2010年7月30日金曜日

下手の中休み

通院後は自宅静養,体力温存に限る
と言っても,寝ていれば汗を掻くし,エアコン付ければさらに咳き込む。
起きてはシャワーで汗を流し,食事のことを考える。
これを繰り返すと,精神的に疲労して静養にならない。

そこで,午前中は机についてお仕事。
調子に乗って昼食は外で,
といつものファミレスに出かけ,午前中の続き。
エアコンが効いているので,時々鼻水。
夕方にはジムに駆け込んで久々に風呂で体を温めた。

帰宅後,本日17時〆切の「地域社会論」最後の講義へのコメント及び期末レポートの集計。
コメントについては成績を入力。
一人800字のレポートの採点は風邪が治るまで考えないことにしよう。

自宅静養から抜け出して気分転換にはなったが,
風邪の症状転換にもなりますように^/^。

2010年7月29日木曜日

下手の始末

月曜日夜から出始めた咳,クシャミが収まるどころか一層悪化していっため,
朝一番,近くの医院に駆け込み,食事時以外は,一日中就寝静養生活。

この間,何が原因か,生活上どんな不注意,不摂生をしたか,いろいろ考えてみたが,
これというのは思い浮かばない。

間違いないのは,風邪でダウンは学期末の恒例行事,だということ。

学期末は,レポート等提出物のチェック,期末テストの採点,成績登録など学務関連業務が詰まっている。
僕の主任教官,逢坂充先生のように,就職活動を始める学生,当時は4年次夏休み前だった,に「成績出して下さい」と頼まれてから,ソファに積ん読された書類の山からおもむろに答案を取り出し「どれどれ試験問題は解けましたか」と押っ取り刀で応える強者ならともかく,
凡庸な人間は,学期末業務を処理しないと合宿や研究会の準備にも移れないので,集中して処理にかかる。

しかし,ジム通いはしていても体力のない自分は学期末業務をこなすと,疲労困憊して風邪でダウンが恒例行事,となるのだ。

となると,
一層運動に励んで体力を付けるか,
成績が出ない学生の焦りをものともしない精神力を身に付けるしかないではないか。
どちらも逢坂先生からは学ばなかったことが悔やまれる。

2010年7月28日水曜日

下手の続き

一昨日夜から始まったクシャミ,咳が昨晩一層悪化。

そんな中,毎回コメント提出を求めている「地域社会論」の集計。Blackboardからコメントをダウンロードしエクセルで整形。同時に学生証カードリーダーによる出席データと照合し,再びBlackboardに得点データをアップロード。

次いで,同じく昨日17時〆切の「市場と組織」の読み取り結果をBlackboardからコメントをダウンロードしエクセルで一覧表に整形。採点して,単位評価の値とともに,Blackboardにアップロード。

その合間,昼休み山澤進奨学金授与式に出席。昨年度末,というか入試当日,学部教育委員として応募者の面接を担当したため参列を求められていたからだ。その後の懇親会として弁当が振る舞われたが,期末試験時期のため,奨学生もゆっくり出来なかったのが残念。山澤会長が仰ったように「よく学びよく遊んで」「山形での学生生活を満喫」して欲しい。

またまた合間と言って失礼だが,「地域社会論」最終回の講義は家裁調査官による「少年犯罪」。

今期最後の授業担当日のため,朝から出かけてみたものの,周囲に風邪を振り撒いただけで終わらなかったか心配。浅知恵,「下手な考え休むに似たり」で帰宅後,直ちに就寝。

2010年7月27日火曜日

下手を打つ

帰途,高速バスを降りて夕食を取っているうちに鼻水が出始めた。
ジムに寄っているうちはたまに咳が出たくらいだったが,
帰宅後は花見,クシャミのオンパレード。
就寝前にはゼイゼイ状態だ。

翌日は「経済原論」の期末試験。
立っているのもしんどかった。

出題は講義でも用いた岩井克人氏のサブプライムローン問題に対する新聞記事を答案用紙の裏に印刷して,貨幣の通用力に関する岩井氏とテキストの考え方の違いを解説させるもの(Blackboardの読み取りテストにも出題し,講義でも解説していた)。
試験終了まで残って答案を綴っていた学生は「よくわかりませんでした」と漏らしていたが,午後採点してみると,記事から読み取れる岩井氏の考えは解説できていたが,テキストの商品貨幣論の解説は良くて通り一遍になっていた。
通り一遍どこか,講義で解説した貨幣の通用力に関する代表3説を併記しただけのものは採点しなかった。零点!
といっても満点が45点。

