2013年10月29日火曜日

信じて良いか

27日(日)の日本シリーズ第2戦,読売ジャイアンツ1x2東北楽天イーグルスは、第1戦に引き続いて投手戦となりながら,結果は逆に楽天の勝利となった。

その原因は,正に第1戦,楽天敗北の大きなポイントであった1番岡島と3番銀次の封じ込めが失敗したことだ。
両者は第1戦ではともに無安打で,9安打無得点敗北のいわば戦犯となっていた。
特に銀次は,5回表無死から悪送球で出した走者が本塁を踏んだという意味では責任が重かった。


第2戦では,両者ともに二安打を放ち,特に銀次は6回裏一死二塁からのタイムリーが先制点(楽天の日本シリーズ初得点!)となったほどの活躍だった。

両者とも相手打者をよく調査しており,投手戦の傾向は続くだろう。
その中で,巨人では,無安打の3番阿部,5番高橋,6番ロペスの復調が,
楽天ではやはり岡島,銀次の出来が優勝の行方を占う最大の要因だろう。
もちろん,楽天に目立つ走塁ミスも勝敗を大きく左右することには違いない。
しかし,今季の楽天は脚を放棄したチームであり,その点はやむを得ないと割り切るしかない。

その意味では,
岡島,銀次の活躍を本物と信じて良いか,少々不安となる。
ヒーローインタビューの後に「バーン」ポーズを取る田中投手と銀次選手

2013年10月27日日曜日

予想はしていたが

10月26日(土)、プロ野球日本シリーズ第一戦。読売ジャイアンツ2x0東北楽天イーグルス

楽天のプレイは大方予想した通り。
則本は新人ながら、シーズン中かそれ以上の投球をした。東北楽天イーグルス,初参戦の日本シリーズのスターティングメンバー(13/10/26)

安打多くして本塁が遠いのも、いつも通り。
(AJ、マギーはあんなもの)

予測出来なかったのは、
1番岡島と3番銀次が完全に抑えられたこと。
特に波の少ない銀次は通じると思っていたので無安打は痛かった!
今の楽天は足を使わない「小技を期待できない」チームなので1番3番を封じられると点に繋がらない。

もう一つは則本の8回村田へ唯一の失投。

ユニフォームの下にダウンジャケット羽織っても時々ブルッとしたくらい肌寒かったが、
いつものバックネット裏と異なり、三塁20m後方の内野席は臨場感があり、緊迫した投手戦を楽しめた。

2013年10月25日金曜日

待ち遠しい

 先月末,出稿した依頼原稿「第2期吉村県政への期待」の初校が先週半ば戻ってきたため,週末大学院生に校正を依頼。21日(月)に校正済み原稿を受け取り,さらにチェック。同日夕には校了し,再提出した。サイトににアップロードしていた誤字・脱字も多かった初稿ファイルを校了ファイルに差し替えたのは25日(金)昼休み。

 10月24日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は資本蓄積。資本蓄積の2パターンを解説した末,相対的過剰人口について説くのだが,毎年「時間いっぱい詰め込んでいるため最後は端折る」を繰り返している。もちろん,毎年叙述に細かな修正・工夫を積み重ねてはいるが,「詰め込み・端折り」は変わらなかった,特に授業時間が本務校より10分短い(80分の),同科目の場合は痛感させられる。
そこで,帰宅後,思い切って校正を変えてみることにした。
資本蓄積2パターンと相対的過剰人口の解説だけは残すことにして,価値論部分や再生産表式的展開部分,そして細かな説明を削ってみた。
そうしたところ,15スライドが12スライドに圧縮された。

半年後の基幹科目での講義が待ち遠しい。

2013年10月24日木曜日

帰りはさらに遅くなる

少し古くなるが,
10月20日(日) 朝日新聞にフェルドスタイン米ハーバード大学教授のインタビュー記事「黒田緩和は危険」。
今のままでは量的金融緩和は長期金利の上昇をもたらすおそれがある。そこで規制改革等の成長戦略が重要,との指摘。

