2011年2月28日月曜日

人品

人の人格を規定しているのは何か,は一概には言えない。

単純に出自,学歴とはいえないことは確かだ。
現代では,高貴な家のでの人間が人品貴いと考えているものはわずかであろう。
また学歴が尊ばれる現代でも,それは能力との関連であれ,品格の故ではない。

名門の家の出の人間がそうでない者に取る態度が傲慢である,という例はいくらでもあるし,
高学歴の者が学歴を自身の立身出世の手段と考えていることは今では臆面もなく披瀝される風潮がある。

しかし,徳川元子『遠いうた--徳川伯爵夫人の75年』(文春文庫,2005/単行本は1983年)を読むと,
家柄や学歴とは異なるが,
しっかりした家庭教育や学校教育の影響が大きいことは認めざるをえない。

最後の大垣藩主の孫娘(他方で岩倉具視の曽孫)で家族の一員として育ち,後に徳川三卿の一つ,田安家に嫁いで伯爵夫人となる著者が,
幼少期から少女期の想い出を決して出自を自慢する風でもなく,詳細だが淡々と語り,
幼くして母,少女時代に父に先立たれた顛末を抑制した筆致で語る様からは聡明さが十分に伺える。

もちろん,同じ華族でも,同じ女子学習院でも人さまざまであり,
著者の姉,父,継母,祖父母はまた別のようである。
(長子以外の孫を「粗製濫造だから」という祖母,著者と同い年の娘を妻妾同棲させる祖父など)

読書好きで,トルストイ,有島武郎から吉野作造,福田徳三まで読み,
雑誌『改造』を取り寄せ
平塚雷鳥や山川菊栄らの婦人問題に関心を寄せていたのは
著者ならではの個人的資質・嗜好性であるのは間違いない。
(家の財布を預かる大垣半以来の家来は本の中味がわからないので『改造』でも何でも買ってくれたという)

恵まれた環境だからこ周囲の急迫した状況とのギャップに悩み
女性が本人の意識関わりなく嫁がされる状況だからこそ厳しく育てられた。

その意味では戦前の貴族の最も良質な部類の一人に他ならない。

 2月27日 「高畠ワインたった二杯で朝も起きられず」ではないが,寝坊してしまい「意図せざる完全オフ」。今に移っても午前中はウトウト。午後,NHKのローカル放送で楽天イーグルスのオープン戦対日ハム戦を観る。三木谷オーナーの言う「踊り場」は昨シーズンだけ終わったわけではなさようだ。先日Googleカレンダー上に作成した東北楽天イーグルス式戦日程のロード/ホーム表記に誤りが見つかったので作り直す。母の希望でアマゾンより取り寄せた徳川元子『遠いうた--徳川伯爵夫人の75年』をお下がりを受ける形で読む。
 2月28日 担当科目のうち,工学部生が受講している基盤教育「市場経済」に関してJABEE認定に必要な書類を整え,工学部教務へ発送。e-Taxに必要な電子証明書の期限(3年)が切れていたため早めに下校し閉庁ギリギリで区役所に駆け込む。先週より肩凝りが酷かったため,ジムでリラクゼーション・マッサージ40分。凝り固まっていたようで圧す力も半端ではなく涙が出そう。「ピンポイントで圧しています」.その後,腹筋,ジョギング,腹筋。なぜかe-Taxがうまくゆかず明日に持ち越し。

2011年2月26日土曜日

俄勉強もままならず

東北公済病院にて超音波検査を受けた後、病院近くのスタバ。

自慢じゃないが、読むのがメチャ遅い。しかし、待ち時間長くてサクサク。

一旦帰宅して車にガソリン補給、絶食の身にはファミレスのランチ。
ガソリン値上げ前で車は快走、こっちは血糖値上がってペースダウン。
いつもより早くジム入りしてクールダウン。
少子化関連本で俄勉強のつもりが、先は長そう!

