2014年12月31日水曜日

大晦日は

昼過ぎ,駅東口の映画館にて,初めての三池崇史監督『神さまの言うとおり』
はじめてと言ったが,そもそも映画はめったに見ないし,近所にTUTAYAがあっても利用しないレベルだし,思い立ったのが昨日ことで調査不足が祟り,苦手なホラー映画ととうことをよく知らなかった。

職員親交会は年末に翌年末期限の映画入場券を配付する。お節介にも2枚!
ために、大晦日に映画館ハシゴ。

合間が20分少々しかなく,小雨の中を自転車で突っ切ってセーフ。
デヴィッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』
こちらはホラーの次ぎに苦手なサスペンスもの。
しかし,役者が達者で十分楽しめたし,恐かった。人間というものが!



1作目までの時間調整は駅スバで本多正識『吉本芸人に学ぶ生き残る力』(扶桑社,2014年)。
やはり朝のうちに淳久堂に取り置き依頼して入手。


もっと内幕ものを期待したが,話は至って常識的。
芸能でも,否,人気があり,人,カネが集中する,今はやりのコンテンツビジネスだからこそ,常識の積み重ねが必要,ということか。


晦日は

29日の,金子勝・神野直彦『失われた30年』で興味を覚えたことのもう1つは,神野氏の社会保障制度改革案。


セイフティ・ネットを張り替える際のポイントとして,
1つは,現金給付に重心をおいた社会保障からサーヴィス給付に重点を置いた社会保障へシフトさせていくこと。
もう1つは,現金給付による社会保障の任務の中心を.、賃金代替に置くということ。つまり,「病気、失業、高齢退職というような正当な理由で賃金を失ったときに給付されるような社会保険に純化していくといこと」。

また,前者について「給付給付は地方政府にしかできないので,そこから地方分権という方向が出てくる」
そして,「中央政府がミニマム保障を引き受ける」(以上,金子・神野p123-126)。

この点についてもっと知りたかったので,晦日は神野直彦『「分かち合い」の経済学』(岩波新書,2010年)。
ネット上でジュンク堂に在庫を見付け,取り置きを依頼。ジム帰りに受取,ファミレス読書。
しかし,期待と異なり,(大先生には失礼だが)理念先行の様な印象を受けた。

例えば,スウェーデンの「オムソーリ」(ソーシャル・サービス)を支える「悲しみの分かち合い」という思想,と「ラーゴム」(ほどほど)という発想の紹介。
戦後日本企業の擬似共同体という位置づけ。
あるいはそもそも市場と共同体の二項区分。

藪入り後

今年は最後の土日が27,28日のために,26日(金)には御用納めという日の巡りと,久し振りに原稿を抱えていない,ということもあって,趣味,あるいはせいぜい教養として読書に勤しむことが出来た。



12月27日28日の土日こそ原稿の校正に当たったが,
まず,29日(月)グローバリズム関連で選んだのが金子勝・神野直彦『失われた30年--逆転への最後の提言』(NHK出版新書,2014年)。


関心を覚えたことはいくつもあるが,
その一つがウォルター・コルピの「再生産のバラドックス」(パラドックスは逆説の意)

社会的扶助支出(税金による救援,例えば生活保護)の比率が高いほど,ジニ係数も相対対的貧困率も高い,つまり格差が大きい。
逆は逆だが,日本だけ社会的扶助支出も低いのに,格差も大きい。

要は新自由主義批判。

2014年12月27日土曜日

久し振りの祝日は時間切れ

祝日なんて2月に2,3度あるものの。。。以下同文。

12月23日(火),ドトールコーヒーにてネットサーフィンしつつ,併設の書店で文庫・新書コーナーを巡回しつつで,昼前後に2冊ゲット。

欲張りなのか1章ずつ交互に読んだため,どちらも1/3程度というところで終了。
贅沢な気分を味わった。

2014年12月21日日曜日

久し振りの日曜日

日曜日は7日毎に訪れる。
しかし,この3,4か月大小の締め切りに追われる生活で週末もカフェ出勤していた。
久し振り,あるいは束の間の日曜日もカフェへ。


近所のドトールコーヒーにてプロインタビュアー吉田豪の『聞き出す力』 。言ってることは、批評するのではなく「ジャッジは読者に委ねる」「自分語りは話を引き出すための道具、裏方に徹すべし」「下調べは最低限の礼儀」「テクニック以前に一般常識が非常に大事」等、基本的、原則的なこと。しかし、振り返ってみて、守り抜くのは難しい!



