2016年12月31日土曜日

期限につき

 例によって,教職員親交会配付の映画チケット,期限当日になって利用。
 12月31日 昼前,ドトールコーヒーからフォーラムへ直行。クロアチア映画『灼熱

近くのガストで昼食後,ノート。
2枚目のチケットで,日本統治下の台湾で生まれ育ち戦後帰国した日本人の望郷ドキュメンタリー『湾生回家』17時から。

図らずも2作とも戦争が絡んでいた。
ただ片方は戦争で引き裂かれたものは容易に埋めることができないが,
他方は,引き裂かれてもなお否定できず望郷の思いは残っていた。
良い思い出に越したことはないが,
傷の癒えない思い出こそ惨事を繰り返さないために伝え継ぐべきであろう。


御用納め

 半月更新が滞った。
12月23日-25日の三連休も自宅,ドトールコーヒー,ジムの三角運動で成果も乏しかった,ということだ。
それでも28日の御用納めを無事迎えることができた。

12月20日 大学院ゼミ。

12月28日中庭
12月21日 教授会,続いて教職員親交会主催の忘年会。

12月22日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は生活保護。レスポンスカードを読むと,水際作戦や捕捉率の低さへの憤りを示すものもある一方,不正受給は額としては全体の0.5%以下とはいえ「173億円はすごく多すぎる気がする」と率直な感想を述べるものもあった。社会保障の自然増は1年で数億円に上るということは高騰で紹介しているが,プリントに記されている200億円弱という具体的数字には見過ごしにできない,ということになるのであろう。東北学院大学「政治経済学」は給付と訓練と題して,米TANF,独ハルツ改革,日本の求職者支援制度など,いわゆるワークフェアの流れを紹介。

12月26日 夕刻より学長とのワークライフバランス懇談会。テーマは介護。母親は高齢だが,まだ要支援1段階なので,仕事の調整が必要なわけではなく,経験者の話が参考になった,

12月27日 東北学院大学は木曜日授業の日。「政治経済学」は所得補償と題して,負の所得税,給付型税額控除EITC,ベーシック・インカムを紹介。

12月28日 御用納めも雪かきご苦労様です。
12月28日正門から

2016年12月19日月曜日

脇に置いて

 12月14日 山形中央高校で出前講義「年金の話」。
 年金をめぐるさまざまな問題を仕組み,制度に則して解説。要は,年金の理念・制度と,その後の社会の変化,女性の社会進出,就業者における自営業の比率低下と雇用者の増加,雇用者における非正規雇用の増大とがミスマッチを起こしている,その社会の変化を見て貰いたかったわけだが,その前の仕組みの解説が長く,さすがに高校1年生には迂遠な話に聞こえたかも知れない。
 しかし,大学の授業でも毎回行なっている択一式の確認問題は,選択肢一つ一つについてほぼ全員を指名し正誤を答えてみて貰ったところ,正解率が高かった。
 仕組みだけでも伝わった,ということであろう。

 12月15日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は雇用保険,東北学院大学「政治経済学」は生活保護。 

 12月16日 「 基盤教育 」教養セミナーは格差対策の後半。レポーターの立てた議題は,1つはテキストで逆進性が高いと記されていた国民年金の負担問題,保険料負担,税負担どちらを増やすべきか否か。もう1つは日本はアメリカ型の小さい政府を目指すべきか,ヨーロッパ型の大きい政府を目指すべきか。意外に大きな政府支持が多かった。「意外に」というのは,普段,機会の平等と結果の平等では後者よりも前者という学生が少なくはなかったからだ。なぜ大きな政府か,日本は「和の精神を重んじるから」。思わずなるほど,と頷いてしまった。
 しかし,専門の学生なら,第1の問題は,テキスト以降,基礎年金の税負担が引き上げあれていること,その後も同様にすべきか,あるいはそもそも保険方式か,税方式かを調べた上で議論して欲しいところだ。
 第2の問題も,今現在,国の予算で社会保障費が一般歳出の6割近くを占めていることを踏まえた上で,「小さな政府」「大きな政府」それぞれ社会保障を以下に運営するかを議論して欲しいところだ。
 しかし,さまざまな学部の1年生が参加する教養セミナーではそんな細かなことは脇に置いて,所得の再分配について普段の生活の実感やニュースで得た意識からまず疑問や意見を交えるのがよいのであろう。こちらも制度の情報,実態などは,最後の講評で一言解説するに止めている。
 12月18日 東京は神田,某大学にて学会関連の仕事。