他方,アメリカでは「米住宅市場、回復に失速感」の報道(22日(火),ロイター電)。

量的金融緩和は、往き・実施するのは良いが,復路・出口戦略が難しい,と言われているが,
これで米QE3の縮小はさらに遅れるのではないか。

製造業の行方

一昨日22日,日経朝刊は「電子部品、復調鮮明に---スマホや車、市場に広がり 大手6社、7~9月受注最高」と電子産業の活況を報じている。
スマホ,タブレット,自動車に用いられる高機能かつ小型化の部品技術では日本電子部品大手が世界的にリードしており,完成品の需要拡大に合わせて部品受注が回復している,と。

しかし,同日の日経は,「輸出 円安でも伸び悩み---貿易赤字15カ月連続 9月9321億円 成長率減速の公算」と題して,
「新興国の景気が減速していることに加え、生産の海外移転が進み、円安でも輸出が増えにくくなっている。7~9月期の実質経済成長率は4~6月期より減速する公算が大きくなってきた」と解説・予測している。

すでに終了した朝日新聞の連載もの「超国家企業と雇用」が解説するように,日本企業のアジア進出は,中国からタイへ,さらにベトナム,カンボジアへと止まることがない。
1つには,以前から続いている,安い人件費を求めてのことであるが,
もう1つは,市場の近くで生産せざるを得ない,という事情である。
日本で作られた部品を輸入して組み立てていたのでは市場の変化に追いつかない,ということである。
いわゆる「製品のコモディティー(汎用品)化」である。
(組み立てれば済む製品・部品のデジタル化が寄与していると思われる)

今回,スマホ等製品の需要拡大で「7~9月の受注額は、前年同期比29%増の2300億円となり、四半期ベースで過去最高となったとみられる」と報じられた村田製作所の村田村田恒夫社長は,5月20日の日経で次のように述べている。
「電子部品の需要を引っ張っている製品は、スマートフォン(スマホ)とタブレット(多機能携帯端末)だ。世界の市場は成長が続くが、元気なメーカーはすべて海外にある。日本国内の電機産業がこの状態のままでは、必ずしも本物の景気回復にはつながらない」。「当社の場合、対ドルで1円円安になると、売上額への影響は55億円に相当する。..円安が進めば、値下げの圧力が必ず働く..。必ずしも円安が有利とは限らない。競争相手は海外にいる。円高が是正されても、国内にとどまるわけにはいかない。汎用品の生産では海外に出ていかざるをえない」「世界に先駆けて新製品を開発する動きが国内にない」。

村田社長はそこから成長戦略の重要性を説いている。
「電機分野でセットメーカーが研究開発に力を入れるような政策が必要になる。部品会社が高機能化や超小型化で成果を上げても、それを使って製品をつくるメーカーが復活しない限り、最終的に売れる商品群が見えてこない」。

製品開発を促す成長戦略とは何かはともかく,
最終製品で世界をリードする会社が,アップル,サムソンと海外にある以上,
多少の円安では海外への工場進出の流れは止まらないという指摘は貴重であろう。

2013年10月20日日曜日

静かに燃えて

一昨日の田中将大投手の完投勝ちで始まったパ・リーグ,クライマックスシリーズ・ラストステージ。
昨日は9回裏追いついた後に突き放されて負けてしまった。
先発則本投手は,大卒新人ながら,今シーズンは田中投手に次ぐ第2エースとして活躍していたから,危機感が募った。
田中投手が次ぎに先発するまで,東北楽天イーグルスは負け続け,逆王手を掛けられるのではないか,

そう思うと,いても経っても溜まらず,今日,マンションの消防訓練にユニフォームを着て参加した。
山崎武司選手が退団すると聞いて,2年前のシーズン終了間際に購入したレプリカ・ユニフォーム。
それまでユニフォームを着たことがないので,恥ずかしく,自宅廊下につるしているだけで,街中は愚か球場内でも着たことはなかった。

しかし,今や緊急事態。
恥ずかしい,など言ってられない。
球場で着替えるのではなく,朝から着るのんだと。

冷やかされるかと思ったら意外。
「昨晩は惜しかったねぇ」と口々に励まして下さった。
実際,テレビやラジオ,あるいはネット中継を通して試合展開を気にされている方が多いようだ。