2011年2月24日木曜日

雲を掴む

公務員対策講座,論作文指導を終えた。
同講座では講義1回,論作文指導2回を担当し,
論作文では1回目は模試と称して受講生に論作文を実際に書いて貰い,
2回目でその講評をする,ということになっている。

2回目も学生に2通の答案を読みで貰い,順に講評して貰う,いわゆる合評で大半の時間を取り,
自分は冒頭で評価ポイント(理解力,論理展開,お作法)を解説し,
最後に全13答案に対して評価ポイント上記3点それぞれについてコメントした一覧表を配布し,簡単に解説するだけだ。

同講座開設時の打合せで,
学生自身による合評は有効,という情報を得ていたので,このようなスタイルを取っているが,
限られた時間で学生への指導が十分であるかといわれると,心許ない。

論理展開(原因と対策の整合性,展開の見通しやすさ),お作法(字数,誤字脱字)は具体的に指摘しやすいものの,
学生の上げた格差対策についてどこまで踏み込んでコメントして良いか,悩むところだ。

市場経済に対する見方は問わないということは前回触れたが,
学生の上げる対策は実にさまざまあり,
多少ともそれにコメントすると
政策の指向性には触れず,妥当性や緊急性に触れているつもりでも
見ようによっては指向性への指摘に見えるかもしれない。

それ以上に懸念されるのはこちらの指摘が学生に伝わったか,ということである。
持ち時間は10分少々しかなかった上に
最初はやはり全体的な講評,評価ポイント3点それぞれについて全体的な傾向を述べざるをえない。
そのため,目に付いた立案2,3についてコメントしたが,残された時間は短かった。
等の学生にとっては「雲を掴む」ような話だったかもしれない。

しかし,自分の場合,この種のコミュニケーション不安・不信は常々感じていることではある。

 2月22日 論作文の答案全13通について評価ポイント毎にコメント記述。ここまでに何度繰り返し読んだことやら。
 2月23日 2つの会議とその準備で大わらわ。
 2月24日 論作文指導を終え,昼休みいつもの美容室へ。暖かくなったせいか,午後スチームの効いた研究室にいるとぼっーとしてきた。
 

2011年2月22日火曜日

主義主張は問わないが

週明け,公務員対策講座,論作文模試の答案を一日中読んでいた。
たった13枚だが,どういう風にコメントしようかと考えたり,もっと書けないかなぁなどと独りごちしていると,なかなか進まなかったからだ。

設題は「経済格差の地域社会への影響を説明し,それに対する対策を述べなさい」。
字数は,山形県職員試験に倣い,2,250字とした。

僕は同講座で講義「経済格差」を1回,論作文指導を2回受け持っている。
論作文2回のうち,1回は模試で,指導は実質1回だ。
しかも,2回目は指導と言っても,答案2通を選び学生自身に評価を書き込ませ,順に講評を述べて貰う合評方式をとっているので,毎年,僕の説明は90分のうちの10分か20分がせいぜいだ。

その短い時間で学生に何を指導するかというと,
一つは,評価のポイント。
理解力(設題に答えているか,内容は専門教科試験のように正確でなくても良いが見当外れではないか),展開力(対策は原因に照応しているか,展開が見通しやすいか),お作法(設定字数の8割超,段落・論点の分量バランス,誤字脱字)。
この3点は,毎年指摘していることだが,学生が同時に受講している有料の生協公務員受験講座における論作文対策という今年の講義で紹介されているポイントと奇しくも一致している。

また3点に関わって,2,250字の場合,冒頭段落で予め展開を予告した方が良い,一段落一論点,一文は短く,接続詞は多用しない,指示代名詞の指示内容は明確になどの指導もしている。後ろの方は中高生のうちにに修得すべきことだが,自身を振り返っても身についていないことが多い。

二つ目は内容に関わることで
主義主張は「採点の対象ではない」と断った上で,
形式論理で済ますな,と諭している。
格差問題を講義すると,必ず「市場経済では格差をなくすことはできない」というコメントをする学生がいる。
それは誰も否定しないことでそれを前提に何をすべきかが問われていることを理解する必要がある。

セイフティ・ネットの在り方にはいくつもの考え方があり,
論作文ではそのいずれかでなければ点を貰えないということはないが,
勉強した上で答えるべきであろう。
それを,単に格差を根絶することはできないという中学生でもわかる形式論理,屁理屈で終わらせていては「不勉強」「考えが浅い」と評価されても仕方ないであろう。

例えば,いわゆる新自由主義者フリードマンは
現行の給付制度では救済対象者が却って「貧困の罠」に陥っているとして,
現在のベーシック・インカムに繋がる「負の消費税」を提唱した。

市場原理を尊重するから市場原理になるべく合致した救済制度を考案した。
市場原理を信奉する学生は「負の消費税」はどういう意味で市場原理に合致し,現行制度は合致していないかを自身で勉強する必要があるが,
それをしないで,市場経済では格差発生は不可避だから現行制度で仕方ない,という答案では「不勉強」「考えが浅い」「幼稚」と判断されても仕方ないであろう。