2016年12月13日火曜日

直感的読後感

 この間,加藤栄一「20世紀福祉国家の形成と解体」を読み返していた。
(初出は加藤栄一ほか『資本主義はどこに行くのか―二十世紀資本主義の終焉』第2章(東京大学出版会,2004),亡くなられた後に加藤栄一『現代資本主義と福祉国家』(ミネルヴァ書房,2006)の第9章に収められている。)

宮城学院女子大学「経済社会特論」や東北学院大学「政治経済学」で,最近の積極的労働市場政策,あるいはワークフェアをポスト福祉国家のセーフティ・ネットとして解説していたが,その位置づけが薄い,浅い,と感じていたからだ。
教養教育科目の場合は,話を簡単にせざるを得ないが,福祉国家の解説がスライド1,2枚に留まっていたので,改めて福祉国家の形成とその展開,さらに「解体」について学び直してみた。

故加藤氏は,宇野弘蔵の段階論を組み替えた論者としてつとに有名だ。
後者の場合,主要な資本形式の利害を反映した限りでの「経済政策」によって,資本主義の発展段階を画していたのに対して,加藤氏の立論では,経済政策の主要内容を通商政策から社会政策にシフトさせていることもあり,各発展段階を規定する経済政策は必ずしもその時代の主要な資本形式の利害を忠実に反映しているわけではない。経済政策を規定する要因も複合的であれば,発展段階を規定する要因も複合的とされている。

しかし,改めて読み返してみて,
加藤氏の福祉国家は,宇野の現代資本主義と同様,社会主義体制を規定要因としている。
そのため,社会主義体制崩壊後は「解体」としてしか位置づけようがなくなっているのではないか,という感想,未だ直感的に過ぎないが感想を得た。

12月8日 「経済社会特論」は雇用調整,「政治経済学」は雇用保険。
12月9日 「 基盤教育 」教養セミナーはいよいよ格差対策。レポーターは,ニート・フリーター対策,奨学金問題を議論点に挙げていた。経済原論演習は派遣法改正。

12月12日早朝。校舎から正門とそのずっと先の市街地。。

2016年12月4日日曜日

すでに31回

 12月30日 朝,かかりつけの歯科にて3ヶ月毎の歯垢除去。
 午後は,東北学院大学土樋キャンパスにて「三大学合同ゼミ」。第31回のテーマは菊地登志子先生のゼミ「"農"について考えてみませんか?」。第1ラウンドは,慣行栽培,有機栽培,自然栽培,工場栽培を比較して食の安全を考える。第2ラウンドは,有機栽培,自然栽培を活用した地元の取組みの紹介とその持続可能性。

最後に教師による講評。「第1ラウンドで,プレゼンターの推す自然農法以外の問題がよく伝わらなかったのではないか。完全な安全など内以上,程度問題に過ぎない。通常の慣行農法で差し迫った危険が無ければ,価格を考慮して選ぶ。つまり今まで通りだ。そのため,第2ラウンドの意義がよく伝わらなかったのではないか」

 終了後,広瀬通の銀座ライオンに場所を移して懇親会。
 アルコールに強くなく,赤くなった顔でテーブルを回り,各ゼミが普段どのようなテーマを扱っているか,なぜそのゼミを選んだのか聞いてみた。「学生がテーマを選べる」「ゼミに属してからテーマを探せる」が多かったように思う。

難しい盛り上がり

 12月1日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は,前週の公的医療保険の解説を承けて,後期高齢者医療保険の解説と新聞記事の読み取り。前週の国民健康保険,国保の財政問題の解説では,問題が保険料未納ばかりにあるような印象を与えたかも知れないので,今回は老人医療問題を解説した。ただ,仕組みに即した解説なので「難しい」となる。結局,問題の所在は,高齢化≒医療費高騰と所得の伸びない中での医療費負担の両面あり,前者は老人医療費をどう抑えるかという技術的問題なので,勢い,後者,現役世代の保険による老人医療費の分担問題「財政調整」という制度設計の問題になる。しかし,これを伝えるのが,自分の力量では難しい。
 午後の東北学院大学「政治経済学」は,前週の人的資本理論解説を承けて,知的熟練論。また,賃金の話が一区切りしたので,穴埋め式小テストの予告。こちらも学生の感想はやはり「難しい」。知的熟練論は人的資本理論を現実の場に適用したモデルなのでが,モデルにリアリティを感じないのか,理屈自体が難しいのか。