まだ採点の途中だが,大事な期末試験(とその採点)の前日に風邪を引くなんてずいぶんと下手を打ったものだ。焼きが回った,とはこのことか^^;。

2010年7月26日月曜日

気分が乗らない時には

学期末,最後の1週間がスタート。
先週くらいから期末レポートやコメントの採点がほぼ毎日複数件予定されている。
ゼミ生曰く「お疲れのようですねぇ」

今日も朝8時から早朝登校してみたものの,採点の予定は全くない。
週の前半にも集中していれば,こちらも集中して仕上げるのだが,「飛び石」では他の仕事にも気分が乗らない。

こういう時は,他の,細切れと言っては失礼だが,それほど時間を要しない用事を見つけて処理しているうちに気分も変わってくる,はずだ。

そこで,他大学図書館に複写依頼していた文献を受け取りに小白川図書館へ出向く。
同じく小白川図書館から依頼されていた基盤教育担当者2万円分,専門教育担当者4万円分の学生用図書の選定。

今月末が締切りだったので,頭にはいくつか候補を挙げていたが,既に学生が利用できる開架スペースに配置されていたり,ISBNコードや価格を調べるのに手間取ったりして,午前中費やして学生用図書推薦リストを作成送信。

そんな折「名ばかり顧問」を務めているテニスサークルの会長が顧問の署名捺印を求めて来訪。
部員数50名を超えたという。
テニス,スキーとかつての若者スポーツの王様も愛好家が激減しているといわれている中でよく集めたねぇ「週1練習が受けたみたいです」。趣味が多様化しているなかで部員50名はスゴイよ「やはり掛け持ちが多いですよ」。

学務も「週1」「掛け持ち」可能だったらと思おうが,そうはいかない。

2010年7月25日日曜日

ファミレス三昧

普段からファミレスを利用しているが
この週末は「籠もろう」っとデイパック担いでファミレス,ファーストフード行脚。

土曜は,午前中スタバで粘り,午後はマックとガストを梯子,一旦戻ってガストで
食事&ビール。
日曜はガストから始めるつもりが,頭が回らなくなり午前でリタイヤ。

昼食は二日続けて吉野家。
並盛り,卵に味噌汁から軽盛だけに変わったのは疲労のせい?

 7月23日 「経済原論」は前日締め切った読み取りの解説と法人資本主義であっけなく最終回。後は27日の期末試験とその採点。配点は45点だが,論述式なので時間が掛かる。しかも今週から来週に掛けて平日はコメントやレポートの締切りがほぼ毎日設定されていて,その採点で忙殺される。「経済原論演習」は周さんの研究計画。17時〆切の教養セミナー「格差を考える」期末レポートを採点し,単位評価とともにBlackboard上の成績表に転送。
 7月25日 夕方母の荷物届く。

2010年7月23日金曜日

助言と容喙・その4

事前報告を聴いていろいろ助言したつもりがかえって混乱を招き,口をつぐむことにした,とまで記した第18回三大学合同ゼミも先週土曜日無事終了。

効果的アドバイスは容易ではない。
あまり細かく指摘すると,それに中途半端に引き摺られて,話の筋がgdgdになる。
自分で考えて貰うのが一番。
質問を投げかけてみるのはどうか。

長い話を短く

ブログの文章がどんどん長くなり,投稿間隔が間延びしている。
完全な老化現象だ。

そこで長い話を短くしてみると,
近所の皮膚科に通ったら,夏休みということか,診察開始前から老若男女,ソファーから溢れ立って順番を待つ混み具合。なかにニッカポッカにTシャツ,腕に入れ墨のおに-ちゃんが周囲を睨み付けてる。診察室内の待合室に進むと,おに-ちゃんが診察を受けていて,声は様相に似ず可愛く,問診への応答は即物的で幼い。見かけ倒し,見かけ通りか。

ディーラーの半年点検の合間にファミレスで文献読み。肝心なまとめの表現が出て来ず3時間半逗留。

Blackboard上での読み取りテスト。締め切った17時から集計,採点で日付変更線。

何だか小学生の夏休み日記に戻った7月22日。

2010年7月22日木曜日

望外の成果と

教養セミナー「格差を考える」では,2つの試みをした。

先ず第1に,テキストを替えた。
数年間橘木俊詔『格差社会』(岩波新書)を用いていたが,より具体的なテーマに絞った方が学生が身近に考えて議論しやすいだろうと考えて,山森亮『ベーシック・インカム入門』(光文社文庫)に切り替えた。

