2010年6月20日日曜日

組織的守備は徹底したが

オランダ戦は最少失点で終わった。

日本出国後に急遽採用した堅守速攻型戦術のうち,堅守だけは実現したようだ。
確かにゴールは中心選手スナイデルに詰めるのが遅かったためだが,事前の予想では0対3か4だったから,守備は機能した,と良いだろう。

しかし,攻撃は後半チャンスがほとんど作れなかった。
後半失点したのだから,攻めに転じたはずなのにだ。
むろんオランダが後半攻勢を掛けていたこともある。
ボール支配率は後半の方が低い。

しかし,ボール支配率は前半からオランダの方が高かった。
前半はボールを支配されても,いわばボールを廻させていた状態で,さほど怖くはなかった。
ところが,後半はたまにボールを奪ってもキープできない,つなげられない状態で,
これでは得点の予感がしない。

第3戦は引き分け以上で決勝トーナメント通過が決まる。
しかし,意識的に引き分けるのは難しい。
相手チャンスをゼロにすることはどのチームでも出来ない相談だからだ。

堅守速攻に戦術を転換した以上,前線にはボールをキープできる選手が必要だ。
本田は相手には強いが,第2戦ではキープできなかった。
前線から下がってボールを持ち続けようとしたのでかえって奪われた。
MFなのかFWなのか役割がハッキリしなかった。
本田をトップ下に戻し,前線には本来のFW,長身の矢野を置いた方が良いのではないか。

さらに得点に絡んで欲しいのが遠藤保仁だ。
遠藤こそオシム前代表監督がチームの中心に据え,今なお解説で指摘しているようにもっと得点に絡む動きを期待されている。
遠藤の球裁きは他を圧している。また2戦ともよく走っていた。
しかし,彼に求められているのはそれ以上のこと,単なるパッサーに止まらずゴールまで狙うことだ。
元日の天皇杯で遠藤が見せた動き,右から切れ込んでDF陣を次々交わしてのシュート。
遠藤が大一番で殻を破るか否かがグループリーグ突破の鍵を握るのではないか。

 6月20日 はやて100号にて上京。社会政策学会第120回大会(於;早稲田大学商学部)第2日出席。最近は原論的な分野に研究が偏っていたので,政策的なところを「勉強」するため。午前中は第4分科会(非典型労働部会)「『改正パートタイム労働法』と均等・均衡待遇原則」。午後は自由論題・第4雇用形態の多様化」,第9分科会「フランスと日本の家族政策・こども手当」。報告レジュメあるいはフルペーパーに「未定稿のため引用はお控え下さい」と記されたものもあったので内容の忠実な紹介ではなく,記憶に残ったことだけ,あるいは自分が理解した限りで,羅列すると,1)非典型雇用といっても,パートタイム労働者が多いが雇用は安定的な欧州とパートは少ないが雇用が不安定な米韓とは対照的,2)差別解消の方向性として,あくまで均等処遇(文字通りの同一労働同一賃金)にこだわる論者と日本では職務区分が明確ではないことを踏まえて均等処遇,それが適用出来ないところは均衡処遇でと柔軟な戦術で臨む論者とに分れる,3)雇用の回復にも出生率の回復にも労働時間制度が大きく係わる。石油危機後の高失業率を抑えるためにオランダがワークシェアリングを導入したり,フランスが週35時間制を導入した。フランスでは家族手当の拡充によって出生率が回復した。しかし,自由時間の使い方は様々で,オランダでは家庭で保育するなど無償労働(アンペイドワーク)の時間が増えたのに対し,フランスでは育児給付との関係で育児休暇よりも保育サービスが選択される傾向にある。はやて93号にて帰仙。

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