8月30日(土) 夕方,山田太一のエッセイ『
月日の残像』(新潮社,2013年)を買い,夜寝る前に3分の1,残りを翌日夜読んだ。
前日,同書が小林秀雄賞を授賞したとのネットニュースに触れ,早速,淳久堂のHPで店舗取り置きを指定しておいたのだ。
月日の残像,高校時代,疎開時代,松竹の助手,助監督時代の思い出が,それ自体が原典の引用だったりする,学生時代からの読書ノートを引用しつつ,語られる。
シナリオ同様に,基本的に抑制の効いた文体で。
多くのことは既に戦陣によって書物で語られる,という控えめなスタンスで。
それでいて読ませるのは,
高校時代,するめを囓り囓り父親の晩酌の相手をした場面,
同じく高校時代,継母から父への不満を聞かされた場面,
後に東横線車中で父と離縁した継母を間近に見かけたものの遂に視線を合わせて貰えなかった場面等々
残像を一コマ一コマ映し出すシナリオ的手法なのだろうか
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