2011年2月20日日曜日

完オフ

完オフは母を連れて西友系ショッピングモールへ
母の目的はまず宝くじ。
次の贈り物は期待していたものが見つからず
山形から進出した三津屋で板ソバ。
半板2枚に野菜の天ぷら盛り合わせ

午後は河川敷まで散歩。
10分以上掛かったので母はもう来ないかも。

夕方ジムでストレッチ教室。
コーチの声を聴くとなぜか眠くなる。
学生の気持ちがよくわかった。

2011年2月19日土曜日

コーラの呪い

年甲斐もなく甘い炭酸飲料が好きで
カロリーゼロのペプシやコカコーラ-を昼夜?夜な夜な痛飲している。

オフの時でさえ,パソコンでネットサーフィンしていると,
キーボードの上にコーヒーやコーラをひっくり返すことは日常茶飯事で
キー入力が一時的に効かなくなることもいわば宿業。

しかし,今回は「一時的」が長い。
既に一週間過ぎているのに,
未だに「O(わ)」キーだけは押してもなかなかて反映しない。
おかしいのに気付いて,同じ「O」を何度か押して初めて反映してくれる。

コーラよりもコーヒーの方がドロドロ感があると思っていた。
だって身体調子が悪い時は,コーヒー飲みたくなくなるもの。
しかし,
ネバッコさはコーラの方が上,ということになる。

でもなぜ「O」?

一段落

昨年暮れからの練り直しが一段落。

しばらくゆっくりしたい。

プロ野球開幕に合わせて今シーズンの楽天イーグルス並びにパリーグ他球団の戦力分析に勤しみたいところだが、
来週の会議と講義には準備が必要だし、
その他にも事務書類の提出や依頼が来るのが遅れていた基盤教育シラバスの入力がある。
もちろん細かな作業・準備はいつものことで、
次の構想を具体化するには
妄想に浸ったり、
最終的に使い物になるかどうかわからない文献の山に分け入たりすることが必要だ。

急かされるような想いから解放され平穏な生活に戻るが、
当初の構想を引っくり返すまではなくても拡張するくらいでないと、
徒労感に襲われることになる。

そういう意味では、
貴重な準備期間をしばらく過ごすことになる。


 2月18日 山形県経済研究所の方2名,出来上がった『春闘パンフレット』を携えて来訪。午後,教育改革シンポジウムの基調報告を聴く。補正した原稿一式レターパック投函。ジム系列店で久しぶりにジャグジーバス。
 2月19日 久しぶりにノンビリのはずが,公務員対策講座,論作文の答案を読む。

2011年2月18日金曜日

寄り目釣り目

構想1ヶ月半,執筆1週間で完成。
といっても1から執筆したのではなく,昨秋一旦仕上げた原稿の補正。

さていよいよ清書,という段になって予想だにしなかったことに逢着。
字数制限を2割超過。
数千字圧縮ってシャレにならんぞ。

以後2,3日,あれを切り,これを切り。
それでも千字以上オーバー。
丁寧にわかりやすく解説した箇所も残したかったが,
丁寧なだけ余分とぶっきらぼうな表現に。

そしてTEXファイルをWordファイルへ
変換ソフトも所々おかしな変換をするのは毎度のこと。

解せないのはWordファイルにした時,1段組と2段組でページ数が大きく異なること。
段落最終行の文字数が少ないと,1段組n行が2段組では2n行ではなく(2n-1)行で収まることはよくあるが,
全体で2頁も異なるのは解せない。
Wordは使い慣れていないので原因が思い浮かばず,不可解モヤモヤ感が丸二日。
焦りが生じて,目が釣ったり寄ったり。
さぞ人相が悪かったろう。

 2月15日 記憶にない。来年独資をお願いする学外の方に事務手続の連絡くらいか。
 2月16日 立て続けに会議,その合間にページ進行の謎を四苦八苦。
気付いたら,昼食に出る時間,ジム通いに通うタイミングを逸してしまった。
 2月17日 公務員対策講座,論作文の1回目は論作文の実作。

2011年2月17日木曜日

ベーシック・インカムへの片恋慕

去る大家が総合雑誌上でベーシック・インカム論の理論的起源まで遡りその検証し,
ベーシック・インカム制度は資本主義社会では部分ベーシック・インカムとしてしか実現しないため,
労使関係の規制やセイフティ・ネットの拡充に努めない限り,
社会的弱者の生活の安定に繋がらない,と指摘されていた。