 12月2日 教養セミナー「格差を考える」。レポーターの設定した議題は,1.階層の固定化に賛成か、反対か。反対とすれば、対策は,2.格差への対応は上下縮小か貧困解消か。前者の賛否は一致して対論にならないし,後者は違いがイメージしにくかったようだ。「盛り上がった」というコメントがあった反面,「議論に深みがなかった」。
 「経済原論演習」は有期解約の雇い止め問題。とは言え,テキストは毎度ながら法律改正の舞台裏のような話。民間と公務員での違いが不公正など。こちらはレスポンスカードを配布回収していないが,盛り上がりに欠いたような。

2016年11月29日火曜日

月末の一日

 11月25日 教養セミナー「格差を考える」では,効率性と公平性がトレードオフか,が議論された。
 しかし,抽象的に考えると,それぞれの考え方の対置になっていまう。具体的な政策の問題として考えてみたい。
 労働法改革に関する本を扱っている「経済原論演習」は年次有給休暇。なぜ長時間労働が是正されないか,レポーターから議論点が設定され,古い世代の価値観,キャリア官僚の世間知らず,国民の考え方と分かれた。ここでも個人の見方をぶつけるだけではもったいない。テキストの扱う法令は多く,一つ一つは難しいが,具体的な法案を審議段階から追い,さまざまな立場の見解をフォローしたり,あるいは広くグローバス資本主義など国際的な流れから法案を捉え返したりする必要があろう。

 週末は,いつものように?,自宅,ドトールコーヒー,ジムの三角運動。
 現在のテーマを追うことから少し離れ,秋の学会報告の原稿を手直しししていた。

2016年11月22日火曜日

身につまされる

 昨21日,読売文化欄はティム・ヒッチンズ駐日英国大使「間の美学にほれ込んで」。全国版では夕刊かも知れない。

 離日に際して寄せた一文で若き日の日本体験から振り返っている。
「21歳で遠藤周作の『沈黙』を読み、すっかり魅了された。英語では、平安を意味する「静けさ」と、求められる音の欠如を意味する「沈黙」は、ともに「silence」で、区別はない」。

 普段気付かない,日本文化の特長。 
 我が身を振り返って,講義でも論文でも詰め込みすぎだと,身につまされる。
 

まだ先は

 更新が遅れた。 
 ある論者の著書(の一部)を読み返してはノート。ノートを読み返しては朱入れ,時に著書に戻ってチェック,を繰り返している。
 実はこの作業,9月末の学会報告移行,あるいはそれ以前からずっと続けている。
 途中,「これで一篇の論文くらい書けるかな」と思ったこともあるが,考察の浅深,視角の広狭という点で満足できない。そのうち,論点が広がり。。。

ということで,先はまだ見えない。


11月17日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は年金記事「(08政権選択にっぽんの争点)基礎年金保険か税か」(朝日2008年2月19日付け)の読み取り。
 その前の週に,日本の年金制度の仕組みと問題点を解説した上での読み取りだったが,レスポンスカードを読む限り,学生には難しかったようだ。未納問題,財政問題,女性の年金問題と,関連する問題を組み込みすぎたせいか。
 午後は,東北学院大学「政治経済学II」は成果主義人事制度。こちらも難しかったようだ。前の回,祝日と特別選抜を挟んだので9月末だ,戦後の日本の賃金制度を生活給から,職務給の導入と挫折,職能給の普及と問題点と解説した上で,この日は90年代末に流行った成果主義人事制度を富士通を例に,その背景や仕組み,問題点と制度改正を解説したが,1回では盛りだくさんだったかな。

11月18日 教養セミナー「格差を考える」はテキスト第3章後半。地方格差,女性の就労。このうち地方格差は,学生がそれぞれ出身地の企業誘致の例や兼業農家の例を持ち出していた。後者は後者で,女子学生に限らず,切実な問題であると言うことが伺えた。
 「経済原論演習」は,前回の補足として,労働時間法制に関する判例を須田君に報告して貰った。労働時間問題は,最近某一流企業の若手社員自殺がニュースになっていたこともあるが,就職を前に長時間労働など,働き方に関心を抱かずにはおけない四年生が選んだ後期のテーマが最近の労働法制の動きだった。

