2012年6月28日木曜日

羊頭狗肉か,小さく産んで大きく育てるか。

パートタイム労働者への厚生年金適用拡大は,65歳から受給する年金を厚くする(国民遠近加入では1階の基礎年金部分のみ,厚生年金には報酬比例の2階部分がある)意味でも,保険料を労使折半すると同時に源泉徴収され未納を防ぐという意味でも重要である。

現政権は大幅な適用拡大を目指していたはずであるが,例の増税にまつわる三党合意の中でそのもくろみもしぼんでいった。

パートタイム労働者への厚生年金適用拡大は安倍内閣でも法案化されたが,成立の憂き目を見ずに終わった。
今回の適用拡大もほぼ同じような手順を踏むので,それを元に説明する。

すなわち,週労働時間をフルタイムの4分の3,おおよそ30時間から雇用保険並みの2分の1,おおよそ20時間に下げると同時に,賃金月額で枠をはめる。



現行制度(左図)の青色部分のパートタイム労働者が安倍内閣案(右図)では,雇用見込み期間1年以上,賃金月額9.8万円以上の条件(現行と同じ)および激変緩和措置として従業員300人以上の事務所免除すると,破線枠の10-20万人が適用拡大されることになっていた。

三党合意による適用拡大案は,新聞報道によれば,賃金月額を7.8万円に引き下げる一方,激変緩和措置としては従業員500人以上とする。しかし,これではせいぜい45万人の適用拡大に留まる。

やはり厚生年金適用拡大によって新たに保険料負担が生じる事業主に配慮した結果であろうが,
適用拡大自体は将来のことを考えると切実である。
激変緩和が一時的措置であることを願うばかりである。

袈裟まで憎いか,天の邪鬼

最近はFacebookでツィートしているせいか,長文のブログの更新も滞りがちだ。

今日も3日ぶりにアクセスしてみたところ,
「ご使用のブラウザは Blogger でサポートされなくなりました。Blogger の一部の機能は動作しなくなり、問題が発生する可能性があります。」とエラー表示が出た。

オマケに「問題がある場合は、Google Chrome をお試しください。」とまでアドバイスしてくれるが,

Android用のブラウザとしては,ChromeはVer.4.0向けしかないようだからブックマークを共有できない(exportすれば別だが,自動同期は期待できない)。
FirefoxもWindows版とブックマークを共有できる,自動同期が可能だが,動作が重く感じる。


Android Ver2.3を利用している者にとってOperaが最も自然な選択,と思っていた。

ところが,このブログは対応しなくなった,という。

思うのだが,Google運営のブログだからこそ,Google系Chrome以外のブラウザにも対応する必要があるではないのだろうか。さまなくば他系列のブラウザを排除する意図があるように見えるからである。

このブログがOperaに対応するまでは,Chromeを使う気がしなくなった。


 6月25日 目が覚めてもサッカー欧州選手権準々決勝イタリアxイングランド実況中。延長戦の末イタリアが勝ち残ったが,むしろイングランドの健闘に驚いた。基盤教育「市場と人間の生活」は雇用調整。
 6月26日 「経済原論」は資本主義の歴史性。三段階論の紹介。
 6月27日 「市場と組織」は,安倍内閣時のパータイム労働者への厚生年金適用拡大案を紹介する記事の読み取り。(以下別立て)

2012年6月24日日曜日

二度あることは三度

このところ,自分の考えに進展がなく,書くことにも事欠くが
木曜日に続いて金曜日には献本があった。
大内秀明『ウィリアム・モリスのマルクス主義 アーツ&クラフツ運動の源流』 (平凡社新書)。



学生時代(自分には難しく大学院生になってから),その著書で勉強した先生から寄贈いただき恐縮した。


土曜日,午後早速1,2章を読む。

夕方からKスタ宮城球場でプロ野球ナイター千葉ロッテマリーンズ1x2東北楽天イーグルス。スミ2のまま終盤追い上げられてヒヤヒヤ。何せ4回以降無安打のところへ,8回裏二死から代打に打率1割未満の選手が出てきて,初球内野フライとイライラさせられた。


帰宅してみると,弘前大学の鈴木和雄先生より『接客サービスの労働過程論』(御茶​の水書房)が届いていた。


3日連続では,読む暇どころか,礼状を認める暇もない。

この場を借りて御礼申し上げます。



2012年6月21日木曜日

旋回思考



繰り言になるが,という繰り言の繰り言になるが,
前の仕事が一段落した2月末以来,新たなプランがなかなか定まらず,苦心している。

切り口が定まらない以上,なかなか先に進まない。
『論語』の有名な言葉に
「学んで思わざれば則ち罔し,思うて学ばざれば則ち殆し」がある。
一般的な解釈としては理解しているつもりだが,
構想が定まらない以上,学ぶべきことが決まらず,罔(クラ)いままの生活を送ることは致し方ない。