僕はこれをBI論を社会民主主義的主張へと繋げようとされている,と理解した。

しかし,僕はこれはベーシック・インカムへの片恋慕ではないか,と思った。
なるほどベーシック・インカムに賛同する論者のベーシック・インカム理解にはさまざまなパターンがある。
特に「給付」や「貧困救済」という点に惹かれている人は多いように思う。

しかし,「給付」だけなら,新自由主義者フリードマンがベーシック・インカムとほぼ同型の「負の所得税」を提唱しているように,ベーシック・インカム論固有ではない。

しかし,ベーシック・インカムのアイデンティティは,
就労を条件としているという理由で各種社会保険の一律給付への統合を主張したり,
「貧困の罠」を理由に累進課税を否定したり,
さらに被救済者に与える恥辱感(スティグマ)を理由に資力調査(ミーンズ・テスト)を拒否したり
する態度に現れているように,
無差別一律給付以外の市場介入を厭う思考,リバタリアニズムではないだろうか?

片恋慕と思ったのはそういう意味である。

僕は「負の所得税」には資力調査が前提とされている点で
さすがフリードマン,と感心したほどである。

2011年2月14日月曜日

携帯電話なんかなくても

午前中,「自治体経営」の来年度テーマ,「地域社会論」の来年度日程渉,山形仙台圏交流研究会の次回報告と,次から次に電話で交渉。

研究室にいる限り,直通電話は使えるし,ネットに繋がっているのでメールも送受信できる。
自宅に携帯電話を置き忘れてきたが,何ら支障はない。
ただ,携帯電話や携帯アドレスに急な連絡はないかな,と滅多にありもしないことが気になった。

帰宅すると,携帯へのメール20本。
ほとんどはE-mailアドレスに届いたメールの転送なので,既に研究室で読んでいた。他は宣伝広告。
やはり杞憂だった。

 2月14日 午後ようやく原稿の校正に取りかかったがさして進まず,気分転換に着手したGoogleカレンダーへのモンテディオ山形公式試合日程の組み込みは,なぜか時間が米国時間で表示され,何度かやり直し。さらに前夜作成した東北楽天イーグルス公式試合日程Googleカレンダーともども試合開始時間だけじゃ物足りないと,サッカーは試合開始時間の3時間後,野球は4時間後を試合終了時間と想定して書き加えよう,など試みていると,時間の有難味を痛感させられた^^;。


(厚生労働省『パートタイム労働者総合実態調査』平成18年版。「パート等労働者という働き方を選んだ理由」(複数回答)として,正社員以外の労働者で契約社員等の名称にかかわらず週の所定労働時間が正社員よりも短い労働者である「パート」の場合,多い順に,「自分の都合の良い時間(日)に働きたいから」50.3%,「勤務時間・日数が短いから」38.1%,「正社員として働ける会社がないから」23.8%である(もちろん,1週間の所定労働時間が正社員と同じか長い「その他」の場合には,「正社員として働ける会社がないから」が最も多く44.2%)。したがって,今後の就業に対する希望は,パートの場合,「正社員になりたい」が18.4%であるのに対して,「パート等で仕事を続けたい」が68.4%となっている(両者とも前回平成15年調査よりも伸びている)。こうしたパートタイム労働も理論的に組み込む必要はないだろうか?)

夜は緩みっぱなし

 2月13日 ドトール・コーヒー,ファミレスと渡り歩いて原稿校正。16時過ぎにはジムに入り腹筋,その後,リラクゼーションマッサージ40分。3/4は睡眠。帰宅後,録画したビデオ。契約だけしてほとんど利用していないCS放送,e2 by スカパーチャンネルNEKOで映画『フラガール』。筋は単純,先先が読めるのに,不覚にも。。。涙腺が緩んでいるの^^;。さらに時間を以て余したのか,パリーグHPの日程表を元に東北楽天イーグルス試合日程Googleカレンダーを作成。こうした暇潰しをもう4年も続けている
^^;。

2011年2月12日土曜日

ヒリヒリ私小説

母の『文藝春秋』を借りて西村賢太の芥川賞受賞作「苦役列車」を読んだ。

『暗渠の宿』『どうで死ぬ身の一踊り』『二度とゆけぬ町の地図』と,刊行中の文庫本は既に読み終わっているので,手安く手に入るものには全て目を通したことになる。後は図書館で単行本を借りるくらいか。

