避難所で過ごされる方はまだまだ辛い生活を送られているだろうが,
自宅で過ごしている者にとっては,状況は徐々に改善しつつある。
地区によって状況は異なるが,
自宅近辺では,地震翌々日,日曜日の夜には電気が普及してポンプが汲み上げる水道も出るようになった。
火曜日から東北各地への都市間バスが運行を再開した。
湾岸部の製造工場が全壊した都市ガスの復旧にはなお1ヶ月程度掛かると公表されているため,
風呂を沸かすのは難しいが,それ以外では自宅で日常生活を送っているように見える。
ただ,食卓に並ぶ食事は乏しく,かと言って外食もままならない。
というのも,食料の入手が難しく,ガソリン不足のため外出もままならないからだ。
自宅の被害は大小あっても,避難所に移らなければならない程ではなければ,
救援物資を受ける立場にはない。
「物資は自己調達」を強いられているだが,そもそも小売店の棚はすでにほとんど商品がない。
高速道路が分断され,商品の補給が進まないので,「ある物を売る」しかないからだ。長蛇の列に並んでようやくワゴンの中の特定の商品か,一定の品数の商品を購入しているにすぎない。
ガソリンの補給もままならないから通勤も容易ではない。
勢い買い出しに出る以外は自宅に籠もり,乏しい食材で遣り繰りするしかない。(調理には卓上コンロや電磁調理器をもちいているようだ)
まさに「兵糧攻め」に遭っている気分であった。
しかし,木曜日くらいから少し少し状況が変わってきた。
特定の商品しか売らない,選ぶ余地の乏しいワゴンセールスよりも,客を店内に入れ点数ないし所要時間を絞った上で商品を選ばせるスーパーが増えた。また購入可能な品数を増やすようになった。
また,都市間バスは高速道路を利用できるようになった。
高速道路を利用できる車両の規制「緊急交通路」が緩み,
支援物資輸送車両のみならず,都市間バス,日用雑貨搬送トラック,タンクローリーも高速道路を利用できるようになったからだ。
小売店の商品補給,すなわち仕入れを遮っていた運送車両の規制が緩められたため,
商品やガソリンが業者には徐々に行き渡り,
小売店舗が販売する商品の種類が増えたり,客が購入できる品数が増えた。
中心街ではメニュー限定ながら開店する飲食店がポツポツ現れだした。
地震が発生して1週間目の18日,金曜日には遂に家電量販店,ヨドバシカメラとヤマダ電機が営業を再開した。
依然としてガスが使えない,大型小売店には2時間程度の行列が必要などの制約はあるものの,
食料品購入のみと見通しがつき,
兵糧ゼミをしかけてきた敵陣の囲いが徐々に遠のいていきつつある予感がする。
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