2010年6月30日水曜日

拍子抜け

PK戦の結果は仕方ない。

両チームとも堅守だけで攻め手がないなかで
日本代表はマイボールでのミスが多かった。
120分かけて双方に得点が生まれなかい道理だ。

結果には納得できるから悔しさは残らないが,
試合内容にはフラストレーションが溜った。

どちらかを応援しているわけではない者には退屈な試合にしか映らなかっただろう
が,応援している者にはバツの悪い思いが残ったのではないか。

2010年6月28日月曜日

ヘトヘト

先週は別の用事で忙殺されたため,今週分の講義資料を後回しにしていた。
基本的には前年度のファイルを構成しているわけだが,過不足を補い,古いデータは更新する必要がある。
冷や汗を掻きながら今週の講義,3コマ分を作成しただけで一日が終わった。

作業に熱中していたためだろうか,気温の変化に気付かず冷房をつけっぱなしにしてしまい,夏風邪を引いた。クシャミ,鼻水が止らない。

用心してジムにも寄らず早めに帰宅し,余り根を詰めないようにと,前年度の講義資料を読むだけで済ますつもりが,1コマ分は完成させてしまった。

体調を崩している時に追い打ちを掛ける。
決してマゾではないが,親譲りの貧乏性は治りそうにない。

看板倒れ

実績がなくても雰囲気が変わり,目先の成績が良ければ,期待されることがある。

サッカーイングランド代表がそうだ。
サッカーの母国と言っても
「放り込むだけのサッカー」というイメージが拭いがたく
優勝候補に挙げられることは久しくなかった。

ところが,イタリアの名将カッペロが代表監督に就くや
ヨーロッパ予選を無傷で通過。
もともと力自慢のサッカーだったから,戦術と規律を身につければ強い。
あれよあれよという間に本大会優勝候補の一角を占めるまでになった。

決勝トーナメントの相手はドイツ。
「技術はなくても最後まで試合を捨てない粘り強さ」が信条のチームも
90年大会の優勝以来,2大会続けてベスト8止まりだった(スゴイ成績だが)。
今世紀に入って02年日韓大会で準優勝,06年地元大会で3位と復調を見せていた。
といっても,若い代は根性を引き継がず,技術は増してもかつてのような絶対的存在ではない。

期待してTV観戦してみたものの,ドイツ4X1イングランドと一方的展開に終わった。
イングランドには,1対2とビハインド1点のみの前半,ランパードのシュートが跳ね返って戻ったため,ゴールラインを超えていたことを見落としたレフリーからノーゴールと誤審された不運もあったものの,守備陣がドイツ選手の信仰に振り回されていたので,ランパードのゴールが認められていたとしても,負けは必然と言えた。

誤審以上に,直前の練習試合で,守備の大黒柱ファーディナンドを闘莉王のファールで失ったことの方が影響が大きかった。
さらに本大会でもグループリーグ初戦でアメリカ選手のなんでもないシュートをゴールキーパーが後逸して勝利を逃している。

予選もその後の国際試合でも「向かうところ敵なし」だったイングランドは,
ファーディナンドの故障から歯車が狂ったまま再び噛み合うことがなく大会を去ることになった。

それでも言いたい。
FWにプレミアリーグの得点王ルーニー,MFに「両雄並び立たず」という贅沢な悩みを与えたジェラードとランパード,DFにテリーとワールドクラスの駒をいくつも揃え,
大将に「面白くないけれど」の,優勝請負人カッペロ監督をいただき,
サッカーファンの期待を膨らませるだけ膨らませておいて
ベスト16止まりとは「看板倒れも良いとこじゃん」。

 6月26日 消防訓練。発動機の実演係でありながらまごつく。その後,月例理事会。そのままデイパックで外出。寝冷えしたのか鼻水,クシャミ止まらず。マックにスターバックスとグローバル資本主義のお世話になりっぱなし^^;。
 6月27日 昼は吉野家牛丼軽盛。よく考えたら前日も^^;。これもグローバル資本主義?夕方スポーツジムにて「ストレッチ教室」。ストレッチというより軽いヨガかな。効き目も軽いし^^;。

2010年6月26日土曜日

ヨーロッパ中心主義

ソファで仮眠を取り,早朝3時半からの,サッカー・ワールド・カップ南アフリカ大会,グループリーグの日本代表3x1デンマーク戦に備えた。

結果はご覧の通りで,ご同慶の至りだが,
改めて感じたのは
同点では決勝トーナメントに進出できず,勝つしかなかったデンマークの方が試合開始前から不利であったこと。
にもかかわらず,デンマークは日本代表が2点目を決めたフリーキックFK場面で1点目でFKを蹴った本田圭佑選手ばかり警戒し遠藤保仁選手のキックに無警戒であったことだ。

日本のサッカーファンでなくても,調べてみれば,遠藤選手の方が本田選手よりはるかにボール捌きに長け,視野も広いこと,ただ屈強さやシュートする姿勢で本田選手の劣ることは明白だ。

一言で言えば,日本代表を「舐めていた」のであるが,
そもそもヨーロッパのプロリーグに進出している選手しか事前調査に値するとは見ていたのであろう。
それも,サッカーにおけるヨーロッパ中心主義という名の奢りであろうが,
前回大会優勝国イタリア代表,準優勝国フランス代表が,ヨーロッパのプロリーグに進出していない選手の方が多い中南米や中欧のチームに1勝も挙げられず,グループリーグをともに敗退し,同様に優勝候補の一角英国代表がグループリーグでは米国代表の後塵を拝している今となっては,その見方を少しは相対化した方が良いのではなかろうか。


