2011年3月23日水曜日

お辞儀

都市ガスが復旧していないのでお風呂に入れない。
そもそも通っていたスポーツジムにはお風呂がなかったので,シャワーで済ませていた。
自宅で入ったのは3週間近く前だ。

そのままでは不潔なので時々水しかでないシャワーを浴びたり,
洗面台で頭を洗っていた。

母は寝る前電気ポットで沸かしたお湯の残りで身体を拭いていたようだが,
やはり風呂に入りたい,という。

先週末,秋保温泉の,昨年末利用した旅館が「日帰り入浴」のみ営業を再開したことがわかった。
問い合わせたところ,先着400名に限り受け容れる,という。

週末,休日は込むのがわかっていたので,連休明けの22日,訪れてみた。
11時より開始で11時半到着では遅すぎたかな,と思ったが,
平日なので待つことなく入浴できた。

入ってみて戸惑ったのは湯船にお湯が6割くらいしか入っていなかったこと。
秋保地方はまだ水道が復活していないそうで,
シャワー,上水道が利用できないことは告知されていたが,
みなが湯船から温泉のお湯をすくって身体を洗うので,
湯船には温泉のお湯が滝の如く降り注いたものの,
水位が上がるには至らなかった。

普段は湯船に浸かっては出てまた浸かる,を繰り返し,温泉を満喫する質だが,
お湯の量が少ないと「温泉に浸かった」という感慨が湧かず,
また自宅のお風呂のような落ち着きも得られず,
銭湯に入ったかのように,身体を洗って再度湯船に浸かっただけで退場してしまった。

他方,女湯はお湯がたっぷり注がれていたようで,
母はゆっくり入浴し,
帰り際には従業員一人一人に「有り難うございました」「いい湯でした」とお辞儀していた。

行儀の良さは生まれよりも温泉の水位に規定されているのかもしれない。

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