そのままドトールに居座って、NHK取材班『女性たちの貧困』。貧困と言っても、シングルマザーになってのケースと、貧困家庭の育っての連鎖ケースは少し違うように思うが、「貧困とは「お金がない」だけでなく「教育」や「情報」が欠如している状態」(213)には納得。

この間、

12月13日 山形市高瀬紅花ふれあいセンターで開かれた仙山交流シンポジウムに山形・仙台圏交流研究会として参加。懇親会では乾杯の音頭を取った。「軽輩ですが、若輩ではなくなった」ので。
12月17日 学部教授会後、忘年会。ビンゴゲームはトリプルリーチ状態のまま終了。
12月18日 宮城県庁で開かれた「みやぎ・やまがた連携ネットワーク会議」第1回に山形・仙台圏交流研究会を代表して参加。夏の準備会同様学部と研究会の紹介を今度はパワーポイント用いて説明しようとしたが、制限時間5分をオーバー。ストップ!が入った。

2014年12月8日月曜日

初滑り

早朝,学部玄関の前で転んでしまった。
路面凍っているとわかっていて,アイスバーン対応靴底のウォーキングシューズはいていて,だからよほどボッーとしていたのだろう。
尻餅をつき,右肘を打ち,右掌には擦り傷。
「油断大敵」

12月6日(土)は午後から東北学院大学土樋キャンパスにて三大学合同ゼミ「地方消滅」

半田先生(前列中央)がデジカメをすまほでBluetoothで遠隔シャッター
さかなや道場仙台西口店

2014年12月1日月曜日

間近に実感

週末は風邪でダウンした。
金曜日は咳だけだったので,自宅直帰後,静養していたが,
土曜日朝には発熱。
近所の医者からは「週末38度を超えたら,インフルエンザの虞がありますから,急患センターに行って下さい」

脅しだと思っていたら,すぐに38度を超えた。
しばらく静養すると温度は下がるの繰り返しで,
月曜日早朝,ようやく平熱近くまで戻った。

心当たりはある。
ここ2,3か月大小の締切りに終われ,
いよいよ最終局面。
昼食を摂ると眠くなるので,
フルーツなど軽い物で済ませてきた。
しかし,軽いだけでなく,カロリーも小さい。
26日,教授会報告の最中に軽い立ちくらみがしたくらいだ。


ここ数年,1シーズン2,3回は寝込んでいる。
未だ11月末と,油断していたのだろうか。
今年の降雪は間近と実感した。

2014年11月25日火曜日

まだはまだなり

目の前の締切りに終われ,1つ1つこなす作業を繰り返していると,
やっつけ仕事に終わっているような感慨を覚えることがある。
もちろん,自覚してそうしているわけではないが,
「もっと時間を掛けて丁寧にしておけば良かった」という思いばかり残る。

株式相場の格言に「未だはもうなり」がある。
まだまだ上がるはずと売り惜しんでいると,実はピークで,後は下がるだけ,という意味だ。
あまり欲をかくな,ということでもあろう。

しかし,こちらは「まだまだ」と控え目に言ったつもりでも(実際はかなりの程度と思っていても)、謙遜でも何でもなく、実際まだまだで冷や汗を掻かされるときもある。

結局、どう冷静に判断しようと、しょせん主観は主観で、
不十分に思っても、
どこかで区切りをつけないと、
次が望めない、ということであろう。

前から

この2か月くらいの間,大小の締切りに終われ,更新間隔がさらに延びた。
以下は1週間前,朝刊を読んで,書き始めたものの,そのままになっていた。
要は,アベノミクスは実質「第1の矢」量的金融緩和だけだから,
円安の弊害=輸入物価高となれば,手の打ちようがない,ということ。
-------------
安倍首相による,消費税増税時期の延期に関しては,4月の増税による景気交替が喧伝されている。