開始直後に球場に入ると,無料配布された棒状風船2本を叩く人で溢れている。


試合,第3戦,東北楽天イーグルス2X0千葉ロッテマリーンズは,序盤先制したものの,
その後はたびたび生じた好機に悉く凡打,というイヤな展開。

それでも逃げ切れたのは,シーズン中は昂騰していても必ず中盤には捕まっていた印象の残る美馬投手が踏ん張ったからだ。
「完封試合なんかしたことなかったんですが,まさかこういう状況で達成するとは」
思わず涙が出そうになった。


さらに嬉しかったのは,球場帰り自動車用走行帯ですれ違いざま,呼び止めて結果を確認したおばさんに勝利を伝えると,「あっー良かった」
と満面の笑みで返されたこと。

その他,立ち寄ったジムでも,「勝ったんですね」と何人かに声を掛けられた。
えー,幾多のチャンスを潰しながら,と答えると,笑顔で頷いてくれた。
館内のTV中継で試合経過は知っていたようだ。

試合終了直後,駅までの途,駅東口が観戦客で溢れているのは当然だが,
試合前は,駅の西側では,観戦するぞ,という出で立ちの人は意外に目立たない。
それでも,街は静かに燃えている。

2013年10月19日土曜日

予想通りの結末

新聞によれば,昨18日の,日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)による「国家戦略特区」決定では,解雇規制の緩和や労働時間規制の緩和(ホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入)を見送るほか,混合治療の解禁,農地取引の企業解禁等も認められなかったようだ。
今日の日経は「岩盤規制崩せず」と表現している。




一口に「解雇特区」と表現されているが,中には労働時間規制の例外設置のように,その柔軟化には働き方の多様性を認めるという点で一定の合理性が認められるものもある。しかし,サービス残業が横行している状況では,労働時間規制の特例を設定することに警戒が生じるのも当然のことであろう。
19日付朝日によれば「労働側だけではない。経営側にも懸念があった。特区内の一部企業だけ雇用ルールが変わると、競争条件が不平等になるからだ。今月9日のシンポジウム。規制緩和を求める経営者側も『特区はムチャクチャ。全国同一ルールでないと動かない』と批判的だった」。
厚生労働省も,憲法上,全国一律の規制でなければならない,と突っぱねたようだ。



規制改革会議には,小泉構造改革を主導した竹中平蔵氏や,電力自由化に消極的な姿勢に見切りを付けて経団連を脱退した三木谷浩史楽天会長も委員として招かれていたので,第2次安倍政権の「新自由主義」的傾向を危ぶむ声も上がっていた。

しかし,アベノミクス第3の矢「成長戦略」の概要が発表された6月以降,株式相場に浮揚感が失せたように,参院選挙前という事情があるにせよ,スローガン以上の中身を詰め切れないところ,決定を今週に先送りしたところに「岩盤を穿つ」意思の薄弱さを市場は早くから察知していたようだ。(TPP参加は新自由主義施策とそりが合わない麻生財務相他の議員,電力自由化に消極的な経団連も賛成しているくらいで,新自由主義というより対米追随的政策であろう)

労働法規制の緩和以外も,6月時に予想された範囲内であり,これで「アベノミクスは何であったか」がハッキリしたのではないか!
アベノミクスの第1の矢,大胆な金融緩和は,それによって円高を是正したという評価もあるようだが,円高是正の気運は昨秋位から為替市場に生じていた,そのため為替相場は黒田日銀新総裁の就任以前から円安に振れていたという見方も根強い。実際,上述のように,6月の成長戦略の発表と同時に,市場の浮揚感は失われている。

第2の矢,公共事業の増発は,昨年度補正予算と本年度予算を合せた「15か月予算」で10兆円だけの財政出動の効果があるのは間違いないが,財政に制約がある以上,来年度以降も続くわけではない。