第2に,レジュメ登板の二巡目からパワーポイントによる報告を求めることに切り替えた。
基盤教育では全学の1年生必須科目「スタートアップ・セミナー」の共通テキスト『なせば成る』にディベートやプレゼンテーションを持っているから,同様の少人数科目である教養セミナーにも導入しようと考えたのだ。

実施してみると,望外の結果を得た。
確かに議論は活発になった。
第2に,ほとんどの1年生はプレゼンテーションが初めてなのに,前回報告者のそれを見よう見まねで吸収して,「回を追う毎に」(学生のコメント非常にわかりやすいプレゼンテーション(パワーポイントのスライド)を上映するようになった。

他方で,「望外の負」もあった。

第1に,議論は活発になったが,必ずしも深まらなかった。
例えば,「学生に賃金を」という要求が出てくると,学生自身は身近な問題で賛否を議論しやすい。しかし,大勢が,常識的なところ,否になることは初めから目に見えている。
「要求が運動が出てきた背景を考えてみよう」とは終了時の講評で毎回のように諭してみたが,学生としては無理のない面がある。
前テキストは経済学的アプローチに特化していたので,進むうちに知識が蓄積される。しかし,新テキストは,主テーマこそベーシック・インカムに絞られているものの,その先駆けとしてさまざまな思想や政治,あるいは市民運動を紹介しているために,学生には次から次へとトピックスが移ろう感じで,とてもその背景については記述してあっても,細かなこととしか移らなかったのかもしれない。

第2に,上と表裏一体だが,プレゼンテーションもイラストを多用したり,空白を上手く用いたりして,論点や疑問点の提示は効率的かつ明示的にになったものの,盛られない論点が沢山積み残された。
これはプレゼンによるレジュメ自体の制約もある。
レジュメである以上,テキストの叙述を「要約」する必要がある。
さらに,プレゼンを効果的に行なうには1スライドに沢山の情報を詰め込まず,沢山のスライドを「集中的に」費やす必要があるから,取り上げられない論点も多くなる。
難解なテキストも幹だけ示して「なるほど」と思わせる限りでは「効果的」だが,
テキストの叙述を離れて,示されていない,盛られていないから枝葉末節と判断しては本末転倒である。

 7月20日~ 学期末とあって全担当科目でBlackboardへのコメント,リポート入力が重なり,入力のチェックと採点で他のことが全くできないくらいヘトヘトで望外の減量効果有り^/^。仙台経済学研究会でご一緒いている佐々木憲介先生より只腰親和・佐々木憲介編『イギリス経済学における方法論の展開--演繹法と帰納法』(昭和堂)の寄贈。

2010年7月20日火曜日

ライナーでも放物線でも

最近,球場に足が遠くなった。

NDスタジアムは今季も地元開幕戦に行ったきりだ。
天童まで時間が掛かる上に,試合終了後,無料駐車場からの退出路が混んでいて,一般道に出るまでに相当の時間が掛かる。自宅に着く前にスッカリ疲れてしまう。
17日は,W杯中断期間を挟んで,久しぶりの地元開催,しかも「みちのくダービー」だったが,第18回三大学合同ゼミで行けなかった。
合同ゼミの最中は雷鳴が激しかったが,試合もダービーマッチらしく激しかったようだ(モンテディオ山形3x1ベガルタ仙台

翌18日は,東北楽天イーグルスと北海道日本ハムファイターズ戦。
オールスター前の地元開催最後の試合。
しかも前日,あのダルビッシュ投手から山崎武司選手がホームランを打って勝っているので是非行きたかった。当日になっても迷っていた。

しかし,仕事の方が詰まっている。
球場行きを諦めて,18日,19日と近所のドトール・コーヒーやファミレスを2日連続行脚して呻吟を続けた。

山崎武司選手のホームランはライナー軌道なので,打った瞬間,スタンドインを確信できる。
しかし,当方の論文構想はライナーでもないし,滞空時間の長い放物線でもなく,ジグザグ紆余曲折の連続で,軌道あるのかどうかさえわからなくなるときがある。

やはり実戦より観戦の方が楽なようだ。

2010年7月19日月曜日

産むが易し


本学部で主催した第18回三大学合同ゼミ,90余名の参加を得て無事終了。

事前にテーマ解説を聴いた限り,話の流れが錯綜し論拠も不確かではどうなることかと思っていたが,他大学の学生がこちらの設定した小テーマに応じてテーブル毎に議論,その意見を集約発表してくれ,それなりに盛り上がった。