確かにGDP年率1.6%マイナスは大きい。

しかし,日経新聞に載った実質賃金の伸びの推移を見ると,
実質賃金の伸びが名目賃金の伸びに追いつかず,前者がマイナスとなったのは増税直前の今年1-3が月からだ。

むしろ円安による原料高の影響が大きいのではないか。



2014年11月13日木曜日

耐用年数

先週,自宅の洗濯機が動かなくなったので更新した。
動かなくなったのは脱水機能だけだが,洗濯を任せている母には手絞りはキツイし,何より年代物なので「お役目ご苦労様」という気分が先に来た。

販売店では数年以内の製品であれば,買い替え奨励金を出すとのことであったが,
数年どころか,10年は優に超していたので,リサイクル料を払って引き取って貰った。
引き取り前に型番等を控えていなかったので,いまさら調べようがないが,10数年,ひょっとすると20年超ものだ。

昔々,院生時代,「景気の周期性には,やはり機械の耐用年数が絡んでいるのではないか」という議論を聞いたことがあるが,
今のような節水等の機能や洗い方の工夫もない,単に洗濯から脱水までの全自動洗濯機でも20年近くも利用されると,景気の回復にも影響を与えるのかも知れない。

ところで,読売報道がフライングしたとも,官邸側のリークとも言われる解散風は,解散の代議がないと指摘されながらも,総理外遊中に止めようがなくなったが,内閣の耐用年数は2年なのか。

第1次安倍政権が参院選で負け,ネジレ国会が誕生して以降,
また民主党政権も誕生した翌年の参院選で負け,やはりネジレ国会が再現して以降,
予算以外の法案を賭すのに野党の協力が不可欠とあって,
首相の座のたらい回しが常態化していた。

第2次安倍内閣の場合には,2012年暮れの総選挙でも,翌年の参院選挙でも大勝しているので,政権たらい回しの必要はない。

しかし,新聞報道では,なまじ大勝したために,次の総選挙では議席を減らすのが確実であるため,官邸は減少分を最小化する時期を慎重に探ってきて,この時期を選んだのだとか。

消費税増税の先送りが焦点になるのか,
アベノミクスの総括になるのか,大義はみえなくても,風は止まりそうにない。

2014年11月5日水曜日

外れた予想のうらには

10日くらい前に,「円安=原料高と株安の恐れ」などと記した記憶があるが(最近は更新がのびのびなので覚えていない),
この間,10月31日(土)黒田日銀総裁の追加的金融緩和発表と軌を一にして株価が急上昇した。

しかし,量的金融緩和だけでは,景気回復し金融緩和を終了して次は利上げへと向かうアメリカとの金利差拡大予想から,
円安の進展が予想されるだけであり,株高までは結びつかない。(現にアメリカはドル高株高だ)

円安で輸出企業が利益を増やし,海外に移転した工場が戻ると予想されもしたが,
既に円安の負の側面が方々から指摘されている。
中小企業の集まり日商の三村明夫会頭ばかりでなく,
大企業の集まり日本経団連の榊原定征会長も既に行き過ぎた円安との懸念を示している。

最近の株価上昇は,黒田総裁の追加的金融緩和発表だけでなく,その前日,10月30日(金)にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用基準を改めて株式の比率を倍増させという事情が絡んでいることには留意が必要だ。

約130兆円の公的年金を運用するGPIFの運用資金は莫大なのでその株価引き上げ効果も大きい。
しかし,このような力尽くの株価引き上げ策は長く続くとは限らない。

GPIFの株式運用比率増大には,株価が下落すれば,国民の将来の年金原資を大きく損なうため批判も多い(「公的年金運用、リスク資産増に批判 厚労省作業班が初会合」日経14/11/4)。

また,政治の介入は政権の都合でスタンスが変わるため,健全な投資家が日本市場から逃避する可能性もある(「日銀緩和、強まる官製相場 15年末に国債の3割保有へ」日経14/11/4,「株式運用、物価上昇に備え 年金見直し、「政治介入」批判も」朝日11/1付け)。

首相の執務室には株価を示すボードが設定されており,株価がリアルタイムで把握できる,歴代政権初の試み,という。
内閣支持率に直結する日経平均株価や消費税増税の環境整備としての株価の引き上げ,という短絡思考でなければ幸いである。