第3の矢,成長戦略は今回決着した通りである。

とすると,アベノミクスの成果は,円高是正の気運に乗じ,大胆な金融緩和で一層の円安を促した。
その結果,輸出企業を中心に経常利益を増したものの,
賃金は上がったわけではなく(毎月勤労統計調査(速報)によると,8月の現金給与総額(事業所規模5人以上)は2カ月連続で減少した,
所定外給与は5カ月連続で増加したものの,所定内給与は15カ月連続で減少した),
むしろ輸入原材料値上がりもあり,日常品の中には値上がりしたもの,これから値上げが予定されるものが出た。

そして,今月1日は,来年度からの消費税増税の予定通り実施が決定した。
(それに合せて復興法人税の1年前倒し廃止や,投資減税等が報道されているが,決定は年末のようだ)

今年1月,出頭パンフレットに載せた「経済指標の解説」で,規制緩和の難しさを見越して「今年を物価上昇と増税決定で終わらせないように」と記したが,予想通りに終わりそうである。

2013年10月18日金曜日

割り切ることの大切さ

学会出張後は,報告を聞いた研究者の論文を複写したり,雑誌や書籍が図書館にない論文は他大学図書館に複写を依頼したりする一方,三大学合同ゼミ(今回は第25回,11月30日,宮城学院女子大学)の準備のために関連する書籍を自炊したりして過ごした。

ただ自炊となると,本を裁断する必要があるので,アマゾンから中古本を取り寄せる必要がある。
そのうえで,裁断し,スキャナーに読み込むわけだが,
オートシートフィーダー付きだから,フィーダーにさしていれば,次々と両面スキャンしてPDF化してくれるが,
フィーダーに1度に差せるのは50枚(100ページ)前後だし,
途中,フィード時にページがくしゃくしゃになることがあるので,その補正が必要となる。

つまり,スキャンズレしたいくつかのページを削除し,その部分を新たにスキャンし直して,本来の位置に挿入する。
PDF化が完成したところで,後で検索できるようにテキスト認識させる。
最後に,裁断面をのり付けする。
PDF化したのだから不要なものだが,本を捨てるのが惜しい気持ちがあるので。

「本は粗末にできない」という本への畏敬?の念がかえってスキャン上のトラブルにもなる。
スキャンミスと行っても,現在利用している最新スキャナーでは2枚を同時にフィードすることは滅多にない。
良くあるトラブルは,糊付けが残っていて2枚になっていなかったというケースだ。
この場合,スキャナーが1枚目を噛もうとすると2枚目も引き摺られ,
ページが斜めにフィードされたり,くしゃくしゃになってしまうのだ。

本の背を端から1cmくらい思い切って裁断すれば糊付けは残らないが,
本を裁断することの罪悪感からついつい数mmで済ませようとすると,
かえって糊付けが残り。..ということになる。

本への思いとは別に
割り切って合理的に振る舞うことも重要なのである。

2013年10月15日火曜日

仙台・羅須地人協会設立集会


仙台文学館にて大内秀明先生、半田正樹さん(東北学院大)、田中史郎さん(宮城学院女子大)らが関わった仙台・羅須地人協会10.14設立記念会。

チャリンコで20分。涼しくなったなかで朝がなかなか退かなかった。

大内先生の講演に続いて,賢治の作品朗読,パネルディスカッションが開かれた。

先生の報告はウィリアム・モリスと宮沢賢治の繋がりを主張されていたように思う。

パネルディスカッションで関心を惹いたのはある教員の指摘(発言内容がうろ覚えなので名前は秘す)。
賢治の作品を引用比較して
花巻農学校出教鞭を執っていた時は,主人公(賢治)が少年あるいは農民と向かい合う形であったが,
羅須地人協会設立後には,多様な人の考えを繁栄する産業組織のようなものに理想形が変化した,と。

ただパネルディスカッション全体は,実際に花巻で賢治が設立した羅須地人協会がテーマということもあったが,パネラーそれぞれの発言が長く,まとまったものではなかった。
また参加者の多くは大内先生が携わっていらっしゃるシニアネットのメンバーのようで,
朗読は彼らによるものだし,集会の準備も彼らの努力による部分が大きかったと聞く。
そのような人的重なりと,時間の制約もあり,当日はこの協会独自の方向性を打ち出すにはわけではなかったように思う。