また,殺風景で趣がないのではと心配した生協食堂における懇親会も,始まってみれば,テーブル毎,グループ毎に楽しいそうにのみ,喰い,語っていて,安堵した。

生協のうちに終わったのも,仙台から遠路!遙々参加してくれた学生の皆さん,及び陰に陽に舞台裏を支えてくれた他ゼミの学生さんたちのおかげ。感謝に堪えない。

2010年7月16日金曜日

潮流が変化したのか潮流に流されたのか

サッカー観戦に忙しかったのか,
学期末の諸作業に忙殺されていたのか,
本ブログの更新が間延びし,
それに比例して,文章が長くなったので,手短に書こう。

毎年前期教養セミナー「格差を考える」を開いている。
受講生の反応が様変わりして驚いた。

昨年度までは格差是正のため所得税の累進性再強化という話が出ると反対論が多かった。
「競争力を削ぐ」という理由からである(経済学では効率と公正が永遠のテーマ)。
ところが,今年度は格差是正策としてのベーシック・インカムの財源を論じた件では,所得税率支持が圧倒的に多かった。

これは効率重視から効率重視に潮流が変わったのか?

テキストを替えたこともある。橘木俊詔『格差社会』(岩波新書)から山森亮『ベーシック・インカム入門』(光文社新書)へと。
しかし,どちらも公正重視派である。

ここで考慮すべきはその2日後に参議院選挙を控えていたことである。
1年生主体なので未成年の方が多いはずだが,
連日連夜の報道を通じて消費税に関する報道が喧しかった。
「次の総選挙まで増税しない」という前首相の発言とともに,与党内でも増税の時期や緩和措置等について十分検討されたわけではないことが盛んに報道されていた。

効率から公正へ潮流が変化したのか,潮流に飲み込まれ流されたのか,
容易には判断できないところである。

 7月16日 「経済原論」は管理通貨体制。国家が以前よりも積極的に経済過程に介入し景気対策,福祉政策を遂行するために金本位制度から管理通貨制度に転換した,ということで,新聞記事 「ベーシックインカム論、熱気」(朝日新聞,2010年5月8日付)をを読み取りの課題に出した。「地域社会論」の地域づくり論を担当していただいたI氏より,学生の感想・質問への回答が届いたので,12ページに及ぶ回答をpdfファイル化し,Blackboardにアップロード。教養セミナー「格差を考える」は『ベーシック・インカム入門』最終章。期末レポートを課し次週を自習時間とした。「経済原論演習」は翌日の第18回三大学合同ゼミの設営等,準備に当てた。懇親会の設定もゼミ生に任せていたところ「参加費、懇親会費込みで二千円です」。大学生協恐るべし!

2010年7月15日木曜日

祭りが終わった後に

サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会が終わって早四日。
この間,生中継を観るために,あるいは観る時間を作るために,
早めに帰宅し,早起きどころか未明に起床した。
ソファで仮眠を取り,観戦後そのまま外出。昼間欠伸を堪えるのに窮していた。
ジム通いを控え,球場にも足を向けなかった。

そのおかげで緊迫した試合をいくつも観戦することが出来た。
内容は様々だが,4年の一度の大会は強豪国代表の試合にも緊迫感を与え,また4年間で実力を伸ばした国代表が単なる健闘を超えた実績を示したので,順当勝ちはむしろ少なく,どう転ぶかわからない試合が多く,存分に楽しめた。

また体重,体脂肪とも落ち,ベルトにも余裕が出来た。
運動もしなかったのに体重が落ちるのは健康には悪いかもしれないが,
昨年の夏合宿以来,体重が純増気味だったのでちょうど良い。

そして眠くても楽しいことづくめの祭りが終わった後に
対照的な現実が待ち構えていた。

「リーグひとり借金」
「朝井が2年ぶりの一軍勝利」
「リンデン復帰」
などなど,風の噂には聞いていた。

しかし,前監督と専属契約を結んでいるのかとと思われるくらい,監督コメント「ノムコメ」を毎試合後タップリ放映していたニュース番組が気付いてみれば,他チームと同じ時間しか費やさない公正な報道番組に変わっていた。

