3月末ブックオフで下巻を買ったきりにしていた宮尾登美子『きのね』。正月休みの直前,アマゾンで中古本の上巻を取り寄せた。
えびさまに仕えた女の一生記。
傾いた実家の食い扶持減らしすために女中奉公に出た先は歌舞伎と踊りの家元。
やがて若旦那の新婚家庭付きになると,そのまま終生,生活を共にすることになった。
癇癪持ちの若旦那の家庭はすぐに崩壊し,外に女を囲い子どもを作るが,
宗家市川家に養子入りすると,役も付き,美貌と相まって人気を博する(「えびさま」)。
主人公は疎開先や結核療養先にもついて行き一男一女をもうけるが,しばらく世間には伏されていた。
入籍するも,えびさまは11代團十郎襲名3年半で急死。
本人も再発した結核で入退院を繰り返し,長男,後の12代團十郎の行く末を案じつつ,10年後に後を追うように亡くなった。
しっかりとしたストリー展開と人物描写で小説を満喫できたが,その一生,900頁に丸一日掛かりグッタリ。
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