2016年11月10日木曜日

定かではない

しばらく,ある論者の著作を追っていると,今まで見落としたことに気付く。
今まで理解していたつもりでも,より広い構造のなかで述べられている。
原著者により接近したことになる。

それは良いのだが,
細かく論理を追っていると,当初,その著作を読み返そうとしていた意図,目論見を忘れそうになる。
新たにホッくつしたことを再び埋め直して,大枠を見ることも重要だ。

他者の論文を読み返していると,論点の広がりもにも気付く。
今まで論文の主題とは考えていなかった領域にも係わりがあることが明らかになる。
自分は主題として考えたことはないが,著者が関係づけている以上,自分の考えが問われるからだ。

具体的には,労働過程,生産過程の違いなどを考えていると,搾取論,蓄積論との関係も隣接領域として意識せざるを得ない。
今までも避けてきたわけではないが,今後は避けて通れないようだ。

但し,まだ論者の考えを追っているだけで
いつ論文になるのはいつか,定かではない。

浅い冬

新山釣り堀辺り

昨日は予報通り雪が降ったようだが,直ぐに止み帰りは雨だった。今日は,宮城学院女子大学での講義後,会議出席のため,久しぶりにクルマで県境の山越えをするので期待していた。しかし,雪は道の外にポツポツ残るだけで傍らは深緑の山々。冬はまだ浅かった(16/11/10)。
馬見ヶ崎川上流

2016年11月2日水曜日

風邪の予兆

 11月1日 留学生から風邪による体調不良で大学院授業欠席の連絡を受け取った昼前辺りから,頭痛が始まった。
 こめかみの辺りがズキンズキン。
 午後は,大学院授業の時間が空いたものの,臨時教育委員会,教職免許課程ミーティングと立て続けに会議。頭痛が治まらない。
 平熱ではあったが,明らかに風邪の予兆あるいは前期症状と思われたので, ジムには寄らずに自宅直帰,静養に努めた。

ハローウィン前日の30日,住宅街のフェでも

2016年11月1日火曜日

ずっと手前で


 9月半ばの学会報告以来,あるいはその前から方向性に悩んでいた。

 生産的労働をテーマとした博論や自著の発表を踏まえて,
その活用を原論並びに現状分析という広い範囲で行なうか
さらに深堀して,原論内の隣接する諸テーマに範囲を広げるか。

 当初は,全社の大きく展開論だったが,時間が経つにつれ,後者に傾いてきた。
 要は,ことはそう簡単ではない,ということだ。

 学問研究である以上,テーマに関する過去及び現在の学問状況を丹念に調べ,自分にとっての確かなことから未だ不確かなことの回名へと進めざるを得ない。

 これまで扱ったのが,労働と生産の狭間,生産と消費の狭間,あるいは関連移動ということなので,次は,例えば,生産力(生産性追求の試み),流通,蓄積となる。
といっても,単に隣接領域に手を伸ばすではなく,これまで労働に関して得た知見を基にアプローチすることになる。

 実際,この間,行なってきたことは正にお勉強だ。
 まずある論者の生産と労働に関する論稿を読み返し,その蓄積論への展開をノート取りしていた。
 もちろん1人の論者の見解を追うだけでは勉強とは言えないが,これだけでも未だ終わっていない。

 実際にやれる範囲は狭いにも関わらず,先は長い,ということだ。
 ブログにいう「第三原論」の,ずっと手前で佇んでいる感じだ。
 

フィールドワークに帯同

10月29日土曜日,県からの受託事業「地域課題解決実践活動モデル事業」の一環として,べに花の里高瀬と山寺に2度目のフィールドワーク。(主体は学生なので就いていっただけだ)