いっそシーズンが終了していれば,
ワールドカップの余韻に浸った安寧な生活が送れるのだが,
昂揚感が得られない生活が始まる。

 7月13日 「経済原論」は「前回の続き」に続き金融資本・ドイツ型。ゼミ生来訪。合同ゼミ基調報告,の報告。
 7月14日 「市場と組織」は若年層の雇用。いままで同科目ないしキャリアガイダンスで「非正規雇用」をテーマに1回90分で話した内容のうち,若年層の雇用問題を独立に取り出し,内部労働市場との関連を解説。しかし,前段が長く,後半,内部労働市場との関係が薄かった。急遽作成したため教材としての作りが浅かった。「地域社会論」を拝聴し,学部講師にお礼を述べていたら研究科運営委員会に遅刻。最後の議題,次回開催日程だけ参加。
 7月15日 前夜に続き「市場と組織」の読み取り問題採点。総合講座IIIの時間を間違えた^^;。今週分の講義資料は先々週には作り終え,自分の仕事に専念するはずだったが,改めて読み直すといろいろ不備が目について今週はその校正に追われた。何のために根を詰めて作りだめしたのやら。

2010年7月14日水曜日

助言と容喙・その3

コーチングと言えば,「適切な時期に適切な水準の助言をする」ことが重要だとされる。

助言がうまくゆかない原因は様々ある。
環境要因(図書,ネット設備のようなハードからカリキュラム体系などソフト面まで),本人の問題(これまでの蓄積・経験というからいま現在のその問題への傾注度合いまで),助言者の問題(経験・知識から観察力、関心や傾注度合い)
これを「適切な水準か」とまとめただけでは何も問題点を示していない。

しかし,それでも単純に「内容が専門的すぎたかな」と思うことがままある。

先日,「経済原論」で商業資本論を講義した後,学生から質問を受けた。

一言で言えば,「商業資本は論理的概念か歴史的概念か」ということである。
これに対して,商業資本は産業資本(自身による流通費用の発生)を説かないと理論的に導出できないという意味では論理的概念であると同時に,歴史的概念である(資本主義以前の流通業資本、商人資本とは異なる)、と結論を示し,同時に,商人資本もマルクスや宇野弘蔵にとっては歴史的概念である(価値増殖の合理的根拠を持たないので資本主義的生産様式では存立し得ない,産業資本における価値増殖の合理性を示すための説明に止まる)のに対して,山口重克の場合には商人資本も不確定的な流通過程の中では譲渡利潤(売買差益)も合理的根拠を有さないわけではない,という意味では純粋資本主義でも存立しうる価値増殖であり理論的概念である,と説明した。

もちろん,山口重克が流通論で説いているのは,商人資本ではなく,商品売買資本形式であって,純粋資本主義で商人資本が存在するというのではなく,資本が譲渡利潤を得ることはありうるということであるが,
相当勉強している学生の,相当突っ込んだ説明なので,学説
上の相違にも敢えて言及したわけであるが,結論部分も学説上の説明もどちらも他の学生にはちんぷんかんぷんだったであろう。

大学や学校では多くの学生を相手にしている。
個別指導には限りがある。
皆の前でどこまで解説し,質問者にどこまで答えるかは頭を悩ませる問題だ。

さらに大学や学校では,学期,学年,修業期間とどれを取るにせよ短い期間なので、適切な時期を探っていると時間切れになりかねない。

最近,思うのはこちらの想定するタイムスパンが短い、つまりせっかちに成果を求めているのかな,ということである。
(この項書きかけ)

2010年7月12日月曜日

終わってみれば

例によってソファで仮眠してサッカーワールドカップ南アフリカ大会の試合,いよいよ最後の決勝戦を見た。
今大会はヨーロッパNo.1のスペインが優勝できるのか,倒すとすればどこかが話題になった大会だった。

4年に一回の世界大会で下馬評通りの展開は望むべくしてありうるものでははない。
1998年フランス大会はFWロナウドの全盛期でブラジル優勝確実と思われたが,周囲の期待が災いしたのか,フランスが初優勝した。
2002年日韓大会は,韓国がイタリア,スペインを蹴散らしてベスト4に入った。
2006年ドイツ大会は,MFロナウジーニョのための大会と目されたが,ブラジルは準決勝でフランスに退けられ,そのフランスがカルチョ・スキャンダルに巻き込まれていたイタリアとPK戦の末,準優勝に止まった。

今回も,ヨーロッパチャンピオンのスペインがグループリーグ初戦で躓き,オランダも無敗でここまで進んだもののかつてのような攻撃における歯切れの良さは影を潜めていた。
何よりスペインもオランダも「キレイなサッカーをするが大舞台には弱い」が通り相場のチームだったので,両チームが決勝戦で顔を合わせることを想像した者は少ないのではないか。

試合はボール・ポゼッションこそスペインが上まわっていたものの,オランダ選手の球寄せが厳しく,スペイン選手は球の出し先に窮し,お得意のダイレクト・パスは影を潜めていた。準々決勝からの試合間隔が3日とオランダより1日短いのもスペインには負担のようだった。