最初は余りにどぎつく,少々というか多々偽悪的で顔をしかめながら読んでいたが,
徐々に微笑みをたたえつつ読むようになった。

どこに惹きつけられたか考えてみた。
主人公とは性格も行動も異なる。

自分は短期ではないし,暴力に訴えることもない。
DVなんて記憶にもない^^;。

しかし,誰しもそうだが,コンプレックスを抱えているとか,
悪弊とわかっていて止められない,変えられないとか,
親しいものに甘えて辛く当たるとか
人間としての弱さ」をまざまざ見せられる。

それは小説を読まなくたって,
自分のことだから誰も頭の中ではわかっているのだが,
小説の展開を通して頭の中から外に具現化する。

認識するだけで変わるわけではないが,
具現化した自分の性格・行動に向かい合える強固な自我を認識できる。
弱い自分を確と捉えようとする強い自分が確認される。
このときのヒリヒリ感が読み繋いでいる理由であろう。

 2月11日 祝日でも論文補正。書き換えではなく,3,4箇所のみ書き直し,書き加える。昨年末からその案を練ってきたが,実際に筆を執るとそう簡単には進まないものだ。金曜日はいつものジムが休館日のため系列店へ。いつものジムにはシャワーしかない(ジャクジー風呂はプール脇にあるため水貴を着ないと入れない)ため,週1回,金曜日だけ入浴していることになる。

2011年2月11日金曜日

どっちなの?厚労省

この間,2つの報道に接した。

一つは厚労省が生活保護の期限付け「有期保護」を検討しているという赤旗の報道。2ちゃんねるのスレッドにもなっている^^;。

公務員対策講座でも話したのだが,生活保護費の1/4負担を求められている市町村が音を上げており,かつては「水際作戦」(相談に止め申請不受理),今は押し付け合い(ホームレス施設のある仙台市等へ他の市町村窓口担当者が誘導),そして「有期保護」。
働く能力のある相に職業訓練を施す代わりに数年で打ち切るという「有期保護」は元々指定都市市長会の提案だが,生活保護は保険料支払を条件とする社会保険とは異なり,その必要性あれば無条件に給付されるべきものであり(当然資力調査あり),有期化は「生存権」を謳う憲法25条違反の疑いが濃い。

他方,読売新聞によれば,パートタイム労働者への厚生年金適用の拡大も検討を始めたという。

これも同講座で解説したことだが,
セイフティ・ネットというと,市場から押し出された者向けというイメージがある。
ところが,実際は正社員と非正規雇用の扱いは異なり,内部労働市場に入れない非正規雇用の方がずっと不利なのである。

雇用保険は加入条件および受給条件が非正規雇用の勤務実態に合わず,失業給付を受け取れない層がいる。
年金や医療保険は,正社員が労使折半,給料天引きの「被用者保険」(厚生年金や健康保険,公務員,私学教職員は共済組合)で「未納」の虞はほとんどない。保険料も所得比例なら年金も所得比例だ。
それに対して,「正社員の労働時間の3/4以上」という基準のために,非正規雇用のほとんどは被用者だが,被用者保険外の,元々自営業者を対象にした国民年金や国民健康保険(国保)に加入させられている。両方とも本人が入金するので「未納」の可能性が生じる。若年層では未納率4割を超したとも言われている。

上の条件を緩和し,パートタイム労働者も厚生年金に加入させることは,安倍内閣でも検討されたが,定額の(報酬比例ではない)代わりに低額でもある保険料を引上げられたくない被保険者や保険料率労使折半になると支払義務が生じる事業主の反対に遭い頓挫した。

しかし,20歳から59歳まで丸40年支払って月6万余り受け取れ,最低の25年間ではさらに減額される基礎年金だけでは老後の生活は厳しい。彼らが生活保護のお世話になれば,全額税負担となる。また,少子高齢化のなかで保険料収入を増やす必要もある。パートタイム労働者への厚生年金適用基準を緩めるべきであろう。

報道通りなら,厚生労働省はどちらを向いているのか疑問に感じる。
格差の拡大を阻止したいのか,その努力を放棄するのか。
態度をハッキリさせて貰いたいものである。

 2月10日 来年度の,「自治体経営」や「地域社会論」について講師とのテーマ,日程交渉で一日潰したような記憶しかない。

2011年2月10日木曜日

再び悴む

寒さが和らいで「早い春」を体感したのも束の間,
朝,手袋をしても悴む寒さが戻ってきた。

論文を補正する前に補正ポイントをいろいろ練ってきたが,
待つこと1ヶ月半,
いよいよ補正に取りかかることになった。

そうすると,そのことばかりが気になって,2月9日は早退,10日は自宅研修と相成った。
2月9日 公務員対策講座の講義「格差問題」。
配布するスライドは24枚,A4版4ページに圧縮することが出来だが,
表,グラフを復活させた講義用スライドは30ページを超え,
結局,喋りっぱなしとなった。何時ものことだ^^;。