2014年10月28日火曜日

暑さと冷たさ

10月25,26日と阪南大学経済理論学会第62回大会が開かれたため,前日から大阪にいた。

気候は暑かった。会場で座っていても汗を掻くほどだったが,議論に関する感想は別だった。
と言っても,報告が良くないという意味ではなく,自分の関心と学会のそれがずれているため,報告を聞くにもなかなか身が入らなかった。
もちろん,関心のある報告もあったが,出発する直前まで24日(金)締め切りの調査論文の作成に追われていたので,事前に報告要旨に目を通していたわけではないので,その場で報告を聞いても論試を十分把握できなかった。

学会主張流とのズレはともかくとして,
準備不足で,むしろ報告に接して勉強不足,勉強の必要性を再認識するのは毎度のことである。
むしろ刺激を受けたり,学会の潮流を肌で感じることが学会出張の大きな目的と言っても良い。

もちろんその他に全国の研究者から,特に顔なじみの研究者から他の大学の状況を知ることもそれはそれで有意義だ。
報告を聞いたからと言ってすぐ地域が蓄積されるわけではないが,「目次」「目次」くらいは頭に残る。

名所や話題のスポットに足を運ぶわけでもなく,
出張のもう的がぼやけることが多々あるが,情報を求めたい,という気持ちがあることは重要なのだろう。


帰りは阿部野橋からアベノハルカス仰ぎ見ただけだけで田中先生とバスで空港へ(26日)

2014年10月21日火曜日

数と割合

アベノミスクの踊り場

2014年10月18日土曜日

テーブル

宮城学院女子大で担当してる「経済社会特論」の,次回「資本蓄積」のスライドの導入部にアベノミスクの解説を4スライド作成してみた。
表に続くグラフは日経QuikのデータをExcelに読み込んで作図したもの。




夜も遅いので解説割愛。
(最近もアベノミクスについて加工としたら数日経って未だ完成させていない)

2014年10月8日水曜日

月が目に付く月


今月中旬締め切りのいらいげんこうのために,5月及び7月に行ったインタビューの音声ファイルを聞き返している。

以前も経験したが,時間が掛かる。
2時間のファイルを聞くのに時間が掛かる。
倍速で再生し,メモしたい箇所やハッキリ聞き取れない箇所だけ党則で聞き返してみるが,この繰り返し再生が1度では終わらない。2,3度繰り返し,それでも聞き取れないこともある。
そんなこんなで倍速再生のはずが,1/3再生になって,ほぼ半日潰れる。

疲れ果てて代える時には,普段は期に止めない丸い月が目に入る。写真は10月7日18時過ぎグランドに映った満月。

2014年10月6日月曜日

大学と高校

 
10月2日 宮城学院女子大学での「経済社会特論」。ここ数年,後期のみ担当しているが,綺麗で広々とした後者にウットリ。

午後は,県で一二を争う進学校,仙台二高を訪問。
進路指導の先生から,同高生徒の進路志望の状況についてお話を伺う。
ここでは細かなことは紹介できないが,理系傾斜の理由,文系に生徒が期待していることなど。

少し経って10月6日 先月半ば出張講義を行った山形南高より生徒の感想文届く。
やはり話の内容が年金の細かな仕組みに偏っていたかな,と反省。
他方で,年金問題の底にある社会の変化,例えば女性の社会進出などは伝わっ
ているように受け取れた。

大学と高校,教える内容もともかく,アプローチに大きな違いがあるように思う。
その意味で,大学の模擬授業を受けられるのは,受験勉強に終始しがちな高校生の進路選択にも有意義なのではないだろうか。



2014年10月2日木曜日

スコアとコメント

今週初め後期の,(担当学生との)アドバイザー懇談会が開かれ,
いよいよ後期の授業が始まった。

その直前の先週には,前期の基盤教育及び専門教育に対する学生の授業評価のスコア集計表と個別のアンケート票そのものが返却された。アンケート用紙の裏面は自由回答欄で,その授業の良かった点,悪かった点が記されている,

私の科目のスコアは例年決して高くない。
特に今年度前期は,持ち込んだノートPCの動きが不安定で,スライド上映に手間取ることが特定の科目で頻出していたので,スコアには期待はしていなかった。