今年度のテーマは隣接する両地区を結ぶルートに仙台から観光客を呼び込むこと。

学生は仙山線,高速道路,二口街道の3ルートを分担。

事前に学習会を重ねたものの,実際に足を運んでみると,目論見の甘さが露わになり,構想自体の練り直しが必要になったチームも。

来月も現地調査に赴き,12月から具体策の作成に入る予定。



2016年10月23日日曜日

暖かく再び寒く

(講義の授業は限られているとは言え,平日は授業準備と会議で忙殺され,更新が途絶えた)
 10月16日 学会2日目。日曜日は大学生協が休みなので,昼休み,弁当求めてJR駅横のコンビニまで往復。木曜日まで冷えkんで居たが,週末は暖かいのどかな転向だった。18時台始めの新幹線で帰る。
 10月18日 職組支部昼食会。財政的理由により弁当代実費^^;。大学院ゼミ,DTP拡大運営委。
 10月19日 臨時教育委員会。教授会。
 10月20日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は名ばかり管理職,東北学院大学「政治経済学」は査定。
10月21日 「経済原論演習」は学生が選んだ新テキスト開始。
 前の週の冷え込みが緩んで,むしろ暖かくなったと思っていたが,帰りのバスで,再び冷え込んでいることにようやく気付いた。









2016年10月17日月曜日

産むが易し


 10月15日 朝一番で経済理論学会第64回大会の分科会報告。
 報告要旨と本文は1ヶ月前に提出していたが,準備万端というわけではなかった。

 この間,関連はするが別のことを調べていたこともあるし,
関連する点では迷っていたこともあり,
準備は思うようには進まなかった。

 そもそも自著以降の展開と意気込んで報告希望を出したのに,自著の要約みたいになって気持ちが上手く乗らなかった。
 他方で,6月西南部会の報告に際し,恩師からは全国学会の前にある方の論文に目を通しておいた方が良い,とアドバイスを受けたものの,十分時間を割いて調べてられなかった。一読する限り,それほど関連がある,テーマとして噛み合うとは思えなかったからだ。

 そのため,関連する問題がいろいろあり,勉強すべきことはいくとも想定できるが,実際に勉強したのは自分の関心あるテーマ,論者ばかり,という悪弊がここでも顔を出したのだ。

 当日は早朝の新幹線で福島に着き,駅スタバで準備をしていたが,最終チェックした程度だった。

 それでも,無事報告を終えられたのは,コーティネーターで,報告のコメンテーターも勤めて下さったS先生のお陰だ。
 1週間以上前に論点別に整理されたコメント文書を送って下さったので,質問にどう答えるか,整理して臨むことができた。
 そのコメントの中には本質的な問題を含む問題もあり,今後も検討する必要はあるが,つつがなく学会報告を済ますことができた。S先生には感謝に堪えない。







2016年10月13日木曜日

この間

配偶者控除見直し問題については,
10月7日付け日本経済新聞に生活情報部次長による「『女性活躍』はウソですか 配偶者控除廃止見送り」という著名記事が出た。

10月15日16日,福島大学で開かれる経済理論学会第64回全国大会の報告については,
コメンテーターをお願いしていたS先生よりコメント票が事前に届いたので,
質問への回答を作成して返送した。
後期は担当授業が少ないとは言え,学期が始まってしまうと,その準備に追われるため,
8日土曜日からの3連休は専らリプライの作成で終わった。
例によって近所のドトールコーヒーに語前後,午後,夜と3往復し,合間にジムで汗を流す,の連続だった。

リプライを作成し終えると,今度は,報告自体の準備。
といっても報告本文と用紙は9月初めに提出しているので,作りかけの報告スライドの編集が主だ。

夏までは,報告の内容(本文)について,また報告内容(スライド)について,あれこれ勉強すべき点をリストアップしていたもの,実際には時間とCPUの制約により,戦線を縮小させていった。

しかし,丁寧に読んで頂いたコメンテーターの先生や,少数であろうが,分科会に来て下さる方のために,残された時間で報告内容を見直し,工夫を施す必要がある。
一番の問題は未だ詰め切れていない箇所の錬磨だが,これは時間との勝負だ。

2016年10月5日水曜日

再分配の壁

 10月5日の朝日新聞に「配偶者控除見直し,誤算 財務省案,与党から逆風 「壁」引き上げ模索へ」という記事が載っていた。

 財務省は2013年頃から配偶者控除の見直しにより「税負担の累進性を高めることで,低所得層の負担軽減を図る」(昨年11月の政府税調による論点整理)ことを検討してきた。

 「103万円の壁」といわれている配偶者控除を夫婦控除に代え,女性の就労を促す。
 「所得控除」である配偶者控除を「税額控除」に代え,所得再分配機能を高める。
 配偶者控除の夫婦控除への代替では税収を減らさないように控除対象者を絞る。

