2010年7月16日金曜日

潮流が変化したのか潮流に流されたのか

サッカー観戦に忙しかったのか,
学期末の諸作業に忙殺されていたのか,
本ブログの更新が間延びし,
それに比例して,文章が長くなったので,手短に書こう。

毎年前期教養セミナー「格差を考える」を開いている。
受講生の反応が様変わりして驚いた。

昨年度までは格差是正のため所得税の累進性再強化という話が出ると反対論が多かった。
「競争力を削ぐ」という理由からである(経済学では効率と公正が永遠のテーマ)。
ところが,今年度は格差是正策としてのベーシック・インカムの財源を論じた件では,所得税率支持が圧倒的に多かった。

これは効率重視から効率重視に潮流が変わったのか?

テキストを替えたこともある。橘木俊詔『格差社会』(岩波新書)から山森亮『ベーシック・インカム入門』(光文社新書)へと。
しかし,どちらも公正重視派である。

ここで考慮すべきはその2日後に参議院選挙を控えていたことである。
1年生主体なので未成年の方が多いはずだが,
連日連夜の報道を通じて消費税に関する報道が喧しかった。
「次の総選挙まで増税しない」という前首相の発言とともに,与党内でも増税の時期や緩和措置等について十分検討されたわけではないことが盛んに報道されていた。

効率から公正へ潮流が変化したのか,潮流に飲み込まれ流されたのか,
容易には判断できないところである。

 7月16日 「経済原論」は管理通貨体制。国家が以前よりも積極的に経済過程に介入し景気対策,福祉政策を遂行するために金本位制度から管理通貨制度に転換した,ということで,新聞記事 「ベーシックインカム論、熱気」(朝日新聞,2010年5月8日付)をを読み取りの課題に出した。「地域社会論」の地域づくり論を担当していただいたI氏より,学生の感想・質問への回答が届いたので,12ページに及ぶ回答をpdfファイル化し,Blackboardにアップロード。教養セミナー「格差を考える」は『ベーシック・インカム入門』最終章。期末レポートを課し次週を自習時間とした。「経済原論演習」は翌日の第18回三大学合同ゼミの設営等,準備に当てた。懇親会の設定もゼミ生に任せていたところ「参加費、懇親会費込みで二千円です」。大学生協恐るべし!

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