学生のコメント票を見ると,
何名かが「年金や医療保険の仕組み自体初耳でよく飲み込めなかった」とコメントしていた。
市場競争の被害者向けとされるセイフティ・ネット自体の非正規雇用にとって利用しず来ないし利用できない状況にある,というのが基本論点の一つだから,
社会保険(講義で紹介したのは年金,医療保険,雇用保険)の基本的枠組みには触れざるをえない。
しかし,このとき,受講生が「大学で学んでいないから知らなくても当然」と思って貰っては困る。
講義のもう一つの論点で示したように,特に医療保険や生活保護では非正規雇用の拡大が原因で
彼らの多くが公務員を志望する市町村の費用負担が膨らみ,財政運営に大きな支障を齎していることは
マスコミ学理返し報道していることであるからだ。

決して学問内部の論点ではなく,現場の論点という意味ではマスコミが繰り返し報道していることでもあるので,しっかり頭に入れておいて欲しいテーマなのである。

2011年2月8日火曜日

また1冊

ずいぶん暖かくなって早朝自転車で駆けても手が悴むこともなくなった。
山形では歩道に未だ雪が残っていたものも,アイスバーンは砕けてザクザク,ところどころ水たまりになっていた。
しかし,夜になると,街には寒風吹き荒れる風で歩いていても寒くて仕方なかった。

そして,久しぶりにジムで走って疲れた身でドトール・コーヒーでしばし呻吟した後は,
あの,居たたまれない西村賢太の私小説が無性に読みたくなって,
併設された書店で,未だ読んでいない文庫本『二度はゆけぬ街の地図』(角川文庫,2010)をゲット。早速小説2編。
無頼派がいつの間にか清涼剤^^;。

 2月7日 午前のうちに「自治体経営」の成績登録。午後,金曜日の「経済原論演習」を変速開催。卒業レポートと言っても10枚以上ねと4年生に申し渡して1週間。なんと40枚弱のレポートが提出された。
「ほとんど引用です」
身も蓋もない発言だが,
学部生の卒業レポート,論文は種本の引用集であることは仕方がない。
どこが学問的論議の最前線かを見出すには相当の勉強が必要だからである。
あるいは論点の提示自体が論文の格,あるいは研究者としてのオリジナリティでもあるからだ。

しかし,引用の仕方--引用箇所,引用のつなぎ方--に素材をどこまで理解したか,
正にどれだけ勉強したかが如実に表れる。
読ませてもらいましょう。

2011年2月6日日曜日

予断は許さない

公務員対策講座の講義「経済格差」,1回だけだが,
講義スライドの構成に頭を悩ませられる。

現実問題にはいろいろな問題,共時的にも通時的にも,絡むので
説明すべきことが多く当初36スライドになっていた。

先週初めゼミ生の知恵を借りて24スライドに圧縮したが,
以後,日々見直す度に「舌足らず」「説明不足」が目立つ。

そこで,学生に渡す講義プリントとは分けて上映用スライドの枚数を増やしてみたが,
それでは学生に不親切と,講義プリントに手を付けてした。
その途端に枚数が増えた^^;。
土曜日昼間は32枚,夜には36枚。
日曜日朝は涙をのんで減らしたものの30枚。

増えたのはより丁寧に説明しようとしたからばかりではない。
受講生のほとんどが地方公務員志望者なので,
市町村が運営する医療保険,国民健康保険,いわゆる国保や
4分の1費用負担する生活保護の部分について
日経テレコン21などを利用して新聞検索し,最近の市町村財政への影響などを調べ,
書き加えると,自ずと数枚はスライドが増える。

しかし,90分1回切りの講義で盛り沢山では受講生は戸惑うこと必至。

また,よくよく考えてみると,
非正規雇用や無業者の増大など格差問題の市町村への影響を考察するということは,従来,解説していた格差論争や非正規雇用の拡大原因,派遣法改正等がメインテーマから外れていくことを意味する。

そこで,それらは別のテーマ,他の講師による解説に委ねバッサリ。
中心テーマは非正規雇用問題の構造的背景である労働市場の二重構造,
および格差問題の地方における現れ(国保の保険料滞納や税の投入,生活保護の水際昨再)に絞られていった。

こうして日曜日の昼には24枚に戻すことができたが,
講義日まで未だ2日あり,予断は許さない。
もう見直すのはよそう^^;