 6月25日 「経済原論」は銀行信用。教養セミナー「格差を考える」は『ベーシック・インカム入門』第4章後半。専門外の1年生から「過少消費説」について尋ねられたのはまだしも「糊口をしのぐ」については苦笑。「専門用語ではないので報告者が自分で調べておかなきゃ」。「経済原論演習」は中国人研究生の研究計画報告。初回なので本人の問題意識について質問。その後,遅れてきた4年生が「第18回三大学合同ゼミ」の論点構成について報告。同じ経済学といってもカリキュラム上の位置づけの異なる別々の大学の学生を集めた合同ゼミの難しさは前回記した通り。論点を具体的に示してきた報告を諒とする。

2010年6月25日金曜日

後を絶たない先に立たない話

ここ一両日に仕事が2,3件舞い込んできた。
例によって「二つ返事」で引き受けたものの,
授業の大半を前期に固めているため瞬く間に首が回らなくなった。

こうなると,「構想の見直し」と称して逡巡を続けたり,文章を読まなくなった学生に長いものを呼んで読み取りを課してみよう,と教材選びに時間を費やしたのが悔やまれる。

筆を執ってから,講義が始めてからプランを変更するくらいなら,その前にシッカリ準備すべきであろう。
また一旦始まれば,割り切りも必要だ。
そんなことは誰にもわかり切ったことだが,いざ始まってしまうと,
いろいろ不備が目立つもの。

逡巡,ブレが大きすぎると,
鳩山前首相か岡田日本代表監督か,ということになる。


 6月22日 「経済原論」は商業信用。毎回講義しているところだが,この部分は山口重克氏の説明に則りながら,テキスト(日高普『経済学』)の叙述も併記しているために,両者の説明が重複していたり,関連が不明確だったりしてしまった。そこで終了後,解説は山口説に統一し,テキストの引用は参考としてポイントを下げる形でパワーポイントの配付資料を改訂し,Blackboard上の講義資料を差し替えた。午後,合同ゼミの検討会は前に述べた通り。
 6月23日 「市場と組織」は非正規雇用について内部労働市場との関連に重点を置いて説明。午後,第44回山形仙台圏交流研究会。村山総合支庁より4月国交省より認定された「めでためでた♪花のやまがた観光圏」について報告。「地域社会論」は「地方の交通網維持」というテーマで野村浩志山形鉄道社長にお話し願った。明るい社長の愉快な話からは,年間赤字が数千万円に上る状況の中で,いろいろなイベントを開いたり,グッズを開発して少しても収入を向上させる一方,赤字を補填する出資者である自治体の住民に理解・関心を求めているために社員一同が工夫を重ね努力していることが十分伝わってきた。
 6月24日 近くの皮膚科に通院後,自宅研修。症状が少し改善。

2010年6月22日火曜日

大学間合同ゼミ

他大学のゼミと合同ゼミを来月主催校として開催する。
異なる3つの大学に属する経済学系の教員が集って始めた合同ゼミに数年前からわが経済原論ゼミも参加することになった。

しかし,経済学系といってもそれぞれ専攻が異なる。
また大学によってカリキュラム上の位置づけが異なる。本家本元経済学部経済学科もあれば,学芸学部の人間文化学科もあるし,人文学部の法経政策学科もある。経済学士を出しているところと出していないところがある。

勢い合同ゼミのテーマは「あまり専門的でない」ものになる。
少子高齢化や若年層の雇用はまだしも,皆が乗って来やすいようにイラク戦争,地下鉄東西線問題などの時事問題,さらにブランドや婚活など流行ネタを扱うこともある。
最大の特徴は,必ずしも経済学的用語,理論を前提としない点にある。
経済学の科目を多くは開講していないところもあるからである。

主催校のゼミ生がテーマを選ぶ。
今回,ゼミの学生は「結婚格差」を仮テーマとして考えてきた。
必ずしも経済学ばかり学んでいるわけではない学生も参加しやすい。
留学生によれば,母国でも結婚格差問題は存在する。
そして,その底には非正規雇用等の格差問題が横たわっている。
客観的構造的問題だとする点が当人(未婚者限定)の主体的営為にばかり焦点が当てられかねない「婚活」との違いである。

しかし,開催まで1ヶ月を切ったところで,「合同ゼミの意義がよくわからない」と言い出してきた。
意義は各専攻の狭い枠を超える,関心を広げる点にある。
経済学は,モデル分析,理論分析がすべてではない。
リアルな分析の方が精緻なモデル分析より尊ばれる風潮がある。

「目標は何ですか」「目標がわからないとテーマやグループ討論の論点を設定できません」
合同ゼミといっても,統一的目標を掲げているわけではないし,そもそも参加学生一人一人について第三者が目標到達度をチェックしているわけではない。主催者側が伝えたいこと,関心を持って貰いことを前面に出せばよい。

むしろテーマ公表を目前にして参加経験者が「意義や目標がわからなければ」と,そもそも論を掲げること自体,不作為の言い訳ではないか。

現在の合同ゼミの構成で「経済学の専門的知識をベースにした議論をしたい」ということ自体,叶えられないとわかっている要求を前面に出して時間を浪費しているモラトリアムに等しい。
「経験者が責任を持って企画しろ」と言って追い返した。

しかし,自分自身「仙台まで学生を連れて行く意味があるのかなぁ」と思うことが何度かあった。
ある程度の専門性をベースにしないと,「意見の交換」になる。
「意見の交換」なら誰でもてもできる。勉強しない者だって自分の意見は持っているからだ。それを言い合ったからといって,後に勉強しなきゃという動機も残さない。
現にテーブルによってはおしゃべりばかりというところもあるらしい。
もちろんディベートや集団討論の作法の一端を学ぶことはできるだろうが,学生に仙台,山形の往復を強いる程であろうかという疑問は残る。