自宅および近所のドトールコーヒーで何時ものようなああだこうだと旋回思考しているときに
坂口明義さんから訳書が届いた。

現在取り組んでいることとは,分野が全く異なるが,
元々不得手な分野なので,囓るだけでも学ぶ必要がある。


2012年6月20日水曜日

風雲快晴

テレビの枠外情報では小中高校臨時休校、高速道路一部不通、JR仙山線午前中運休。
しかし、台風は既に東北を通り抜け太平洋側に達している。
またイザとなれば、車で一般道を駆ければ良い。

街に出てもせいぜい霧雨。定禅寺通歩道に散乱する長短小枝に歴戦の跡。

バス停ではちょうどお知らせが貼られるところ。
「高速道路、白石—泉間不通のため以下の路線を運休します。
須賀川、郡山、福島」福島交通の社員さんかな。

しかし、山形便は一般道を利用しても所要時間に大きな差はない。
実際高速バスは時間通りにやってきた.
乗ってしまえば、こっちのもの。
後は運転手がどうにかしてくれるだろう。

2012年6月19日火曜日

若い球団

書きかけのままアップが遅くなった日曜日の試合。
余計な講釈を省いてようやくアップ
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球団結成時の経緯が経緯だから,田中まー君(高卒),塩見投手(​昨春大卒),釜田投手(今春高卒)と,新卒ルーキーにおんぶにだ​っこ状態が未だに続いている。



2012年6月15日金曜日

残念でならない

夕方,学外で開かれた編集会議では,衆議院解散に結びつく政局の行方が話題になったが,
政治音痴には政局のことはよくわからない。

それでもマスコミ報道からすると,
消費税増税に伴う与野党,と言っても三党修正協議が急速に進んでいることはわかる。
その後の採択に伴う与党分裂の可能性や,解散総選挙の可能性については正直よくわからない。

問題は「修正」の中身で,最低保障年金の棚上げや後期高齢者医療制度改革,廃止案の撤回などが含まれていることだ。

年金の方は,最低保障年金がよいかどうかは別として,非正規雇用の増大に伴う国民年金未納増大は将来の無年金層を産み出すから,重大な問題である。
解決法の1つは,民主党が提案していた?税方式である。
保険ではないから未加入は原理的になくなるが,
他方で社会保険方式の特徴である保険料労使折半も失われる。

もう1つは,自公民政権が安倍内閣時代に法案化を試みた「パートタイム労働者への厚生年金適用」である。
現在,週の所定労働時間がフルタイム労働者の4分の3以上,概ね30時間という加入基準を雇用保険並みの,フルタイム労働者の3分の1,概ね20時間とするなどだが,
こちらも修正協議の中で,例外措置?が増え,適用拡大されるパートタイム労働者の規模が安倍内閣時の原案並みに縮小されかねないようだ。

また,民主党の後期高齢者医療制度の廃止案は,本欄でたびたび触れたように,
後後期高齢者を現役世代と同じ保険に戻すと行っても「別勘定とする」という後期高齢者医療制度の核心的部分(旧老人保健制度は独自の保険制度ではなかったので「別勘定」はあり得なかった)は残したままで,現役世代の国民健康保険ともども運営単位を広域化する(後期高齢者医療制度と同様都道府県単位)というものだ(そのため財源が曖昧だと都道府県が反発している)。
現制度の本質的相違は後者,運営単位を高齢者,現役ともども広域化する点以外にない訳だから「修正しなくても」合意は難しくないはずである。

ところが,政局の中では「マニフェストの撤回の是非」という視角から与野党修正協議の争点になってしまっている。

残念でならない。

2012年6月12日火曜日

その他大勢を脱するのは難しい

(最近更新頻度が落ちているので,書きかけ,殴り書き?も厭わなくなった)
なぜ県が平成17年度に策定した「仙山交流ビジョン」のうち,外国人観光客に焦点を当てようと思ったかというと

1.国を挙げて観光立国,「ビジット・ジャパン」を謳っているのに,ビジョンにはその叙述が少ない。

2.「地域社会論」の学生レポートを読んでいると,「山形県は外国人観光客の訪問が37位」という記述も何度も見せられた。

3.しかし,統計に当たってみると,外国人観光客が訪れる都道府県は限られることがわかった。

言い換えると,普通にやっていたのでは,この「その他大勢」を脱せられない。



ビジョンは見直して良いのか

肝心な構想は一向に固まらないが,
毎月一回,人文学部と山形県村山総合支庁で共催している「山形仙台圏交流研究会」の開催日,第三水曜日が近づいてきて,今月のテーマを決める必要がある。