見ていてヨーロッパ・チャンピオンズリーグの準決勝,バルセロナ(西)×インテル(伊)を思いした。インテルは,攻めをFW2,3名に任せ,屈強なDF陣でゴール前を堅めた上で,MFもバルセロナのシャビ(西)やメッシ(ア)にスペースを与えないようシッカリと寄せていた。しかも,守備的と言われながら,インテルの得点はバルセロナのそれを上回っていた。前目のポジションで,決定的なチャンスを創りだし,バルセロナに引導を渡したのがスナイデル(蘭)やミリート(ア)だった。インテルは決勝戦ではロッペン(蘭)を退け,チャンピオンズリーグの優勝を果たした。

バルセロナ,インテルの試合の引き写しのような印象を受けた決勝戦も,後半になると,オランダ選手に疲れが見て取れ,中盤が空き,スペインの攻めが一層加速した。

決着は90分では付かず延長線,しかもその後半生にもつれ込んでいた。パスを繋ぐスペイン,六編の突破便りのオランダという構図は変わらなかった。

15分ハーフの終盤,右サイドを駆け上がったFWナバス(西セビージャ)が逆サイドにクロスを挙げ,これをFWフェルナンド・トーレス(英リバプール)がゴール前に放り込んだ。ボールは相手DFに跳ね返されたが,詰めていたセスク(英アーセナル)が相手DFを惹きつけた末に横パス。MFイニエスタ(バルセロナ)がゴール右からDFを一人交わしてシュート。待望の一点をゲットした。

試合のポイントは選手交代だった。準々決勝,ドイツDFをかき回したペドロ(バルセロナ)をアッサリ見切ってナバスに代え,FWを得点王候補のビジャから不調のはずのフェルナンド・トーレスに代え,そして動きが鈍かったシャビアロンソに代えてセスク(英アーセナル)を入れた。貴重な一点はほとんど交替選手のみの連携でゲットされた。交替を決めたデルボスケ監督の冴えが光った試合だった。

ヨーロッパチャンピオンズリーグ準決勝と引き写しのようなワールドカップ南アフリカ大会の決勝戦で,バルセロナを最後の最後に勝利に導いたのは,怪我でチャンピオンリーグを欠場していたイニエスタだった。

終わってみれば,一番注目を集めていたスペインが下馬評通り優勝した,珍しい大会となった。

 7月11日 既に期日前投票を済ませていたので,デイパックにノートPCを忍ばせて外出。
 7月12日 講義の準備追われる。夕方には睡魔がピークに達しジム通いを回避。

2010年7月10日土曜日

新手のイタズラメールか

面識のない人からメールが届くことがある。
海外発は大抵イタズラメールなので開封すらしない。
国内便も大抵広告メール,HP作成や論文英訳請け負います,の類なので,読み飛ばす。

ところが,先々月末,面識のない学会員からメールが届いた。
要は,ようやく本を出した。『資本論』第Ⅰ巻の研究書で,独自の見解を打ち出した。目を通してくれ,と。

「よろしくご検討いただければ、さいわいです」とは抜刷や著書を贈呈する際の決まり文句だ。
ところが,メールには添付されていないし,宅配便で送ったとの記載もない。

これは「買わずに」「検討」できるものならして「いただ」きたい,
という新手のイタズラメールではないか。

しかし,こちらは論文一本書くのにこの半年四苦八苦していて,
差したりのテーマ以外の文献に手を出す暇はない。
しかも「ようやく」もなにも本を出したことさえない。

構ってられない,
と思い返信さえしなかった。
しかし,どうやら本学の卒業生であるらしい(遠山弘徳さんの間違いだった)ので,
本学研究費で購入,先月半ば大学図書館の所蔵となった。

頭川博さん。返信しなくてスミマセン。
御著書『資本と貧困』,図書として購入後,研究室で積ん読状態です。悪しからず。

助言と容喙・その2

ゼミ「経済原論演習」の時間にゼミ生が第18回三大学合同ゼミの冒頭で行なう基調報告,というと大げさだがテーマ解説,をパワーポイントの配付資料を基に説明してた。

先日の解説に気付いた点をいろいろ指摘して,かえってゼミセを混乱させて反省したばかりだが,基調方向の全容を示されると,事実問題,推論の進め方,相互の連関などいろいろ目に付き,またまたコメント,ゼミ生によれば「ダメ出し」してしまった^^;。
(最終的には「報告するのは君たちだから君たちで決めなさい」と助言したが)