ところが,驚いたことに基盤教育以外は昨年度よりも総合点が上昇している。僅かばかりであるが,。。。

参考になるのは実際のコメントだ。
科目毎に違う部分も多いが
担当科目に共通して指摘されていることも多い。

悪かった点は
・配布資料に載せた図表に不鮮明なところがある。
・話が一本調子。
・説明が難しい。
・確認問題の解答がわかりにくい時がある。(最後に択一式の内容確認問題を行ない,指名して答合わせをしているが,どれが正解かわからなかった,ということであろう)

良かった点としては,聞かれてわざと答なのかも知れないが,
・毎回の確認テストがあり,内容の確認になっている。また期末試験一本勝負ではない点が良い。
・レスポンスカードの質問はちょっとしたものでも必ず答えようとしてくれた。
・配布資料を事前にアップロードしてくれる。

なぜ若干でもスコアが上がったか,と考えてみると,
これまで質問・感想の受付をWebで行なっていたところを,
単純に紙のレスポンスカードに替えたことが大きく影響したのであろう。

全文読んでいるのは,Web入力でも,紙への記入でも変わりないが,
やはり紙ベースの方が,教師が学生に対し一対一で向かい合い,質問や要望に応えようとしている姿勢が学生にも伝わるのであろう。


中には「ノートPC買い替えて下さい」という身も蓋もないコメントや,
「専門用語を使わないと専門教育にならないとのことだが,興味を持って貰わないと,それ以前の問題になる」という厳しいコメントもあった。

一層の工夫が必要であろう。

母と母

最近,配偶者控除の廃止が話題になっている。
安倍政権は,昨夏の参院選マニフェストでは同控除の維持を公約していたが,
他方で,アベノミクスの成長戦略の1つとして,女性の就労促進を謳っている。
人口減少が予想される中で,女性の就労により,人手不足が経済成長のブレーキとなることを防いだり,
可処分所得の増加による市場の成長が期待されたり,あるいはまた社会保障の担い手拡大が期待されたりする,ということであろう。

その中で,女性の就労の妨げになっているとしばしば指摘されているのが,
社会保険における第3号被保険者の条件である「130万年の壁」であったり,
所得税における配偶者控除(あるいは配偶者勤め先の配偶者手当)の基準となっているなっている「103万円の壁」であったりする。

そこで,最新の「国民生活基礎調査」H25を閲覧してみた。


図7は,末子の年齢別の母親の就労状況だ。
・末子45歳児以上では働きに出ている母親の方が多数派であること
(3歳児は,会社役員,自営業主,家族従業員,内職等を合算したが「その他」の内訳次第で微妙)
・同2歳児以上では非正規雇用の方が正規雇用よりも多いこと
が分かる。

そもそも90年代に共稼ぎ世帯が片稼ぎ世帯を上回るようになった。
ただ,日本では,出産退社後の再就職は非正規雇用が多い。
図7で,末12歳児までは,正規雇用の比率の方が高いのは,育児休暇を利用して退職せずに済んだ母親が多いからであろう。



そして,末子の年齢別・母親の仕事有無別保育状況を示す図9によれば,
・仕事に就いている母親は,末子0歳時では父母による保育が多いが,1歳時からは認可保育園による保育が6割を超え,多数派であること。
・仕事に就いていない母親の場合には,父母保育と幼稚園保育が2歳児と3歳児で入れ替わること。

前者は育児休暇の間は家庭内保育,同休暇が切れる1歳から保育園保育に切り換えていることを示しているのであろうし,後者は羊地園の入園年齢(3歳の誕生日)を示しているのであろう。

こうしてみると,
・仕事の有無にかかわらず,家庭内保育から施設保育に切り換えるのが一般的である。
・その切換年齢は,母親が有業者の場合には育児休暇の年限,無業者の場合は幼稚園の入園年齢に規定されている。

では,待機児童問題もあり,育児休暇を長くすれば,保育所利用の年齢が延びるか,とも言えそうだが,
他方で,育児休暇が長いと,正社員としての復職の可能性が低下して,女性ないし夫婦にとっての出産のリスクが高まることになりかねない。