どのゼミもなるべく専攻に近いところで問題提起すればよいのではないか。むしろすべきではないか。
ただ,繰り返し述べているのように,同じ経済学系といっても,大学毎にカリキュラム構成が大きく異なるので,各自の専攻テーマを説明し,その意義を理解して貰うこと自体,難題だ。
ゼミ生には常々「専攻外の学生に勉強を教えようというのでは困る」「それでは仙台から学生は来てくれないよ」と諭している。
やはり専攻外の学生も乗って来やすいよう,時事問題から始めるというアプローチを取らざるを得ない。
その上で,自分たちが普段勉強していることを伝えられるかは一に主催者側学生の創意工夫に依る。

経済原論ゼミの過去のテーマは必ずしもそれが成功していたとはいえない。
有り体に言えば「ゼミ生自身がお勉強する会」になっていた。
専門的議論がしたければ,あるいは勉強していることを伝えるには,専攻の内容に関してばかりでなく,テーマの採択,グループディスカッションの論点設定において一層の努力が求められているのである。

2010年6月21日月曜日

ブレイクファースト

目一杯お腹が空いている時には,誰しも好物のもの,あるいはかねて食したいと思っていた念願の物を手にするのではないか。言い換えると,その人の嗜好性が如実に現れるのではないだろうか。

久しぶりに人間ドックを受けることにした。
職場の健康診断では「要再検」の判断がここ4,5年で2度起きた。
歳を取ってきて引っかかりやすくなったという他に,胸や胃の間接撮影では「怪しい」と判断されがちなためらしい。
そのため昨年は病院で改めて胃の内視鏡(胃カメラ)の検査を受けた。
それだったら,初めから共済組合の補助が受けられる人間ドックを受けた方が手間が省けるし,安心だ。

全て終わったのが11時。
しかし,さらに2時間くらい絶食を求められた。
しかも,麻酔のおかげで眼がちかちかする。
起きていても仕方ないので睡眠を取ることにした。

起きたのが15時。
運悪く自宅入口が側溝工事に当り,日中は車の出し入れができない。
診察待ちや会計待ちの時はたいそうお腹が空いてしきりに「何を食べてやろうか」などと食い意地が発達していたが,休んでみると動くのも面倒くさくなった。

そこで病院で貰った「おやつセット」を広げることにした。
ASAHIバランスアップ・クリーム玄米ブラン(クリームチーズ),ロッテ・カスタードケーキ,ブルボン・ミニシルベーヌ,サラダ煎餅,栗ようかん一口サイズ.ようかんに限らずみな1個ずつ。そしてキリン聞茶120mlボトルも。さらに冷蔵庫からリンゴ半分。

前日18時半頃,学会帰りの新幹線で「牛肉どまん中弁当」(米沢,新きねや)を食して以来,20時間ぶりの食事,文字通りのブレイクファーストはどれにしようかな?

しかし,悩んだのも一瞬。
テレビ画面に見とれて思わず封を開けたのはサラダ煎餅だった。

豪勢な食事がおやつセットに格下げされ,
最新の栄養機能食品でもなく,洋菓子風のカスタードケーキやシルベーヌでもなく,さりとて純和風ようかんでもなく,中途半端な?サラダ煎餅というのは何となく侘びしい気がした。

研究室でいつも手にする,口にする間食行為がこういう嗜好性を培ったんだなぁ。

2010年6月20日日曜日

組織的守備は徹底したが

オランダ戦は最少失点で終わった。

日本出国後に急遽採用した堅守速攻型戦術のうち,堅守だけは実現したようだ。
確かにゴールは中心選手スナイデルに詰めるのが遅かったためだが,事前の予想では0対3か4だったから,守備は機能した,と良いだろう。

しかし,攻撃は後半チャンスがほとんど作れなかった。
後半失点したのだから,攻めに転じたはずなのにだ。
むろんオランダが後半攻勢を掛けていたこともある。
ボール支配率は後半の方が低い。

しかし,ボール支配率は前半からオランダの方が高かった。
前半はボールを支配されても,いわばボールを廻させていた状態で,さほど怖くはなかった。
ところが,後半はたまにボールを奪ってもキープできない,つなげられない状態で,
これでは得点の予感がしない。

第3戦は引き分け以上で決勝トーナメント通過が決まる。
しかし,意識的に引き分けるのは難しい。
相手チャンスをゼロにすることはどのチームでも出来ない相談だからだ。

堅守速攻に戦術を転換した以上,前線にはボールをキープできる選手が必要だ。
本田は相手には強いが,第2戦ではキープできなかった。
前線から下がってボールを持ち続けようとしたのでかえって奪われた。
MFなのかFWなのか役割がハッキリしなかった。
本田をトップ下に戻し,前線には本来のFW,長身の矢野を置いた方が良いのではないか。

さらに得点に絡んで欲しいのが遠藤保仁だ。
遠藤こそオシム前代表監督がチームの中心に据え,今なお解説で指摘しているようにもっと得点に絡む動きを期待されている。
遠藤の球裁きは他を圧している。また2戦ともよく走っていた。
しかし,彼に求められているのはそれ以上のこと,単なるパッサーに止まらずゴールまで狙うことだ。
元日の天皇杯で遠藤が見せた動き,右から切れ込んでDF陣を次々交わしてのシュート。
遠藤が大一番で殻を破るか否かがグループリーグ突破の鍵を握るのではないか。