しかし,今回の反省はその点ではない。
結局,ゼミで何を教えてきたか。ゼミ以外でも教養セミナー「格差を考える」や「経済原論」,「経済原論演習」で何を教えてきたか,教えるべきであったか,という点についてであった。

それぞれベーシック・インカムの仕組みや考え方とその背後にある戦後福祉国家の捉え方,資本主義的生産様式の基本的メカニズム,企業内労働市場とその変容等,目標はあるのだが,それは単なる知識や学問体系に止まらないように思う。

端的に言えば,学び方だと考えられるが,
それが伝わったか,そもそもちゃんと教えてきたか,ということの反省である。
(これはこんにちの学部教育にも係わるので,今後も続く)

2010年7月8日木曜日

暑気払い,露払い,眠気払い

七夕の,正に夕方,定例学科会議の後で学科暑気払いがキャンパス内のレストランで開かれた。
数年前から続いている行事で,その時々の学科長が自腹を切って秘蔵の銘酒を提供する習わしになっている。

新学科長は愛飲家の評判に違わず,日本酒から焼酎,ワインそれぞれ複数銘柄提供された。
昼休み,旧講座会議で既に話題になり,正に秘蔵銘柄を持参したと話されていた。
同時に,少し古くかび臭いワインもあるとのことで
誰がそれに手を付けるか,露払い役も話題になった。

学科会議終了からしばらく置いて,暑気払いが始まった。
自分も銘酒の運搬を手伝った。

しかし,露払い役を誰が務めたのか,全く覚えていない。
というか,訳ありワインのことをスッカリ忘れていた。

自分がお酒に強い方ではないので,最初のビールジョッキを空にする前から出来上がり,方々のテーブルを練り歩いては学科メンバーとの久しぶりの雑談に興じ,銘酒が並んだテーブルには視線さえ向けなかった。

また当日は朝3時半には起きてサッカー・ワールドカップ南アフリカ大会の準決勝第1試合,ウルグアイ2x3オランダ戦をTV観戦し,そのまま登校していた。また当日は講義,会議,学部共通科目のお世話,再び学科会議とスケジュールが詰まっていて,時々睡魔が襲ってきていた。日中も宴会中も眠気払いしたかったくらいだ。

大勢の者が楽しそうに談笑していたが,誰がワインに口にしたかまでは記憶にない。
そもそもワインの件は忘れていた。
一つ覚えているは,自分はワインには一切手を付けなかった,ということだけである。

助言と容喙

先日ゼミ生が来訪し,第18回三大学合同ゼミのテーマ,および3ラウンドにおけるグループ・ディスカッションの小テーマを解説した。

合同ゼミのメーリングリストに議論したいことの大枠を投稿する前に,私にアドバイスないし確認を求めたかったようだ。
A4版用紙3枚くらいのテーマ,小テーマ解説には違和感を覚えた部分もあるので,気付いた点を2,3指摘してみた。

しかし,後になって「余計なことを言いすぎた」と反省した。
プレゼンし,3ラウンドを運営するのは自分ではなくてゼミ生たちだから,粗筋にちょっかい出してはテーマを解説する側のゼミ生に迷いが生じ、参加大学の学生はもっと混乱する,これでは合同ゼミにならない,と。

何年経ってもゼミの指導は難しい。

2010年7月5日月曜日

学期末

学期末の7月末を控え,ここ10日くらい,平日は講義や会議の合間を縫って,講義資料や読み取り問題の作成をしている。
例の二つ返事体質で夏休み中の仕事をいろいろ引き受けてしまい,その時間を確保する必要があったからだ。

今日は午前中掛けてそれらを終了。
午後は,学部共通科目「地域社会論」でお一人ずつ毎週講義していただいている学外の方に返送する学生のコメントを打ち出し,併せて礼状を作成。
目先の用に追われ5月26日分から!礼状が滞っていたので,ジム通いの時間も返上して,数週分,学生の感想を読み直してみたところ。テーマによって学生のコメントに特徴があることがよくわかった。

出欠確認を兼ねて最初ざぁーっと読んだ時は異口同音のコメント,有り体に言えば受動的な感想文が多いと思っていたが,礼状を認めるために改めて読み直してみると,「学生もいろいろ考えている」ことを実感。
作業に伴う肩痛及び眼精疲労も癒やされた。