出産のリスクとは,具体的には,出産を機に職を離れざるを得ないとか,再就職しても正社員になりにくいということである。

その背景には,一時的であれ,職場離脱に厳しい慣習がある。
本人のキャリアを途切れさせず,企業にとっても教育投資をムダにしないためには,
状況により働き方を柔軟に選べる体制づくりが必要であろう。
現在は利殖したら復職は非正規雇用しかないと

2014年9月25日木曜日

父と母

9月25日付けの読売新聞宮城県版に寄れば,仙台市が昨2013年12月に実施した「ひとり親家庭生活実態調査」によると,
母子家庭の55.0%が年収200万円未満であった。


。困っていることの第一は,母子家庭,父子家庭ともに「生活費・子どもの学習費」。
市は青葉区など一部地域に限定している学習サポート事業の全域拡大を検討中。

2014年9月20日土曜日

細部に宿る

9月17日 昼前に会議。そのまま近くの「なんこう」(県立山形南高)の大学出張講義に参加。山大と東北大のさまざまな学部より,両校4,5名参加。うち2名は「ここの卒業生です」。

自分は3月仙台東高での講義を編集し「年金のはなし---社会の変化と対応」。
伝えたいのは副題の方だが,
レスポンスカードを回収してみると,質問は,基盤教育での講義と同様,仕組みなどに関するものがほとんど。


翌18日はほぼ同様のはなしを県立新庄南高のジョイントセミナーで話した。
同セミナーは「コンソーシアム山形」がいわば請け負った企画で,参加校も関連大学らしい。


普段の授業でも毎回配布回収しているレスポンスカードでは,理解度と分量の適切さをそれぞれ5段階評価して貰っている。
今回は理解度が芳しくなかった。
細かな仕組みの解説に偏っていたかな,
また情報を詰め込みすぎたかな。

年金のはなし,第3号被保険者の問題,未納の問題,いずれも理念の問題として語れば簡単に済む。
「専業主婦優遇は女性の社会が一般化した今日では働く女性との不公平を産み出す」
「低賃金で身分の不安定な非正規雇用では未納に陥りやすい」

それでは「抽象的」で,理念上での問題,つまり「リアリティのない」はなしに聞こえるだろう。
具体的事例に則して語ろうとすれば,
女性間の不公平や未納を産み出す制度上のポイントに言及せざるを得ない。

・同じ専業主婦(主夫も可)でも自営業者の主婦は保険料を課されている。
・第3号被保険者が受け取る年金は,基礎年金だから半分は税金で賄っているが,残り半分は保険料で賄っている。しかし,夫が妻の分(あるいはその逆)を加え2人分の保険料を負担してるわけではない。独身女性,独身男性,また兼業主婦もいる第2号被保険者全員で負担している。
・社会保険上の専業主婦とは年収130万円未満の被扶養者であり,そのため130万円を超えないように就労を控える就業調整が起きている。

・非正規雇用だからと言って厚生年金に加入できないわけではない。週の所定労働時間が正社員の4分3,概ね30時間以上であれば厚生年金に加入することになる。厚生年金に加入できない30時間未満の非正規雇用は,皆保険なのでどこにも入らないわけにはゆかず,国民年金に加入する。
・一般に正社員は低賃金でも,借金を抱えていても保険料未納は起こさない。保険料が源泉徴収されているから。未納は,保険料を自ら払い込む国民年金でのみ発生してる。

問題は細部に宿る?

もちろん,開き直っているわけではない。
一層の工夫が必要だろう。

2014年9月13日土曜日

ダストダウン

昨9月12日,厚生労働省が発表した『労働経済白書』グラフだけ見ていたら面白い事実続々発見。




第3-(1)-5図 終身雇用,年功序列型賃金の支持率は,08年リーマンショック前,07年の統計では既に上昇気運にあり,現在さらに上昇している。



第2-(2)-4図 企業の人材確保方針。従来も今も新卒を採用して育成が6割超でトップ,高度知識・ノウハウ所持者の中途採用は6割弱で2位。



第3-(3)-4図 正社員になりかったがやむを得ず非正規雇用に付いている不本意非正規雇用は,非正規雇用の中でも契約社員,派遣労働者で伸びているし高率。これは両者がフルタイム型就労だから予想される通りの結果だろう。