同研究会は本年度のテーマとして,平成17年度に策定した「仙山交流ビジョン」の見直しを掲げている。
同ビジョンは未だ10年目の達成年度には達していないが,
既に数年経っており,さまざまな点で見直しが必要となっている。
その中で個人的には「外国人観光客」に焦点を当て。。。。(続く)


6月11日 月曜日,朝一の講義,基盤教育「市場と人間の生活」出公的医療保険を解説した後,今週分の講義資料3件印刷。

2012年6月10日日曜日

多芸に通ず

前回の写真,一昨秋から山形県が売り出した米品種「つや姫」をFacebookにも載せたところ,昔の同僚より
「コメの透明感を出すためですか?黒ずんだ床にばら撒いたのは」
とのコメントを頂いた。

Facebookの良さは出身地や出身校や元,前,現勤務先を登録することで,
連絡の途絶えていた知人と連絡が取れたり,
学業や仕事のつきあいしかなかった知人の趣味,嗜好,思想を知ることができたり点だ。

その元同僚も優れた写真をいくつもアップロードしており,
撮影に趣向を凝らしていることがわかった。

しかし,私は写真の上で前もなければ,アイデアもないので,
米粒を「床にばら撒」くことなど,思いもつかなかった。

食器棚にあったコーヒーカップの受け皿に乗せて撮影したまでである。
ただ,それがたまたま釉薬による貫入が特徴の萩焼だったに過ぎない。

「一芸に秀でる者は多芸に通ず」という。
写真の才能がある者は陶器の技巧をも見逃さなかった,といえよう。

 6月10日 雨が止むまでと思って9時間睡眠。まだ止んでいなかった。
 止んだのを見計らって外出。
 クリスロード・スタバ,吉野家,国分町スタバと漂流して,最後はジムにてコア・ヒーリング。

2012年6月9日土曜日

杵柄を取り出して



一昨日,酒田からの帰り,鶴岡のパーキングエリアで買った,初めての「つや姫」。
米粒が小さく美味。

 6月8日 「経済原論」は3,4年ぶりに市場生産価格論。冬の科目間摺り合わせ会議で地代論を教えて欲しいと注文が出たため。もちろん地代が剰余価値の分配形態であることは毎年説明しているが,その具体的な分配様式はしばらく端折っていた。地代表を説明していると,学生の方は計算ばかり気にするので,「地代とは何か」の説明に止めていた。しかし,地代表を説明するとなると,その前に市場価値を解説しておく必要がある。というのも,どちらも,一言で言えば,同一部門内における,生産条件の相違による超過利潤の処理様式であるからだ。その生産条件が制約された自然条件で,動力としての落流と異なり,立地条件として必ず用いなければならないケースが地代に他ならない。つまり地代表を説くには,市場価値の価格表の説明を教えておく必要がある。どちらもかつての講義スライドがある。「昔取った杵柄」で講義すること訳はない。
「昔の杵柄」から,一部手直しして利用することにした。
 残念なのは中間テストの次の下位とあって,受講生が少なかったことだ。

 サッカーワールドカップ2014年ブラジル大会アジア地区最終予選「日本6x0ヨルダン」は序盤から得点を重ねたため,後半は観戦していても集中力を欠いてしまった。唯一の懸念は,DF吉田麻也選手の負傷くらいか。
 

2012年6月7日木曜日

情報交換

7時過ぎに自宅を出て給油したのち,東北自動車道-山形自動車道-月山山笠ライン(国道112号)-山形自動車道と3時間弱掛けて酒田到着。

山形県立酒田西高校で開かれる進路研究会での学部紹介は午後1時開始なので,それまでファミレス逗留。



昼前になると,ヤンママ数名が集って食事会。
最初はたわいない子どもや旦那のグチ,惚気かと思ったが,
ちょうど後ろの席だったので聞くとはなしに話が聞こえる。
「自分で○○できないとダメなんだって」
保育所なのか,子どもを入園?入学させるための情報交換のようだ。
待機児童はどこでも大きな関心事?