 6月20日 はやて100号にて上京。社会政策学会第120回大会(於;早稲田大学商学部)第2日出席。最近は原論的な分野に研究が偏っていたので,政策的なところを「勉強」するため。午前中は第4分科会(非典型労働部会)「『改正パートタイム労働法』と均等・均衡待遇原則」。午後は自由論題・第4雇用形態の多様化」,第9分科会「フランスと日本の家族政策・こども手当」。報告レジュメあるいはフルペーパーに「未定稿のため引用はお控え下さい」と記されたものもあったので内容の忠実な紹介ではなく,記憶に残ったことだけ,あるいは自分が理解した限りで,羅列すると,1)非典型雇用といっても,パートタイム労働者が多いが雇用は安定的な欧州とパートは少ないが雇用が不安定な米韓とは対照的,2)差別解消の方向性として,あくまで均等処遇(文字通りの同一労働同一賃金)にこだわる論者と日本では職務区分が明確ではないことを踏まえて均等処遇,それが適用出来ないところは均衡処遇でと柔軟な戦術で臨む論者とに分れる,3)雇用の回復にも出生率の回復にも労働時間制度が大きく係わる。石油危機後の高失業率を抑えるためにオランダがワークシェアリングを導入したり,フランスが週35時間制を導入した。フランスでは家族手当の拡充によって出生率が回復した。しかし,自由時間の使い方は様々で,オランダでは家庭で保育するなど無償労働(アンペイドワーク)の時間が増えたのに対し,フランスでは育児給付との関係で育児休暇よりも保育サービスが選択される傾向にある。はやて93号にて帰仙。

2010年6月19日土曜日

いよいよ

オランダとの一戦が迫ってきた。

3戦全敗を覚悟していたが,カメルーンに勝って欲が出てきた。
なによりグループリーグ2戦目当りから「番狂わせ」が続出して
「棚ぼた」を期待するようになった。

ここで
グループリーグ2戦目までの結果から決勝トーナメント進出チームを占ってみよう。
A組 前回準優勝フランス1敗1分で敗退は「想定内」。1勝1分け勝ち点4のメキシコ,ウルグアイに内定。
B組 1勝1敗勝ち点3で並ぶ韓国とギリシア。残る対戦相手はそれぞれナイジェリアとアルゼンチンだから韓国が通過か。勝ち点6のアルゼンチンは別次元の強さ。
C組 2分けで英国と米国が並んでいるのは「想定外」。残る対戦相手はそれぞれ勝ち点4スロベニアと同1アルジェリア。しかし,ここは英国とアルジェリアが勝ってスロベニア,英国が通過,米国敗退と予想。なぜか?「原論」だからです^^;。
D組 ドイツ,ガーナ,セルビアが勝ち点3で並んでいるものの,ガーナはまだ2試合,オーストラリア戦,ドイツ戦を残している。残り3試合はガーナ>オーストラリア,ガーナ=ドイツ,オーストラリア<セルビアで,ガーナ勝ち点7,セルビア6,ドイツ4と読む。

E組以降はまだ1戦目で予想が難しいが,
E組 オランダが全勝。デンマークはカメルーンに勝っても初戦を見れば日本にも危うい。オランダに,得失点差でデンマークに勝る日本が通過,としておこう。
F組 4チームとも1分け勝ち点1で並んでいるが,ニュージーランド戦を残しているパラグアイ,イタリアが通過と予想。
G組 別格ブラジル勝ち点3にコートジボワールとポルトガルが同1で並ぶ。しかも両国ともブラジル,北朝鮮との試合を残しているところまで同じ。チームとしての完成度でコートジボワールが2位通過と見る。
H組 スイス,チリが勝ち点3,スペイン,ホンジュラスが同0。ヨーロッパ王者スペインがグループリーグ敗退危機。やはりW杯では結果を出せないのか。しかし,残り試合をチリ>スイス,チリ<スペイン,スイス>ホンジュラスを予想して勝ち点6点で3カ国並ぶ。得失点差でチリ,スペインと見る。

その後の決勝トーナメントの勝ち抜き予想は,現時点では雲を掴むような話になるので,しばらく遠慮しておこう。

 6月18日 「経済原論」は,冒頭これまでの読み取り結果について。まず岩井貨幣論とテキストとの違いを説明,提出された質問への回答。本論は生産価格。教養セミナー「格差を考える」は山森亮『ベーシック・インカム入門』間奏および4章前半。ポリティカル・エコノミー成立前後の話。市場経済の成立とベーシック・インカム提起の同時性。経済学史的な話が出てきて難しいのは確かだが,もう少し調べて来て欲しかった。「経済原論演習」は小池和男『仕事の経済学』第2章前半。中国人研究生Sさんは,日本人学生一般と異なり,いろいろ質問してくれる。簡単に納得しないし,丸暗記しない,という姿勢が頼もしい。その後,第18回三大学合同ゼミのテーマについて。同一労働同一賃金論を紹介したいらしいが,いきなりそれを持ち出しても,と結婚格差からアプローチするとのこと。ただ,両者の連携を上手く築けていない,という印象を受けた。昨晩から胃が痛かったとSさんが途中退席したのが気懸り。

2010年6月17日木曜日

チームと個人

二晩続けてサッカー・ワールドカップ南アフリカ大会の生TV中継を観た。
スペイン0x1スイスアルゼンチン4x1韓国だ。

スペインもアルゼンチンも今大会でもっとも注目されているチームの一つだ。

しかし,スペインが優勝候補の筆頭で,大会の最大の関心事もどのチームがスペインの優勝を阻むか,であるのに対し,アルゼンチンを優勝候補に推す向きは少ない。昨季FIFA最優秀選手メッシという個人の活躍に注目を集めているチームにすぎない。まして監督があの「サッカー好きのタダのおさん」である。

ところが,スペインがグループリーグ初戦でスイスから1点も奪えないまま負け,決勝トーナメント進出に黄信号が点った。対して,アルゼンチンは初戦1対0ででナイジェリアを退けると,韓国には完勝した。

美しいポゼッション・サッカーでEURO2008を制覇したスイスが久しく負けたことのないスイスに負け,組織戦術に関心がなさそうな「あのおじさん」に率いられた個人の集まりアルゼンチンが順調な滑り出しを示した。

なぜだろうか?
相手が違うと言えば,それまでである。
屈強な大男で固めた守備陣の前ではスペインの小柄な選手は跳ね返されるだけだった。
他方,今回の韓国チームは俊英揃いで堅守速攻の戦術も徹底しているとは言え,アルゼンチンとの戦力差は大きい。

