29日の,金子勝・神野直彦『失われた30年』で興味を覚えたことのもう1つは,神野氏の社会保障制度改革案。
セイフティ・ネットを張り替える際のポイントとして,
1つは,現金給付に重心をおいた社会保障からサーヴィス給付に重点を置いた社会保障へシフトさせていくこと。
もう1つは,現金給付による社会保障の任務の中心を.、賃金代替に置くということ。つまり,「病気、失業、高齢退職というような正当な理由で賃金を失ったときに給付されるような社会保険に純化していくといこと」。
また,前者について「給付給付は地方政府にしかできないので,そこから地方分権という方向が出てくる」
そして,「中央政府がミニマム保障を引き受ける」(以上,金子・神野p123-126)。
この点についてもっと知りたかったので,晦日は神野直彦『「分かち合い」の経済学』(岩波新書,2010年)。
ネット上でジュンク堂に在庫を見付け,取り置きを依頼。ジム帰りに受取,ファミレス読書。
しかし,期待と異なり,(大先生には失礼だが)理念先行の様な印象を受けた。
例えば,スウェーデンの「オムソーリ」(ソーシャル・サービス)を支える「悲しみの分かち合い」という思想,と「ラーゴム」(ほどほど)という発想の紹介。
戦後日本企業の擬似共同体という位置づけ。
あるいはそもそも市場と共同体の二項区分。
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