安倍政権は,昨夏の参院選マニフェストでは同控除の維持を公約していたが,
他方で,アベノミクスの成長戦略の1つとして,女性の就労促進を謳っている。
人口減少が予想される中で,女性の就労により,人手不足が経済成長のブレーキとなることを防いだり,
可処分所得の増加による市場の成長が期待されたり,あるいはまた社会保障の担い手拡大が期待されたりする,ということであろう。
その中で,女性の就労の妨げになっているとしばしば指摘されているのが,
社会保険における第3号被保険者の条件である「130万年の壁」であったり,
所得税における配偶者控除(あるいは配偶者勤め先の配偶者手当)の基準となっているなっている「103万円の壁」であったりする。
そこで,最新の「国民生活基礎調査」H25を閲覧してみた。
・末子45歳児以上では働きに出ている母親の方が多数派であること
(3歳児は,会社役員,自営業主,家族従業員,内職等を合算したが「その他」の内訳次第で微妙)
・同2歳児以上では非正規雇用の方が正規雇用よりも多いこと
が分かる。
そもそも90年代に共稼ぎ世帯が片稼ぎ世帯を上回るようになった。
ただ,日本では,出産退社後の再就職は非正規雇用が多い。
図7で,末12歳児までは,正規雇用の比率の方が高いのは,育児休暇を利用して退職せずに済んだ母親が多いからであろう。
そして,末子の年齢別・母親の仕事有無別保育状況を示す図9によれば,
・仕事に就いている母親は,末子0歳時では父母による保育が多いが,1歳時からは認可保育園による保育が6割を超え,多数派であること。
・仕事に就いていない母親の場合には,父母保育と幼稚園保育が2歳児と3歳児で入れ替わること。
前者は育児休暇の間は家庭内保育,同休暇が切れる1歳から保育園保育に切り換えていることを示しているのであろうし,後者は羊地園の入園年齢(3歳の誕生日)を示しているのであろう。
こうしてみると,
・仕事の有無にかかわらず,家庭内保育から施設保育に切り換えるのが一般的である。
・その切換年齢は,母親が有業者の場合には育児休暇の年限,無業者の場合は幼稚園の入園年齢に規定されている。
では,待機児童問題もあり,育児休暇を長くすれば,保育所利用の年齢が延びるか,とも言えそうだが,
他方で,育児休暇が長いと,正社員としての復職の可能性が低下して,女性ないし夫婦にとっての出産のリスクが高まることになりかねない。
出産のリスクとは,具体的には,出産を機に職を離れざるを得ないとか,再就職しても正社員になりにくいということである。
その背景には,一時的であれ,職場離脱に厳しい慣習がある。
本人のキャリアを途切れさせず,企業にとっても教育投資をムダにしないためには,
状況により働き方を柔軟に選べる体制づくりが必要であろう。
現在は利殖したら復職は非正規雇用しかないと
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