しかし,それ以上に大きいのは中心選手の好不調や力量だろう。
スペインはイニエスタ(西バルセロナ)もFトーレス(英リバプール)も長い故障休場から復帰したばかりでとても本調子とはいえない出来だった。
他方,メッシは楽しそうにボール遊びしていた。一端メッシがボールを持てばショーじゃないかと勘違いするくらい,縦横無尽に走り回って誰も止められない。加えて,スペインリーグ「リーガ・エスパニョ-ラ」でメッシに次ぐ得点を稼いだイグアイン(レアル・マドリッド)が調子を上げていた。初戦ではチャンスを悉く外していたのに韓国戦ではハット・トリックを遂げた。

両チームともポゼッション・サッカーを志向する以上,攻撃的選手の出来不出来や力量差の影響やは大きい。
中心選手が不調のスペインは美しいサッカーを繰り広げても1点もはじき出せず,
「楽しいだけ」のようなアルゼンチンは得点を重ねて勝ち星2つを積み上げた。
メッシの傑出ぶりは誰の目にも明らかでそのプレーは観る者を惹きつけて止まない。

個人技サッカーで決勝トーナメントを勝ち抜けるとはとても思えないが,
組織戦術はシッカリしていても,中軸選手がシャビ以外不調では戦力差が著しいグループリーグでさえ勝ち抜くのは難しい。

合同ゼミのテーマ

7月17日,本学で開催する第18回三大学合同ゼミのテーマとしてゼミ生が「結婚格差」を考えてきた。

もう少しその動機,根拠を聞き出せば良かったが,
一つには結婚格差問題は日本に限らないこと。
もう一つは女子大も参加するので「少し柔らかめのテーマ」にしたとのこと。

しかし,そのプランを他大学に伝えると,不安が広がった。
1年半前に取り上げたばかりの「婚活」と重なる,
新卒就職難のご時世ではそれに連動する「結婚」も難しいと「議論するのはつらい」要だ,と。

これをゼミ生に伝えると,「テーマについて考え」てみるいう反応だった。

もとよりこの合同ゼミは経済学の議論をしているのではない。
三大学4つのゼミはみな経済学のゼミだが,
経済学部,人文学部法経政策学科,文芸学部人間文化学科と所属が異なれば,
同じ経済学上の専門科目と言っても,カリキュラム上の位置づけが異なる。

したがって,過去のテーマも「少子高齢化」「格差」など経済的なものもあれば
「イラク戦争」「NHK民営化」「地下鉄東西線問題」「婚活」など政治的あるいは文化的なものもある。

経済理論をベースに議論するのではなく,
学問上の知識,枠組みにとらわれず,身近な問題を自分の知識,見聞を総動員して考え,話し合おう,というのが趣旨である。
ゼミ生も「3分の2は真面目な話,残り3分の1はおしゃべりでも良いと思っている」と話していた。

またそれ自体お勉強ではないから
日常の出来事や話題をかみ砕いて説明し,どのような角度,考えから話し合ってもらうか,その材料・情報提供こそが肝をなしている
しかし,実はこの話題の切り口こそ勉強の蓄積が物を言う。

といって勉強したことの,知らない学生への横流しでは話は弾まない。
フロアーの学生が自分の問題として受け止めるように仕向けるためにはそれ相応の知識の蓄積が重要なのだ。
誰でも知っている新聞情報レベルでは賛否等反応を別にして話が進まないからだ

つまり,テーマは皆が名前だけでも知っているような日常の出来事なら何でも良く,切り口こそが問われているのがこの合同ゼミなのだ。

 6月16日 「市場と組織」は雇用調整。昼休み,研究科運営委員会。教授会と並行して「地域社会論」は荘銀総研を退かれ,政策形成ネットワーク山形の事務局長をされている石川敬義さんに地域づくりについて講義していただいた。
 6月17日 昨晩からBlackboard上にて「地域社会論」および教養セミナー「格差を考える」のコメント入力の準備。両科目は毎週,外部講師の話,報告者のレジュメ,司会等についてコメントして貰っている.つまり,毎週,コメントページを作っているが,学期末を睨んで数回分作り溜め。山形経済社会研究所のFさん来訪。昨年の県政フォーラムに相当するものを企画中とのこと。コメンテーターについて。午後,教養セミナー「格差を考える」の学生来訪。「一応レジュメを作ってみたんですが,これでは議論にならないと思って」。専門じゃないので,節タイトルの意味が説明でき出れば充分だよ。

2010年6月15日火曜日

シナリオ外の出来事

ワールドカップ南アフリカ大会グループ予選で初戦勝利をものにした(日本1x0カメルーン)。

3戦全敗を覚悟していたから嬉しい誤算だが,
展開からして予想とは異なっていた。

岡田ジャパンは今年になってからほとんど結果を出していなかった。
点を取れない試合が国内壮行試合まで続いた。
そこで,監督は大会直前の対イングランド親善試合ではトップ下の攻撃的MFを中村俊輔から,昨季から海外で活躍している本田圭佑に代え,守備固めにボランチを3名に増やした。
岡田ジャパンの特徴であった相手ボールを皆で奪取して,ボールを繋いでゴールを目指すポゼッション・サッカーを韓国のような堅守速攻に切り替えた。
それでもFWが点を取れないので,対コートジボワール親善試合ではFWが本職ではないMF本田のワントップにした。
大会の直前も直前,日本出国後にそれまで一度も試していないフォーメーションを採用するという,岡田監督の迷走ぶりは傍目にも明らかで方々で批判を浴びていた。

そして本番初戦。
フォーメーションは本田ワントップ,3ボランチで予想通りだったが,
決して堅守速攻ではなかった。
3ボランチで前線と最終ラインの間が以前より空いているにもかかわらず,
依然としてポゼッション・サッカー,遅攻を繰り広げていた。
監督の迷走は本番まで続いているのか,これでは試合にならない,と暗澹とした気持ちになった。