第3-(1)-1図 男性では,30歳台から50歳台半ばまでの年齢層では,約半数が初職から離職することなく務め続けている者で占められている。但し,男性のみ。

9月9日(火) 研究室でエアコンを付けると咳,止めると蒸し暑く感じる,の繰り返し。10日(水)は遂にクシャミ,咳まででて午後早退。掛り付けの医院は水曜日午後休診のため,翌11日(木)早朝駆け込むと,「あーん」「のど赤いですね」「元々アレルギー体質でしたね。秋用布団出した時にホコリを吸い込んだんでしょう。よく掃除機掛けて下さい」。ダストに負けて丸一日静養。

2014年9月8日月曜日

名月


9月8日(月) 帰途,サークル棟の脇に名月。山形にも秋が訪れた。

カフェ籠もり

9月6日(土)は駅スタバで「本日のコーヒー」アイスばかり4杯,7日(日)は近所のドトールでアイスコーヒー3杯。
ジムに寄った以外はカフェ籠もり。成果はすずめ踊りのショットくらいかな?

2014年9月4日木曜日

世話焼きは変わらず

9月2日(火) 研究会で学生時代を過ごした箱崎キャンパスを訪問。


左手は学部,研究所が糸島に移転してもぬけの殻,理系キャンパス。
閉鎖されたままの建物が続いていた(理学部,農学部は残っているという)

陽射しがきつく「福岡はまだ夏」
(実際は雨が降る日が続き束の間の晴天だったらしい)

2年前にも訪問していたが,
法文系研究棟が学生時代のまま,というのも感慨深いものがある。

研究会終了後,I先生と正門前のちゃんこ屋によった後,駅脇のビジネスホテルへ。


こんなお節介な掲示は福岡市営地下鉄の階段に限らないだろうが,
昔住んでいた身としてはこう叫ばざるを得ない。

変わらず世話好きな博多もん。好いとうばい^^

2014年9月3日水曜日

残像コマ送り


8月30日(土) 夕方,山田太一のエッセイ『月日の残像』(新潮社,2013年)を買い,夜寝る前に3分の1,残りを翌日夜読んだ。

前日,同書が小林秀雄賞を授賞したとのネットニュースに触れ,早速,淳久堂のHPで店舗取り置きを指定しておいたのだ。


月日の残像,高校時代,疎開時代,松竹の助手,助監督時代の思い出が,それ自体が原典の引用だったりする,学生時代からの読書ノートを引用しつつ,語られる。

シナリオ同様に,基本的に抑制の効いた文体で。

多くのことは既に戦陣によって書物で語られる,という控えめなスタンスで。

それでいて読ませるのは,
高校時代,するめを囓り囓り父親の晩酌の相手をした場面,
同じく高校時代,継母から父への不満を聞かされた場面,
後に東横線車中で父と離縁した継母を間近に見かけたものの遂に視線を合わせて貰えなかった場面等々
残像を一コマ一コマ映し出すシナリオ的手法なのだろうか

2014年8月25日月曜日

改善活動の普及

土日とスタバ通い
8月24日(日),気分転換で覗いたTwitterで山ちゃん山形に来ていることを知り,急に関心を覚えた。
昼食後には淳久堂にて山里亮太『天才になりたい』(朝日新書,2006年)ゲット。

芸人になるため大阪へと,関大進学から始まる天才になるための試行錯誤。
オーディションを繰り返し受けながら,改善点を綴ったノートは百冊強。
日本人はつくづく改善好き。
もちろん悪いことではない。

ただ,本書からは,具体的にどこをどう同改善していったのか,は見えにくかった。

タイヤ交換のモチベーション

先日夜間,自転車,myイーグルス2号の前輪に何か擦れる音。
ハンドルに下げていたレジ袋の荷物がタイヤに当たっているのかな,と確認したが,
タイヤと擦れるほど,長くなかった。

音が鳴り止まないので不審に思いながら漕ぎ続けていると,やがて「プスン」「パーン」。
一瞬,背後で風船が割れたのかなと思ったが
どうも前輪がパンクしたらしい。
自転車を止めると,タイヤ自体が5cmくらい裂けていた。