 しかし,高所得者を中心に負担増となることについて与党から反発の声が出た。
 来夏の都議選への懸もある。
 記事では,有力与党や官房長官の慎重姿勢に,「永田町では年明けの衆院解散・総選挙の見方まで出て,慎重論が広がる」という。

 そこで,政府は来年度税制改正では,基礎控除額を増やし壁を103万円から引き上げるなどして所得税の「壁」を103万円から引き上げる案を中心にする,その際,増税世帯への負担を増やしすぎないよう配慮する。(103万円とは,給与所得控除額,最低65万円と基礎控除38万円の合計なので,後者が引き上げられると壁も上にシフトする)
 
 記事は「その分,改革は小粒になる。..政府税調の委員の1人は『再分配を高める貴重なチャンスだった。働き方改革だけで進めてしまうと,議論が広がらない』と話す」と結んでいる。

 確かに保守党の中には,女性の社会進出に抵抗を抱く向きもある。
 しかし,報道の限りでは,与党・政府内の抵抗は働き方改革に対してではない。再分配を高めることに対してである。

 焦点をぼかすようでは小粒の解説であろう。

高校訪問



10月4日 仙台青陵中等教育学校と仙台二高を訪問し,進路志望状況等について聴き取り。

その内容は明かせないが,
市立中高一貫校と県随一の進学校としてそれぞれ特徴があり,参考になった。

2016年10月3日月曜日

複雑な気持ち

 10月2日 別に松坂登板の噂につられたわけではなく,ホーム最終戦とあって,およそ半月ぶり?に球場に駆けつけた。

試合は則本とバンデンハークの投手戦だったが,こちらとしては工夫のない,淡泊な攻めに見えた。

8回裏,噂通り登場したときは,ちょうど横の席と前の席にいたソフトバンクガールが黄色い声援。


元西武の同僚,松井稼頭央が3年目にバッターボックスに入ったときはこちらの方が感傷に浸った。

 しかし,初球,足下に四球でそれもすぐ覚めた。
記録によると,
四球,死球x2,四球,遊ゴロ,右安x2,中安,空三x2で5失点。

 イーグルスに戻ると,
 シーズン入場者数は過去最高となった。
 喜ばしい限りだが,終盤,9月の試合にはは機が感じられなかった。

 もとより毎試合勝てるわけではない。特に戦力が薄いチームは。
 その意味で,たとえ負けても楽しめる球場であって欲しいが,
 勝敗が絡む試合の内容に関係なくなればエキシビションになってしまう。

 試合内容で盛り上げてほしいものだ。

 かつての日本のエース松坂の投球内容と,観客数の過去最高記録更新には複雑な気持ちになった。

2016年9月30日金曜日

ダブルスクール

雨模様が半月続いている。
木曜日は前期から雨が多かったが,
その雨の木曜日,後期から宮城学院女子大学の講義が加わり,東北学院大学とのダブルスクールとなる。

2016年9月27日火曜日

いずこも同じ?

 25日日曜日の読売新聞。
 イタリアで「子だくさんの日」(9月22日)が制定されたことに対し,
同国内では,啓蒙活動への財政支出(5年間で約3400億円)に対し賛成の声と同時に,
「子供は欲しいが、子供を産み育てるほどの収入がない。こんなキャンペーンの前に政府は社会保障の改善や景気回復など、やるべきことがある」との批判や,出産に適した年齢という見方に「出産をしないのは女性の賞任なのか」との反発の声が上がっている,という。

 啓蒙活動と景気対策に順番があるわけではない。
 また,人口減少が経済成長に与える悪影響から,国内投資の伸びが抑えられていることは,わが国が正に体験していることである。
 景気回復により企業は2014年度に過去最高益を更新しながら,むしろ国内消費は逆に節約志向を強めてきた。

 もちろん,非正規雇用の増大が,女性のキャリアの分断や将来の教育費用負担への懸念を誘発し,出産にブレーキを掛けていることは見逃すべきではない。
 
 その意味では,啓蒙活動と同時に進めるべきは,短期的な景気対策というよりも,働く者のセーフティ・ネットの充実であろう。


2016年9月25日日曜日

フルーティ

9月24日 午前中,ノート取りの続き。

午後,佐々木伯朗東北大学教授(財政学)主催の「共同体と福祉国家」研究会に参加。

研究会も終わりに近づいて議論白熱。
共同体,市場の二原理vs.共同体,市場,国家(財政)の三原理。
国家を共同体に含めるか否か,は結局共同体理解に関わるし,結局,何を基準に分類しているかだろう。
 分類基準が組織原理か,財配分の原理か。
 組織原理なら,行け,場合によって会社,NPO等も含まれる。
 後者なら限られている。