ところが,迷走は監督の外でも生じていた。
第1に,相手カメルーンがほとんど組織だった攻めをしてこなかった。
守備陣からすれば,肩すかしだったのではないか。

第2に,得点シーンもカウンターではなかった。
右サイドの松井大輔が切り返して相手DFを置き去りにしてクロスを上げ,
ファーサイドに詰めた本田が左足で押し込んだ。
日本代表に久しく欠けていた「流れの中の得点」「相手守備を崩しての得点」が実現した。
これができなかったから,岡田監督の迷走が始まり,
奇麗な得点という理想を捨てて堅守速攻に切り替えたはずなのに,
岡田ジャパンを救ったのはその奇麗な得点だった。

カメルーンの無策にも助けられたが,サッカーは何が起こるかわからない

 6月14日 今週の講義資料の作成だけで終わる。夜のサッカーのことが気になっていたのかな^^;。

2010年6月14日月曜日

後輩指導

先日のゼミで,学生が後輩を指導していた。

端で聞いていると,?と思う部分もあるが,何も言わないことにしている。

先輩としてのメンツへの配慮もあるが,
後輩に指導していることは,当人がそれなりに咀嚼したうえでの知識である。
教師が一々正解を告げていたのでは,咀嚼する労を省いて,丸暗記,オウム返しになってしまう。
しかしこれでは大学の勉強にならない。

全くのハッタリで対応しているのではない限り,勉強しないと指導を続けられない。
教える,とは勉強の結果,あるいはその一プロセスであることを再認識させられる。

 6月13日 近くのコーヒーショップにて構想。昼頃,自宅前の横断歩道で信号していた時にタテ揺れ(福島沖地震)。身構えたものの余震なく,自宅にて講義資料作り替え。「経済原論」では各編が終わる毎に関連する記事,論文などを読み合わせ,Blackboard上で読み取りに答えて貰うことにしている。これを5,6回行なうと,期末テスト前に基礎点が半分近くになる。先週,再生産編が終わったので労働力調査や失業時給付についての解説記事を読んでもらうつもりで,既に資料を作成しBlackboard上にアップロードしていたが,よりテキストの内容に密着した資本蓄積に関する商品過剰論と資本過剰論の解説に差替えることにした。最近は学説の違いについてはほとんど触れずテキストの解説に止めていたが,少しでも経済原論に関心を持って貰うため,研究の発展なども意識的に触れるようにしている。最近扱っていなかったため昔のノートを引っ張り出しスライド作成。夜ファミレスにて構想再び。

2010年6月12日土曜日

迷うヒント

岡田武史サッカー日本代表監督の迷走ぶりをどのマスコミも伝える中,ワールドカップ南アフリカ大会が開幕した。
開幕戦は地元南アフリカとメキシコの一戦。
さして期待燃せずTV観戦に臨んだ。
南アは1998年,2002年の2度出場しているもの,いずれもグループリーグで敗退している(と言ってもいずれも3位で、地元開催以外2度とも4位の日本よりまし)。他方,メキシコは決勝ラウンド進出(ベスト16)の常連である。

試合は予想通り,メキシコの圧倒的ボール支配で進んだ。
ゴールを何度も脅かし,得点は時間の問題に見えた。

ところが,後半になると様相が一転した。
南アの選手がボールに素早く詰め,メキシコ選手に競り勝つようになった。
おそらくハーフタイム,1994年アメリカ大会で母国ブラジルに優勝をもたらしたパレイラ監督の檄が効いたのであろう。
後半10分,南アフリカが先制点を挙げると,メキシコ選手の焦りは手に取るように明らかだった。ボールは廻ってもゴールに迫れない。

このまま終わるかという雰囲気が出たところで,メキシコが大ベテランブランコを投入した。1998年フランス大会韓国戦でボールをカニばさみして相手DFをかわしたのが有名な,的ニックのある善戦の選手だ。
すると,ボールが落ち着き,チャンスが何度か演出された。最後は西バルセロナの選手がゴールを決めた。

南アフリカが「予想を覆して」強豪相手に勝ち点1をゲットした。
強豪相手でも球際の強さがあれば,渡り合えることを示した一戦だった(地元南ア1×1メキシコ)。
戦術,用兵レベルで迷走している岡田ジャパンへのヒントにもなるのではないか。

 6月10日 午前中,構想練り直し。午後,講義の準備等。
 6月11日 「経済原論」は資本蓄積論。昼休み,研究科運営委員会。教養セミナー「格差を考える」は第3章3節。最後の講評で繰り返し訴えているのは,個々の学生の考えについて正しいとか間違っているとか言うつもりはなく,採点もしていないが,当事者がなぜそう言っているかを考えて欲しい,と言うこと。大阪青い芝の会が「障害者にとって生きることは労働だ。だから賃金を」と要求したという叙述に対して,障害者に賃金を支払うことの是非を議論することが悪いと言うつもりはないが,賛否ならば誰でもいえる。その前になぜそのような要求が出たかを考えて欲しいということ。「経済原論演習」は小池第1章の報告やり直しだったので,時間がそう掛からず,あとは第18回三大学合同ゼミのテーマについて。学生たちが考えたのは「結婚格差」。S1「僕は中国経済問題を考えていたのですが,『堅い!』って」。S2「女子大生も来るので乗ってきそうなテーマにしました」。S1「3分の2は真面目に議論して貰い,残り3分の1は面白く,と」。何はともあれテーマが決まったらおおかた決まったようなもの。後はグループ・ディスカッションのテーマを決めるだけでいいから。S1君は乗らない顔をしているねぇ。S1「今でもこんなんで良いのかなぁと思っているのですが」。問題の背景を考えて貰うようにすれば有意義じゃないの。昔から「玉の輿」「逆玉」って言葉はあったけど,今の「結婚格差」はまた違う面がある。
 6月12日 ノートPCをデイパックに外出。スターバックスを転々。「2杯目は100円」は助かる^/^。