職務評価か

まだ突き詰めて考えているわけではないが突き詰めようとしたらいつになるか見当がつかないので感想めいたことを書く。

10月12日(土)18時より大阪経済大学で開かれた社会政策学会第127会全国大会のプレシンポジウム「現代日本におけるワークライフバランスを考える---関西からの発信」に参加した。

2報告の後、2人のコメントを経て、質疑があり、
結局、なかなか進まないワークライフバランスWLBの最大のネックは「日本では職務評価が行われていないこと」にある、ということになった。
厳密な職務区分がないために、正社員には全人格的な関与、長時間労働が求められ、休暇はもちろんのこと、柔軟な働き方が取りにくい一方で、短期間ないし短時間就労の非正規雇用との格差が残存する、ということだと理解した。

しかし、他方で日本では厳密な職務区分、働き形は労使双方にとって馴染まず、1960年代に大企業をち中心に導入が試みられた職務給も根付かず、最終的に導入の試みが放棄された、という経緯がある。
日本における職場慣行,働き方に適合しなかったわけである。

商時間労働を是正し,柔軟な働き方を認めたり,格差を是正するためには,その働き方こそ変える必要があるということであろうが,
現在は導入挫折期よりも,ホワイトカラーが増え,裁量的な働き方が増えている。
ブルーカラー的職務ならば,職務分析,職務評価は適しているが,
ホワイトカラー的職務には,裁量性も高く,職務評価は難しい。
教科書的には職務評価は職務の評価であり,査定は個々人の仕事ぶりの評価と峻別することができるが,
裁量的部分が大きくなればなるほど,賃金等の処遇には職務評価よりも査定の方が影響が高いため,職務評価の意義は薄れる。
より細かな点では,アメリカでホワイトカラー向け職務評価方式として普及しているヘイシステムのような細かな職務評価が日本の職場に適合しているか,という問題もある。

差し当たりは、いわゆる成果主義人事は裁量性の高い職務に限定し、裁量性の低い職務は同一労働同一賃金にすべきだと考えている。





2013年10月9日水曜日

理想と現実

民主党政権が交渉参加を予言?したTPP(環太平洋経済連携協定)。
例外なき関税撤廃,モノだけでなく知的所有権や投資の自由化も謳っていた。

ところが,
昨年暮れ「アメリカに信頼され」「交渉力のある」自民党が政権に復帰して,
今年5月事前交渉に臨めば,日本車に対する輸入関税は「想定しうる限り長期に亘って存続」が決まった。
「想定しうる限り長期」とは10年間だとか。

事前交渉を経て,日本は7月になってようやく正式の参加が認められ,
「年内合意」を目指して,「大筋合意」に達するという触れ込みの,今月バリ島で開かれた閣僚会合には安倍首相自ら乗り込むほどの肩の入れようだった。

実際,日本政府は死守すると与党の選挙公約に謳っていた「聖域5品目」についても
586に上る細品目のなかには輸入実績=実害がないため,譲歩する可能性を示唆して交渉に臨んだ。
586品目全て関税撤廃拒否していると,日本抜きで合意が進んだり,日本が公共事業の開放分野で優位に進めていた交渉が滞りかねないのだとか。

しかし,
政治的声明にすぎない「大筋合意」さえ共同声明の文言に加えられなかった。

アメリカがお得意の新薬特許で手厚い保護を求めれば,後発医薬の普及した新興国が反発し,
アメリカが国有企業の競争条件を民間と同じにするよう求めれば,国有企業が多いベトナムなどはルールをつくること自体に反発したのだとか(朝日新聞13/10/08)。

アメリカが拘る「年内合意」や今回期待した「大筋合意」も,
野党に握られた議会と対立し「財政の壁」に直面しているオバマ大統領が交渉に参加できなかったため
他国にも,交渉に当たる行政職員にも抑えが利かず,見通しが立っていない。

「例外なき関税撤廃」,モノだけでなく知的所有権や投資の自由化も謳っていた。
原則で揉めるのであれば,参加しなけりゃ良いようなものだが,
日本に限らず,アメリカから「アジア通商枠組みに参加させろ」「アメリカ抜きで枠組み作るな」と主張されれば断われなかったのだろう(アメリカは当初メンバーではなかった)。