 2月5日 朝一番近くの内科に駆け込む。微熱のある者は通常の待合室から隔離され,病室,あるいはレントゲン室の前などで待たされる。その間,腰の低い先生が病人の間を会釈しつつ右往左往。1時間後ようやく順番が回ってきた。「のどが赤くなっていますし,風邪ですね。抗生物質や貼り薬を4日分処方しておきます」。夕方ジムに顔を出したくなるのを我慢して自宅籠城。

 2月6日 朝起きると平熱。咳は残っているものの,もっと早く病院に行けば良かった。
久しぶりに近くのドトールコーヒー。論文の補正をするつもりが,スライドの枚数が気になって圧縮作業に専念。午後は本来の仕事に専念する予定。

2011年2月4日金曜日

甲斐もなく

咳が酷くなった。
咳が出ない時は出ない,は同じだが,
出始めるとなかなか止まらなくなった。

昨晩はジムでのトレーニングを控え,
簡単にストレッチしただけで帰宅し,
珍しくも10時過ぎには床に就き静養にこれ務めた。
タップリ睡眠を取って翌朝の目覚めを楽しみにしていたのに,
喉の痛みは相変わらずで,
咳はより頻繁になった。

神をも縋るつもりだったのに
「病院へ行け」というのが唯一のお告げだった。

 2月4日 8日の公務員対策講座の講義「経済格差」の講義プリント見直すと,
舌「足らず」や言い「足りなさ」が目に付く。
しかし,せっかくゼミ生の手を借りて36枚のスライドを24枚に圧縮したので,
安易に増やすわけには行かない。

そこで,講義資料は24枚のままで,上映用スライドをに8枚増やした。
しかし,上映するのであれば,受講生には「詰め込み気味」であること人は違いない^^;。

午後,基盤教育「市場経済」の期末試験。すぐさま採点したが,大学院関連会議が長引き,下校19時,帰宅20時半。

2011年2月3日木曜日

ピンポン感染

喉の痛みは和らぎつつ残ったままで,2日前から咳が断続的に出始めた。
でない時は全く兆しさえないが,出始めると止まらず,
1時間近く乗車する高速バスのなかで咳き込み始めると,
たとえマスクをしていても困惑する。

そもそも先週半ば母に微熱と咳が出て,
木金はこちらにも喉に痛みがで始めた。
週末のうちに治したつもりが,
夜更かししたのか,ジムで汗を流したのがかえって悪かったのか,
今週には咳が出るようになり,
今度は母に移してしまった。
今や両方とも咳を出す存在になった。
ラリーはどちらかがミスをすれば終わるが,
このピンポン,いつになったら終わるのやら^^;。

 2月2日 マスクをしたまま「自治体経営」と定例学科会議に出席。県職員の方に件の組織やその課題について1回ずつ講義して貰う前者は最終回とあって総合局長による「今後の山形県政」。奇しくも30数年前の卒業生。用心してジムを休み,自宅にて前者のレポート採点,成績記入。これで最終回以外の点数は全て入力済み(受講生は
Blackboardのマイ成績表で自分の成績を参照のこと)。

 2月3日 久しぶりに車で登校。既に雪は降り止み,道の両脇内側に「除雪した雪の塊」が積まれている点だけにその面影を残していた。しかし,山形市内に入って道路が混在していたため思わずブレーキを踏んだところ,急ブレーキでもないのに,右足がノッキングを体感。アンチ・ブレーキング・システムABSが作動したわけで見かけ以上の「冬道」であることを実感。午前中某専門科目の試験監督補助。昼休み,7,8年前の卒業生来訪。地元企業に勤めていて仕事のついでなので短く二方山話。

2011年2月2日水曜日

受話器の前で

2月の朔日は「自治体経営」と「地域社会論」の,来年度テーマや講師の交渉に明け暮れた。

前者は山形県の職員の方に,後者は山形の企業や組織の方に,県の仕事や地域における現場の課題について1日1テーマで解説して貰う科目で,テーマ見直しとなれば,全て学外の方との交渉になる。

他の用事に追われ後回しにしてきたのが祟って,来年度シラバス入力の〆切を過ぎていた。
もちろん,実際の入力は融通が利くものの,
初めて学部で講義していただく方に関しては開講までに教授会承認が必要だ。
こちらも実際には開講後,ご本人の講義日までに承認が間に合えさえすればよいのだが,
教授会にはなるべく開講までに講師リストを揃えたい。(但し,公務員の方は例年3月末に移動があり,3月教授会には間に合わないのが通例)
初めての方ばかりでなく,今年度に引き続き講義をしていただく方にも来年度の講義をお願いする必要がある。
というわけで,一日中電話で交渉し,補足説明のためにメールを認めていた,という記憶しか残っていない。