2010年6月10日木曜日

中間所得層10年で2割減

6月10日付の日本経済新聞は経済産業省が前日発表した調査を紹介している。

「1997年からの10年間で、年収600万~1500万円の人たちが2割近く減った」
「年齢別では30~40歳代の収入減が目立つ」
給与所得者1人あたりの年収は「600万~1500万円の人たちが減った半面、400万円以下が増え、なかでも200万円以下が3割増となった。」
そして最後に「若年層の非正規雇用が拡大したためだ」という同省の見立てを紹介して終わっている。

しかし,通常「若年層」とは(労働人口の下限である)15歳から34歳までを指すので
、「若年層の非正規雇用が拡大した」ことと30歳代,40歳代の年収下落とを結びつける必要がある。
つまり,内閣府による今週の指標No.754「非正規雇用比率の上昇が賃金指数に与える影響」(06/9/11)のようにである。

人口に膾炙するフレーズでも,「日本経済」新聞である以上,省庁の発表を横流し,失礼^/^,紹介するだけでなく,より丁寧な解説が求められるのではないだろうか。

2010年6月8日火曜日

ピース


いくつかのピースをつなぎ合わせようと,いろいろな組み合わせを試行錯誤していくうちに,月日が経っていく。ここで繰り返し「大きな図面が描けていない」と批判していたサッカー日本代表岡田監督のようなものだ。

 6月8日 「経済原論」は再生産表式。
 6月9日 「市場と組織」は内部労働市場の概説と小池和男氏による日本の労使関係先進論。昼休み,大学院教務厚生部会。「地域社会論」は農業と農政。事前に外部講師の方から紙に書いたものを映写したいと要望が届いていたので事務方にOHPの手配をお願いしたところ「紙では映写が安定しない」。自分はOHPを使ったことないので知らなかったが,古い型なので透明のシートに一端コピーする必要があった。「今度はうまくゆきました」。ところが教室に設置すると,光源が点灯しない。結局,紙をスキャナーで読み込んでPDFファイル化し,パソコンからプロジェクターを通じて映写することにした。最初からプロジェクター方式にしていれば,何でもなかったのだが,古い型のOHPは,自分ばかりか,利用経験のある職員の方もいなかったためテンヤワンヤしたわけだ。(写真は球場に並んでゲットした東北楽天イーグルス選手のフィギュア)

2010年6月7日月曜日

逡巡

講義も会議も入っていない一日。
ジム通いもスキップしたものの,
構成のあり方を逡巡している内に終わってしまった6月7日月曜日。

2010年6月6日日曜日

ブレる原因

先週金曜日の深夜,サッカー日本代表の,コートジボワールとの練習試合をビデオで観て唖然とした。
一つには先日の対イングランド戦での検討が嘘のような沈滞ぶり。
3ボランチから2ボランチに戻した,つまり攻めの選手が増えたはずなのに球を廻してばかりで前に運ばない。
翌日の新聞談話を見ると「相手が強かった」(闘莉王,名古屋グランパス)「1体1の局面で9割方負けていては勝負にならない」(長谷部,独ボルフスブルク)と,戦力差があるのは確かである。しかし,相手も大会直前のためかパス回しばかりの安全運転だったので付け入る隙はなかったのか。球際の強さ弱さは,イングランド戦と比較すれば明らかなように,技倆のせいばかりではないはずである。
もう一つは,事前に報道されていた通り,長谷部を急遽トップ下で用いたこと。
「使える選手とそうでない選手の見極めが出来た」という監督談話もそうだが,本番直前で今まで試したことない用兵を行なうとか,選手23名の登録が終わってから「見極め」していたとか,大会直前になって監督の戦術にブレ・揺れが垣間見えている。

かつて横浜マリノスやベガルタ仙台を率いていた清水秀彦氏が,2,3ヶ月前の読売新聞のコラムに,岡田監督は戦術的に行き詰まって以来,選手の入れ替えによって局面を打開しようとしている,という趣旨の指摘をしていたが,小手先の変化で対応しているというのはブレる人の特徴であろう。

なぜブレるのか,と言えば
直近の二人の首相,麻生氏,鳩山氏がそうであるように,
生まれも良く,人が善いため(偽悪的口調であっても),八方美人的対応をしてしまうことが原因の一つに考えられる。
二人とも「直前に会った人の進言に左右される」という報道がなされていた。

しかし,岡田監督はどちらかと言えば,頑固である。
周囲の助言・介入に対してはむしろ拒絶反応を示すタイプのようである。
彼の場合はむしろ発言が局面戦術ばかりで大きなビジョンが明確ではないのではないか。岡田監督の戦法と言えば,数名で相手ボールを奪って慎重に球を廻す,くらいしか思い浮かばない。しかし,ゴールまではその先遠い。また,トルシエ監督が繰り返し指摘しているように,ボールポゼッションを前提にした試合運びはアジアレベルの国を相手にした時の話で,ワールドカップに出る強豪国相手ではむしろボールを支配されている間のことを考える必要がある。それがない,と言うわけである。

ところで,ブレの原因をビジョンの明確さに求めると,身に詰まされることが多い。
人が善さはわかないが,論文構想では細部の詰めが甘くて立ち往生ということがあるからだ。岡田監督の迷走ぶりを見て反省しきりである。

 6月5日 デイパック下げて外出。細部を詰めていたら全体像と齟齬。再び構想へ。ジムにてリラクゼーション・マッサージ。「凝ってますねぇ」はいつものこと。最後に「湾曲していますから時々伸びを入れた方が良いですよ」。
 6月6日 夕方ジムにてストレッチ教室に参加した他は,近くのドトール・コーヒー。午後自宅,ファミレスと場所は変えても,繋がらない環の詰め方呻吟。