交渉に参加しようとすれば,アメリカ等にとっての輸入関税が残る。
交渉を進めようとすれば,原則の適用をめぐって紛糾する。
しかし,枠組みは廃棄できない。

1990年代以降,世界を席巻している「グローバリズム」の実態を見せつけられているようだ。


2013年10月7日月曜日

物の弾み

10月5-6日 専修大学生田キャンパスにて7軽罪理論学会第61回大会が開かれた。

19の分科会のうち3つに参加し、2つの全大会に参加し、勉強にもなり刺激にもなった。

しかし、一番刺激になったのは、
2日目、会場に出店していた学会誌発行元の社長から「論文投稿しないのですか」と尋ねられたこと。
首に下げている名札から2,3年毎年投稿している者と分かり、あいさつ代わりに声をかけて下さったのだろうが、
即座に「投稿しますよ」と答えてしまった。

実はこの1年くらい論文を書き続けている。
すでに何回か書き直している。

内容構成というか、掘り下げ具合に自分でも納得できず、
投稿をためらっていたのだが、
たとえ社交辞令でも誘われた?以上、
応えなければならない。

そのためにはあと2か月でやらなければいけないことがある。
構成見直し。
見直し続けてきたともいえるが、まだしっくりこない。

勉強。
取り上げる文献が少ないため。

分析掘り下げ。
従来の諸説については検討を加え、自分の中での位置づけは終えたつもりだったが、
分析の結果,展開すべき結論が十分納得できないということは
やはりここが甘い、浅いということだろう。

立ち話から重い責務を負ってしまった。

2013年10月5日土曜日

同僚の決断に促され

「次の理事はどなたがなられるんでしょう」さぁ。
「最近の大学当局は。。。」

学部は異なるが,依然良く通学通銀の便が同じだったAさんは熱血漢で曲がったことが大嫌い。
大学はに限らず、色んなことに批判の矢を向けられる。

今日はやけに大学行政の話題が多いなぁと思っていたら
いきなり
「言ってませんでしたかねぇ。僕は来春大学を辞めるんです」
歳を取ったせいか,先輩教員が次々定年を迎えられる。自分もそう遠くないなぁと改めて思ったが,Aさんは年上といっても僕より1,2歳上くらいではなかったか。
確認すると定年退職ではなく,退職するのだとか。
どうやら大学改革に対する取り組みに不満が積もり積もってのことらしい。

Aさんには是非思い止まって欲しいが,決心も固そうだし,そもそも背景事情もわからない。
そのため,その日はむしろ自分に置き換えて様々考えてしまった。

それが3日前。
自分の考えをつらつら綴ってまたが,
上手く表現できない,というか,内心を吐露するのは少し恥ずかしい

要は自分は「辞めるタイプ」ではない,
しかし,やがて定年退職は来る。
定年退職迎えても,自分のやりたいことを続けることができるか,内発的意思があるのか(ないはずはないが^^;),
そもそもその時期は遠くはないので,のんびりとはしてられない。

自分に真摯に向かい合い,突き詰めて考える問題なのに,同僚の行動に触発されて考えたところが自分らしい。

2013年10月1日火曜日

もぬけの殻

9月28日 東北大で開かれた東北経済学会第67回大会に出席するも最初の2件の報告(赤池報告,細谷報告)のみ拝聴。前後は近所のドトールコーヒーにて月末締め切りの解説記事執筆。
9月29日 やはり近所のドトールコーヒーにて解説記事仕上げ。最後の土日も地味で汗を流したほかは,原稿。
9月30日 依頼原稿「第2期吉村県政への期待」の引用データを原典に当たりチェックのうえ脱稿。夕方,大手門パルスで開かれた山形県経済研究所理事会に出席。
10月1日 未だ暖かいので,半袖シャツに綿ジャケットで外出。それでも暑いので,半袖シャツのみで高速バスに乗車して登校。研究室のソフトウェア台帳の更新東,事務処理等で一日潰す。解説記事は家,原稿を書き上げた後は「もぬけの殻」,脱力状態。