済を解放し、真に豊かな国内市場、内需を形成するという認識があってこそであろう

このような20年に亘る日本経済の課題を振り返れば、消費税増税による景気の一時的落ち込みに対し、一時的経済対策としても増税分5兆円を注ぎ込むとか、況んや法人税恒久減税で増税を打ち消すことは本末転倒であろう。

企業の収益改善はアベノミクス以前から続いているのであり、にもかからず企業は内部留保を蓄積させていた。海外投資の流れは、この間の持続した円高基調ばかりが原因ではない。経済が低迷していた先進国が経済成長を続ける新興国経済に一様に依存してきたからである。『法人企業統計』13年7-9月期で確認したように、経常利益は前年同期比24.1%増えているのに、設備投資額は1.5%増に止まっていた(人件費は5.0%減)。つまり、国内投資を促すには、金融緩和や法人税減税による手元資金の確保ではなく、国内市場の成長可能性を示すことである。

そのためには、社会保障の将来や雇用の継続に対する不安が晴れ、各々がしっかりとした将来設計に従って消費生活を繰り広げられるようにすることであろう。

2014年1月15日水曜日

パターン思考

14日火曜日に振替休暇を取ったため,土曜日から四連休。
近所のドトールコーヒー3往復,夕方ジムを4日間繰り返す,という超ワンパターン。
思考結果もワンパターンを脱することが出来なかった。

例年1月14日は大崎八幡宮で古いお札を焼却する松焚祭「どんと祭」。たまた振替休暇を取っていたため,夕方「裸参り」の行列に遭遇。
白鉢巻に白さらしを巻き,白足袋・わらじを履いて,口には神に息かけないためと称して「含み紙」を咥えるそうです。

2014年1月10日金曜日

助け合いのなかの損得

 1月9日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は試験前の最終回。非正規雇用。定義,種類,内訳を踏まえて,増大の影響(若年層の雇用不安,少子化),増大の直接的契機(派遣法成立と改正)とより深い背景(内部労働市場の成立,日本固有の賃金格差(「家計補助的労働」としての扱い))まで説くと24スライドになった。図表ページが多いとは言え,自分の標準(12-18スライド)から言えば多すぎる。しかし,後半の影響や原因,背景に触れないと,大学で講義する意味がないし,前半も知らない者が多いだろうから触れざるを得ない。実際,非正規雇用の問題についてはセーフティ・ネットのパートで一貫して触れてきた。すなわち,市場では不利な非正規雇用ほどセーフティ・ネット(年金,医療保険,雇用保険)も薄い,ということだ。出題候補を2つ挙げて2週間後23日が期末試験。A3版1枚のみ持ち込み可。
 レスポンスカードに質問「最近,新聞で歯科へのポイント制導入の動きを報じると同時に問題視しています。なぜですか」。帰宅後,期末試験の要領と質問への回答をスライドで作成し,そのPDFファイルを教務課に送信。
 件の問題,1月7日付けの朝日新聞では,1)実質的な値引きは厚労省省令に違反する,2)過当競争による競争力の弱い医院の敗退=地域診療
の崩壊の虞がある,と指摘しているが,そのほかに保険診療には保険や税金,つまり「他人のおカネ」も投入されているなかでの利得は問題ではないか。

 「保険診療」は,全国一律固定料金,保険による費用負担,税金による保険支援を特徴としている。つまり,診療毎に料金が固定されており,本人負担3割以外の7割は保険が費用負担している。さらに,例えば協会けんぽには年度の給付費の13%が国庫(税金)で援助されている。
ポイント制によって,実質値引きされる本人と患者=収入が増える歯科(記事では神奈川県の歯科で新規患者が5割増し)は得になるだろうが,それを支え ている保険(あるいは保険料を払っている被保険者)や納税者は釈然としないのではなかろうか。
 ジェネリック医薬品の利用など,競争によって保険の負担や国庫負担が減るならともかく,規定通り固定料金の7割負担している保険(被保険者),さらに給付の13%を支援している国(納税者)は釈然としないのではないか。彼らのなかにはほとんど病院に掛からない者もいるだろうし,医療費が嵩む子どもやお年寄りが少ない家庭もあるからだ。それでも「みんなで助け合う」という理念の下,強制参加の社会保険で費用を負担し合っている。
 「みんなで助け合う」が理念の社会保険に,診療毎の損得が入ると,一緒に負担している保険者や納税者には「割に合わない」ということになりかねない。


 近所の歯科通院。夕方ジムにて,ステップマシーン25分とマッサージ。「肩も腰もお尻も左半身のほうが凝りが酷いですね」なぜなんだろう。
 前回から半月も経っていないのにマッサージを承けたのは,背中が貼っていた,ということもあるが,

2014年1月8日水曜日

雪は降らねど

1月6日,7日,8日 登校を再開すると,積み残していた校務が次々と思い浮かんできた。今月2件の締切り不安。

1月6日(月) 正月の間さぞ雪が積もったろうと期待?してに山形に乗り込んでみると,雪は道端に残っているだけで,足下の長靴が恥ずかしく思えた。
雪は降ったらフッタで,街は雪かきにも,雪かきした雪の処理にも困るし,個人的には雪道を歩いたり,自転車に乗ったりするのになんっじゅうする。しかし,「雪が降らないのに寒い」のは東北の冬本番を実感させる。

正月4日 同じくアマゾンより急遽取り寄せた『日本サッカースカウンティング127選手』(東邦出版)。



スペインの著名スコアラーによる日本代表とJリーグのスカウティングレポート。
これまで,チームプレイを優先する日本はパス回しや守備は得意だが,個の突破が必要な攻撃が苦手と思っていた。
ところが,著者の評価はほぼ逆で,攻撃陣には技術,戦術理解力,守備への協力等を高く評価(但し,ミドルシュート少なく,精度も低い)。
反面,守備は「戦術的に未熟」(攻撃時の守備準備がなされていない,CK時のマークのズレ)。
しかも,その評価は,(超守備的な印象のあった)岡田ジャパン以降,また代表に限らずJリーグにも一貫している。

不思議なのは,イタリア人監督が就任して3年近く経つのに守備戦術が未熟と評価されていること


正月 KREVAの昨年2月作品『space』
数年前ゼミ生から勧められたKREVA。久し振りに聴きたくなって注文。
正月でも翌日到達(Amazonプライムサービス)というのは正直驚き。

2014年1月2日木曜日

一生にグッタリ

3月末ブックオフで下巻を買ったきりにしていた宮尾登美子『きのね』。正月休みの直前,アマゾンで中古本の上巻を取り寄せた。

えびさまに仕えた女の一生記。
傾いた実家の食い扶持減らしすために女中奉公に出た先は歌舞伎と踊りの家元。
やがて若旦那の新婚家庭付きになると,そのまま終生,生活を共にすることになった。
癇癪持ちの若旦那の家庭はすぐに崩壊し,外に女を囲い子どもを作るが,
宗家市川家に養子入りすると,役も付き,美貌と相まって人気を博する(「えびさま」)。

主人公は疎開先や結核療養先にもついて行き一男一女をもうけるが,しばらく世間には伏されていた。
入籍するも,えびさまは11代團十郎襲名3年半で急死。
本人も再発した結核で入退院を繰り返し,長男,後の12代團十郎の行く末を案じつつ,10年後に後を追うように亡くなった。

しっかりとしたストリー展開と人物描写で小説を満喫できたが,その一生,900頁に丸一日掛かりグッタリ。

2014年1月1日水曜日

徒に

今年も徒に「あることあること」を綴ります。