2010年6月4日金曜日

ゼミ指導

講義では喋りっぱなしになっているが,
ゼミでは逆に学生に任せている。
そのため,例えば,教養セミナーでは私人身はディベート形式の授業は受けたことがないのに,司会者を割り当てられた学生が勝手にディベート形式で推し進めてくれる。
しかし他方で,学部ゼミでは,ゼミ生からは無関心ばかりに「気のない返しですねぇ」と揶揄されるたりする^^;。

しかし,黙っておれない時があって,最近,教養セミナーでは最後の教師講評の済,「皆さんの意見は尊重するし,そもそも考えに優劣はつけられないが,その前に著者が何を言おうとしているのか,テキストを丁寧に読もう」と繰り返しアドバイスしている。
またゼミでは,留学生のレジュメに対して「先ず著者が何を言おうとしているかを正確にまとめよう」と指導している。

もちろん,指摘が細かすぎれば,講義をした方が手っ取り早いし,学生の考える力を奪ってしまう。
その兼ね合いがむつかしい。「気のない」などと受け止められるようではまだまだである。

 6月4日 「経済原論」は賃金および流通過程を一緒に講義。自分自身はそうとは考えていない,多様な労働を含む売ると考えているが,テキストは賃金形態=剰余価値の隠蔽形態という認識なのでさらっと。教養セミナー「格差を考える
は第3章前半。ベーシック・インカム論の思想分野における先駆けとしてネグリを取り上げているが,1年生には難しく,その意味内容を捉えることに難儀しているようだ。
経済原論演習」は今週から小池和男『仕事の経済学』。まとめに不正確なところがあるので「やり直し(`_´メ)」。院入試を睨んで少し厳しく対応。

言うは易し

公約ばかりか,工程表付きのマニフェストも「破るもの」というのが相場
というか,有権者が諦め,受容しているものかと思っていたら
鳩山首相が政治的責任を取って辞任した。
「公約」というと軽いが,「食言」といわれては堪えるらしい。

と他人事のように思っていたら,
3月中に論文を仕上げると,前の論文の抜刷を送付する際に宣言したものの,
3月は去り,4月は学会当初の喧噪に紛れ,5月はGW旅行でリラックスしすぎて,
ぐるぐる論点の周辺を徘徊している内に6月になってしまった。

政治家の食言は辞任によって贖えることができるだろうが,
研究者の食言は,端から真に受けられていないせいか,そのまま有耶無耶になっている。
しかし,ケジメがつかないと,何時までも問題を抱えたまま,ということになる。

リスケジュールして続けるしかない,ということか。

 6月2日 「市場と組織」は小池和男『仕事の経済学』第1章「知的熟練」の読み取り。昼休み,旧経済情報系講座会議。定例学科会議。合間に「地域社会論」に顔を出して外部講師の紹介。終了15分前に学科会議を抜け出して講師を労おうと再び教室に戻ったところ既に授業は終わって講師も帰られていた。交流戦,東北楽天イーグルス3x7阪神タイガース戦を観戦したい気持ちを抑えてジム経由でファミレス残業。
 6月3日 近くの皮膚科医院に。開院30分前に駆けつけ,5番目をゲットしたが,結局50分待ち。自宅で「地域社会論」や教養セミナー「格差を考える」の学生コメントをBlackboardからダウンロード。点数をアップロード。昼食を兼ねファミレスで原稿。一端自宅に戻って,夜再びファミレス。

2010年6月1日火曜日

講義と教材

経済原論」では1篇を終わることに関連する記事を読み,設問に対して答えて貰う,という読み取りをしている。

原論は抽象的な話なので,現実に起きていることとの関連を示したい,講義は聴きっぱなしなので読み,まとめ,書くという積極的作業をして貰いたい,長い文章を読んでもらいたい等の意図からである。
Blackboardを利用しているのは回答を一覧表で打ち出せるので,1名1枚の紙に書き出す方法より取り扱いが簡単という理由からだ。

今日,6月1日はテキストの第3篇,資本主義の生産(剰余価値の形成)が終わったところなので,田中洋子さん(筑波大)の「新しい雇用・労働システムを求めて」(『生活経済政策』No.148,’09.5)を教室で読み合わせてみた。すると,授業終了後,ある学生から「ただ読むばかりじゃなく,要点を示してから,読む方法はどうでしょうか。論文を読むだけでは退屈なので」という感想が寄せられた。

しかし,文章を読んで要点を読み取ってもらうことこそこの読み取り形式で学生に期待していることなのだ。
また要点を示すことは実は通常の講義で行なっている。テキストの要点をパワーポイントに示して解説しているのだから。そのため「テキストは買わなくても良い」と考える学生も出てきていることは痛し痒しだ。通常の講義がそうであるからこそ,たまには学生に主体的な作業をしてもらうことにしているのだ。さらに,大学生の新聞講(購)読率が落ちているといわれる状況なので,長い文章を読んでもらいたいという意図を込めているのは上に述べた通りだ。
したがって,先の要望は読み取りの意図を理解しないものといって良い。

他方,「退屈」という訴えは無碍には否定できない。
実際,何カ所かに区切って輪読していたうち,学生が質問してきたのは最初のパートだけで,それ以降は質問も出ないため,こちらが気付いたことを解説していた。
学生が退屈に感じていたのは間違いないだろう。

「授業は遊びではない。面白可笑しいことが聞きたかったら,教室の外に出ろ」と言下に却下すべきご時世ではない。
「豊かな社会」では実利に訴えるか関心に訴えない限り,積極的に勉強することを期待するのは難しいからだ。
長々読んだ後に最後に設問に答えて貰うのではなく,パート毎に設問への回答を書き出す,記事だけでなく,参考となる資料,グラフや映像を示す,などの工夫が求められているのであろう。