 7月4日 自宅にて構想練り直し。久しぶりにジムで筋トレの後,日曜日のストレッチ教室。シャワー後に髪が半乾きだったのだろうか,治ったつもりでいた風邪がぶり返し,次に寄ったファミレスでも自宅でもクシャミ,鼻水が止らなくなった。
 7月5日 マスクをして登校。午後ゼミ生来訪。第18回三大学合同ゼミについて打合せ後四方山話。サッカー観戦の予定もないのにジム通いを止めたのは久しぶり^^;。

2010年7月4日日曜日

まさかまさかのいつもの展開

サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会準々決勝,アルゼンチン0x4ドイツを観戦した。

タレント揃いで「今度こそは(優勝)」との声もあったアルゼンチンが良いところもなく敗退した。

0対4という点差こそ以外だが,
「アルゼンチン敗退」はワールドカップの恒例行事だ。

ボールを細かく繋いで攻め上がる
自分のスタイルを頑なに守るのは今や稀有である。

イングランドはロングボールを投げ込むスタイルを疾に捨てた。
今大会に限っても,オランダはトータルフットボールを,ブラジルは華麗な攻撃サッカーを捨て,堅実なサッカーに転換して大会に臨んでいる

しかし,アルゼンチンはボールを善戦に放り込むよりポゼッションを優先する。
勢い遅攻になり,相手からすればボール奪取しやすい。
それでもスタイルを曲げない。

細かくボールを繋いでゴールまで迫るサッカーは見る者を楽しませてくれ,期待を膨らませる。
その代わりメッシュなどは相手ボール時には歩いている。
守備陣の足は遅いにもかかわらずにだ。
結果は毎度おなじみで驚きはない。

客を呼べる攻撃サッカーのチームが1つ消え,
後はスペインだけだが,こちらも本調子ではない。

4年に1度の世界的行事もゆっくりと幕が降り掛けているのかもしれない。

2010年7月3日土曜日

まさかの展開

サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会準々決勝を観た。
準決勝ブラジル1x2オランダ
前半と後半で様相を全く異にいてにた。

前半はオランダの司令塔スナイデルが止められ,ブラジルが自分のペースで試合を進め,得点も序盤に生まれていた。
後半はブラジル陣営にスペースが出来て,オランダ選手に良いように走られていた。
オランダの勢いはオウンゴールで同点にしてからも止らず,逆転を果たした。

FIFAランキング1位のブラジルがアッサリ負けた。
ブラジルはオランダのエース,ロッペン(独バイエルン)のサイドからのドリブル突破をファールを冒さないでは止められなかったが
オランダはブラジルのエース,カカ(西レアルマドリッド)の,センターからドリブル&パスでゴールに迫る動きをファールなしに止めていた。

今日的にいえば,技術をひけらかさず直線的にゴールを狙うカカの動きの方が合理的だと賞賛されるはずだが,今シーズンは本調子ではなかった。
エースのコンディションが勝敗を分けた。

 7月2日 「経済原論」は商業資本。学科運営会議。教養セミナー「格差を考える」は第5章。最低賃金制度va負の消費税など専門的な内容が出てくるが,そこを飛ばして議論しても「○○は良いと思いますか」と素人談義。「経済原論演習」は留学生の進路について。朝から全コマ塞がっていて,クタクタ。

2010年7月1日木曜日

二つ返事の徒

調子よく振る舞っていると,そのうち切羽詰まってくる。

依頼仕事に,元来の仕事の時間を取るために,
やるべきことが比較的確定的な学期末(閉講は7月末)までの講義関連準備を先に済ませようとした。

しかし,月曜日から木曜日まで,昼も夜も掛けても講義資料さえ完成しない。
講義資料は前年度版を参考にできるが,新たに加えたメニューもあるので,その部分は必要なデータ,グラフから集めなければならない。
白書や新聞記事を当り,スキャンで読み込んで画像ファイル化し,パワーポイントに読み込むという作業を日中繰り返している。
講義資料の他にも,読み取り問題の作成と「地域社会論」で講師をお願いしている学外の方に礼状をそれて学生のコメントの返却。これが5週5名分滞っている。

最後に残る期末試験の採点と単位入力は試験終了後でなければできないので,
上記作業をなるべく今週いっぱいで済ませ,依頼仕事,自分元来の仕事に専念したい。
生来の二つ返事体質が自分の首を絞めている。

 6月29日 「経済原論」は擬制資本。
 6月30日 「市場と組織」は年金制度を簡単に解説し,雇用形態の影響,主婦の就労調整など。「地域社会論」はNPO法人柏倉家文化村の飯野清治さんに「NPO」と「文化財保存」についてお話願った。