パンクなら何度も体験しており,パンク修理も自分で何度か行ってきたが,タイヤ炸裂とは。

自転車を購入して5年。
既にチューブはパンク修理のパッチだらけになっており,
自転車屋に空気の入りを見て貰った際「前輪は今度パンクしたらチューブ毎入れ替えて方が良いですよ」と警告を受けていた。


前輪は構造上,簡単に取り外せそうなので,自分でタイヤ毎交換することにした。
早速アマゾンでタイヤとチューブを注文すると,2日で届いた。

土曜日午後,外した前輪を自宅の居間に持ち込み,修理。
タイヤを車輪にはめ込むのは難しそうに見えたが,アッサリ修了。



後輪のタイヤ交換にもトライしてみたくなったが,
自転車を30余分漕いで球場まで行かん,という動機が今シーズンは著しく低下しているため,
いつになるかわからない。

2014年8月19日火曜日

淡泊なお盆

 お盆休みと行っても,郷里を引き払ったので,帰るところがない。
また,来月初め締め切りの仕事もあり,11日(月)と12日(火)は登校していた。
さすがに13日(水)から17日(日)は登校するのも憚られ,近所のドトールコーヒーに午前,夜と最低2回は通っていた。
その合間に連日8ジム通いしていた。

ではお盆で帰省する世間に背を向け,ドトールに通い詰めて仕事は捗ったか,というとはなはだ心許ない。

そんな後ろめたい,あるいは鬱屈した気持ちのせいか,
むしろお盆休み終わってから急に小説が読みたくなった。



帰宅後,近くの書店で見かけた小説家,奥田英朗の旧著をKindleでダウンロード。
初めての岡田作品は夫婦の風景,ワンシーンだけ切り取った短編集。
すべての作品がそうであるわけではないが,夫婦関係を微細に描こうとしないところが良い。
上品というか淡いというか。

今年のお盆休み,ワンシーンとして,
ドトール通いではなく,キンドル読書を挙げるとすれば,
淡泊すぎだろうか。

2014年8月13日水曜日

不審者扱い

 8月12日 研究室にて前期担当科目の成績登録。
 自分の担当する科目では,レスポンスカードによる確認問題等,平素の成績を逐次webclassの成績表にアップロードしている。
 期末試験の成績についても同じで,採点を済ますと直ちにアップロードしている。
 したがって,受講生は1つ1つの成績と素点合計を随時確認できるわけである。
 加えて,Webclassの「お知らせ」欄に「素点合計 何点以上がS,何点から何点まではA」などと単位評価を伝えている。(通常,学生は9月末の後期オリエンテーションで配布される成績表を通じて前期科目の成績の通知を受ける仕組みである)

 すると,成績や評価について学生が質問してくるが,それもほぼ1週間で一巡する。
 それを見計らって,正式の成績登録を行なうのである(現在,成績登録は学内LANでのみアクセス可能なサイトてオンラインで行なっている)

 帰り,ジム手前信号待ちしていると,周りが僕を避けるよう遠ざかっていった。
 おまけに,視線は上に逸らしている。
 
 遂に不審者扱い?

 きょろきょろ周囲を伺うと,どうやら虹を撮るための場所取りをしているようであった。

2014年8月12日火曜日

雨音蝉の声

今年の夏もSGICIME研究合宿は8月8日から10日の3日間,八王子セミナーハウスで行われた。



しかし,今年は台風がゆっくり北上する時期だったため,
9日,10日の2日間は断続的に雨が降っていた。


雨が止むと,
今度は蝉が鳴き出した。



春合宿から懇親会の会場を近くの寿司屋からセミナーハウス内の食堂に代えたこともあり,
出歩く必要はなくなったが,
雨のため敷地内を出歩くこともままならず,
研究会に集中できた。


交替交替に響いた雨音と蝉の声が耳に残る夏合宿だった。

2014年8月8日金曜日

主役を食う

8月7日 仙台駅構内は工事中で七夕飾りも控え目。横でJR東日本のデスティネーション・キャンペーン「山形日和」が主役と青い看板、仙台銘菓「萩の月」を食っていた。