今日は講義も会議も予定されていなかったので,早めに下校して別のことをするつもりだったが,
いつもとほぼ同じ時刻に研究室を後にした時には肩が凝って仕方なかった。
受話器の前でお辞儀を繰り返していたからかな^^;。

結局どれも削りたくないんですね

1月は晦日。起きると,喉の痛みと微熱は残っていたが,頭痛は消えていた。

午前中,来年度の「地域社会論」に係わって挨拶状数通認める。

午後,受講生が体調不良で休みがちだった「経済原論演習」の,月曜日変速開催。

まず始めに公務員対策講座の,計36枚に上る講義スライドを受講生に見せて
クドイ,細かいと思うスライド,逆に説明不足と感じるを挙げてくれるよう依頼した。
A4版1ページに6スライド載せるので6枚単位で減らしたい。
24スライドならA3版1枚に左右2面の両面印刷でちょうど収まる。

早速「III(非正規雇用の構造的問題)とIV(解決の方向)のつながりは?」と手厳しい。
非正規雇用が拡大したのは労働者派遣法の成立とその改正が大きく寄与しているのは間違いないが,
正社員と非正規雇用の処遇格差はそれ以前からあるので,
派遣法を元に戻す,あるいは廃止すれば良いというわけではない,と言いたいんだ。
「政策提言までは触れなくてイイんじゃないですか」
問題提起だけでは学生には問題のリアリティが伝わらないんじゃないかな。

さらに「一番言いたいのはどれですか?」と来た。
「これとこれは口頭で述べるだけで良くないですか」
口頭で述べるだけでは理解して貰えるかな。
それにその図表はスキャナーで読み込んだ末に加工してようやく枠に収まる大きさにしたんだ。

「結局,どれも削りたくないんですね」。

もはや攻防の末は見えた。
そう観念して24枚にした。

しかし,当日まで見直してみると一度落としたスライドが復活したり,
新たなスライドが加わって原案より増えるのが通例で。。。
例えば,24枚で表面上スッキリしたものの,スッキリが表面的解説になっていては講述する意味がない。
一番懸念するのは,強調したいのは問題の多面性だから,丁寧に説明しないと問題の絡み合いや解決策も多岐に亘ることが伝わらないということ。
もちろん多面性は「詰め込み」に転じることも通弊で。。。。
当日まで悩ましい。

さて,学生の報告で攻守交代。
「2年間いろいろ手を出したためまとまりませんでした。やはりテキストに専念すれば良かったのかな,と」
それ後書きだよね。
卒業研究なんだからA4版で15枚は欲しいなぁ。
本文だけでも10枚じゃ,甘いかな?
「。。。。」
そう?とにかく10枚ね。

卒業レポートの指導が一番楽しい^^;。

2011年2月1日火曜日

初めてのぬる

サッカー・アジアカップ決勝戦日本1x0豪州を,試合後インタビューから優勝セレモニーまで見届けたまでは良かったが,
起きてみると,喉痛と頭痛の二重苦。

喉は前日朝からいがらっぽくなっていて,夜にはモノを食べる度に痛みを伴っていたが,
頭痛まで加わると,風邪の前兆か本兆か,と思わざるをえない。
少なくても頭がぼぅーとして動ける状態ではない。

しかし,そこは貧乏性,
仕事こそはしなかったが,日中ほぼ平熱を保っていたため,
床に就く気にもなれず,
居間でブラブラ。
ネットとテレビで前夜の試合結果に関する情報漁り。

夕方には2日!も休んでいるジムに出かけようとしたが,
試しに測った体温が平熱を超えていたのに怖じ気づいて止すことにした。

その代わり,近くの生協で咽頭痛用あるいは喉の消毒用のスプレーとのど飴を求めて服用?
のどぬーるスプレー「EXクール」と銘打っていながら,
メントール分が抑えられているのか,ちっとも爽快感を覚えなかったが,
のどぬーる初体験に気が大きくなったのか,熱が下がらないのに,グダグダ居間生活を続けて,
西村賢太『どうで死ぬ身の裸踊り』(講談社文庫,2009年)の,既に読んだ表題作以外の「墓前生活」と「一夜」。

これではとても静養にならなかったかもしれないが,
ジッとできない性分だから仕方ない^^;。
明朝の始末を期待しよう。