鳩山政権の支持率凋落が著しい。
「政治とカネ」の問題では説明不足が続いていると受け止められている上,
高速道路無料化問題でも普天間基地問題でも首相のリーダーシップが見られないばかりか,首相自身の発言が迷走を極めているように思われるからであろう。
他方,これまでの供給サイド重視から需要サイド重視に力点を移していた政権の経済政策,戦略は,個別施策としてみれば,財政支出の増大,いわゆるバラマキが多く,「マクロ的視点を欠く」との批判が総選挙前から寄せられていた。
その意味では景気浮揚や長期的な経済成長にどのように結ぶつけようとするのか,という批判的検討が加えられて当然である。
しかし,今日,2010年5月17日付の日本経済新聞,経済教室欄の鈴木亘学習院大学教授「『社会保障で成長』は誤り」による批評は少し筆が走りすぎているように思われる。
いくつか検討すべき点はあるが,レトリックに走りすぎていると思われる最たるもののは,「ポイント」にも挙げられている「民主党の政策,一時的『財政政策』にすぎず」という点である。
要は医療費や介護費の増大による成長という主張に対して,医療保険の4割,介護保険の6割は公費負担(税の投入,残りが保険収入)という事実を挙げて,「つまり,日本の医療・介護産業は,....自律的な成長が期待できる分野ではない」「これは成長戦略というより,一時的な財政政策と見るべきである」と指摘している。
しかし,鈴木氏が半分も公費負担であることを指摘している年金給付と同様,公費負担が半分近い医療保険や介護保険も,毎年支出される点に変わりない。つまり,公費負担の大きさは,景気回復ともに縮小される,定額給付金のような景気対策とは異なって恒久的措置であって「一時的財政政策」というのはミスリーディングであろう。ましてや公的保険制度が敷かれている「医療・介護産業は,....自律的な成長が期待できる分野ではない」との指摘は大学生にも理解できない言説,レトリックにならない戯れ言である。
一層おかしいのは末尾に示された結論である。
すなわち「負担を引き上げるか,社会保障費の大盤振る舞いを止めるか,どちらかの責任ある選択をすべきである」と結論を示している。
しかし,社会保障費約90兆円のうち,民主党が主張するこども手当でも4.5兆円にすぎない。言い換えると,社会保障費の大半は,政権交代に係わりになく,使途が決まっていることである。これを「大盤振る舞い」として,鳩山政権に社会保障費抑制か負担増を迫るのはお門違いも甚だしいと言えよう。
鈴木氏の指摘には,高齢者の予備的貯蓄がおも割れるほど多くはない等,実態調査に基づく貴重な指摘も見られるが,少し自身の結論に引きずられ過ぎてているように思われる。
5月16日 マンション管理組合新理事会の初会合。といっても,ほとんどがマンション管理会社の方の説明を受ける形。来月末防災訓練決定。その後,外出。
5月17日 TV中継でプロ野球交流戦阪神タイガース3x7東北楽天イーグルス。足も使わず,不振な打撃陣にただ打たせているだけのイーグルスに負けるとはヨソの球団の窮状が窺い知れた^^;。2日間10時間睡眠続くが,それでもまだ眠い。
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