2012年6月6日水曜日

二重の後悔

プロ野球交流戦,ホームでの対阪神タイガース戦は,追いついたあと9回守護神,青山が四球連発に怠慢守備で負け越し,さらに次の有銘投手が四球で押し出すと,9回裏も反撃できずに負けてしまったようだ。

 「観戦に行こうかな」とも思ったが,予告先発が美馬投手と知って,止めておいた。
 
 では,負けて「観戦に行かなくて良かった」かというと,
そういう気持ちもなくはないが,
美馬投手が7回途中まで5安打で金本のホームランによる1失点と好投したのに「名前で判断」したことをファンとして後悔もし,恥じもしている。

 他方で,観戦しなかったもう1つの理由は本業が進んでいないことにある。
 2月末,仕事が一段落して以来,既に3ヶ月以上,あるテーマを追っているが,
なかなか経済原論という枠組みとの接点,切り口が浮かばす,
堂々巡りの検討やあれこれ右往左往して構想が固まっていない。

 そのためこれまで交流戦は,滅多に生観戦できないセ・リーグのチームが相手だから,平日で,も特に忙しいときは除いて,2連戦の内1つくらいは観戦していたが,今シーズンは今までのところ平日観戦していない。

 仕事の要領を得ずせっかくの交流戦を観戦できないというのがもう1つの後悔である。

 6月4日 基盤教育「市場と人間の生活」は新聞記事「基礎年金,保険か税か」(朝日新聞,2008年2月19日付)の読み取り。
 6月5日 「経済原論」はドイツの労働時間に関する取り組みを紹介した,田中洋子さんの「新しい雇用・労働システムを求めて」(『生活経済政策』148,2005)の読み取り。

2012年6月3日日曜日

シナリオ通り

1日の朝日に「東電値上げ「出来レース」か 経産省が事前にシナリオ」という記事が載った。

「経済産業省が、東京電力から家庭向け電気料金の値上げ申請を受ける前の4月に、あらかじめ「9月1日までに値上げ」という日程案をつくっていたことがわかった。」

しかし,具体的なシナリオを特定したのは朝日のスクープであろうが,
値上げ自体は,今回の原発事故の賠償スキームからすれば当たり前のことで,不思議でも何でもないのではないだろうか。


すなわち現在の賠償体制は,東電を清算して国が賠償​するのではなく,東電を存続させて東電に賠償させるスキ​ームなので,「値上げしない」という選択肢は当初からな​かったはずである。

確かに税金も他の電力会社からもお金が出ていくが​,賠償責任は第一義的に東電にある,「限界まで企業努力​しろ」というのが現行スキームだ。
その場合,企業努力には経営者​報酬削減もあれば,社員の賃下げ,原発再開や電力力金引​上げもある。
国が東電に賠償を続けることを求める以上,東電が利益を追求することを拒むことは出来ない相談である。

初めから税金なら精算スキーム=国が​賠償の主体となるべきだった(企業存続を認めるべきではなかった​)。もちろん,その場合も電力事業自体は新会社が続ける。

なぜ精算スキームを選ばず,東電を存続させその東電に賠償させることを選択したのかについては政治的思惑を感じなくはないが,
少なくともスキーム選択の時点で,電気料金の継続的値上げは予想できたはずである。

値上げシナリオは,今回発覚した経産省の4月作成資料にはじめて書かれたのではなく,賠償スキームのなかに発見すべきであったのではなかろうか。

観戦三昧




 6月3日(日)は完オフ。
 朝から大リーグ中継,ヤンキース対タイガース戦,テレビ観戦。黒田投手も好投していたが,失投をHRされてしまった。チームが同点に追いついた後に降板。その後後続が追取られたため,黒田投手には勝ち負け付かず。

 吉野家牛丼並盛り生卵経由で球場に駆けつけると,グローブ片手にスコア付けている後ろの席のお爺さんが
「ダメだ!替えろ。ストレート狙いでストレートに差し込まれてる​」。1回早々4番DHガルシアにダメだし。
 試合は高卒ルーキー釜田が3連敗のチームを,急速は出ていなかったが粘り強い投球で救って2勝目。こちらも今季7度通ってようやく2勝目。

 帰宅後2014年サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会アジア最終予選,日本代表3x0オマーン戦をテレビ観戦。ボール支配が高く,危ない場面もなかった代わりに,前半12分の先制点から後半6分の追加点までイライラ。前半は「慎重に試合運びした」のかもしれないが,実力差があり,かつ相手も守備一辺倒の布陣ではなかったたけに気になるところ。

2012年6月2日土曜日

方位学

耐震工事中の避難先は広い部屋をパテーションで4区分し,全体の入り口にエアコンや換気扇のリモコンが6台もある。

「北東」「南西」と記されていても自分の区画がどちら側かすぐにはわからない。
もちろん,地図を頭に思い浮かべれば,秋田側が北で,仙台側が東,庄内(鶴岡,酒田)が西で,米沢,福島側が南くらいはわかるが,
「北東」からは何のイメージも浮かばない。

そこで,ドアに「北」と表示。赴任20余年,初めて方角を意識した。

 5月末から6月1日 さまざまな科目で学生のコメント入力,回答入力の締切りが重なり,チェックの過半は翌週に繰り越し。