 19時より,駅前「かこいや」にて懇親会。
 こちらは開始から時間をおかずに議論,というか談笑。
 農業のあり方,福祉国家。。(途中忘れた^^;)リバタリアン右派と左派。

 アルコールに強くないのでビールをちびちび2,3杯。最後に裏霞2杯。
 議論の方はエンジンが掛かるのに時間を要するが,久しぶりの浦霞「からくち」はフルーティだった。

2016年9月21日水曜日

雨ばかり

 雨ばかりもう何日続くのだろうか。
 梅雨でもないのに先週からずっと続いている気がする。
 台風接近と言っても,未だ西日本だ。

 自著刊行後は,考察対象を大きく踏み出そう」「他領域への適用可能性を示そう」とばかり考えていた。
 しかし,先月初め,研究合宿で自著の紹介をし,書評的コメントを受けてみると,
 他者とズレが大きい,
 理解も得られていない
そう再認識させられた,

 そこで,差し当たり労働と生産について,先行研究との違いとその意味をもっと掘り下げようと,ある論者の論文,著書を読み返してみた。
 90年代に発表された前者については既に何度も読み,ノートも作っている。
 しかし,数年前に発表された著書については繰り返し読んだといっても断片的だった。
 両者の違い,その違いが後者の構成にどのような影響を与えているか,
という観点に立って読み返すと,改めて気付かされることが多々ある。

 といっても,未だノートを取り,そのノートを編集している段階だ。
 当分,雨が続きそうだ。

 9月20日 臨時教育委員会。

2016年9月16日金曜日

後期開講までの見通し

この間,ある論者の労働の生産についてノートにまとめてみた。

 労働については何度も読み直していたが,労働と生産との関連について改めて読み直してみたのだ。

 通説的展開と異なることは一目瞭然。しかし,その意図と他の箇所への影響を明らかにする必要がある。

 実はその意図と成否については既に論文にしている。
 しかし,検討したのはあくまで生産的労働に関してしてだ。
 その他領域,例えばその前の流通論,その後の資本蓄積論への影響を検討する必要がある。
 本務校で後期が開始するまでに見通しを得たい。


9月15日 また木曜日とうほくがくいんだいがく土樋キャンパスに通うことになった。後期科目「政治経済学II」開講。

2016年9月13日火曜日

尽きない話

 9月12日 昼休み,夏季集中講義に来られた阿部敏哉東北工業大学教授とやぶ家で昼食。(講義のお世話をされている洪先生にお誘い頂いた)。

 赴任が同期だった阿部さんは,後に青森公立大学に移られ,ご一緒したのは2年間だけだが,話が尽きない。

 ともに最初の赴任地だったことで初めて体験したことも多いし,
 かつてののんびりした時代のさまざまな思い出話もあれば,
歳を取ったという回顧もあり,
大学環境が様変わりしたという感嘆もある。

 一世代分の過客,という感覚だろうか。



2016年9月11日日曜日

移り気

 9月8日-10日 学会報告の原稿を仕上げた後に,ぽっかり空いた週末のうちに頂いた2冊の本を集中的に読む。
 そう計画を立てたものの,難しすぎたり,一度聞いた話だなと思ったり(失礼!)で両方とも頓挫。
 報告に向けて,気になる論者の文章を読み直したり,報告スライドを原稿に合わせて書き換えてみたり。

 移り気になったところに午後になるとミーハー気質が顔を出して,定禅寺通りジャズフェスティバルを覗いてみた。
学 生時代に聞いていたのはソリッドなロックだったが,スライドを校正した国分町スタバやジムの帰りに寄ったところは,フージョンだったり,ジャズだったり。
 嗜好は違っても間近に観る生演奏の臨場感はなかなかのもの。

結局,スライド校正の方は余り進まなかった。
報告まで1ヶ月余りあるので仕方ない,としよう。


2016年9月8日木曜日

御礼その2

 8月7日 鈴鹿医療科学大学教授の青木孝平先生より御著書『「他者」の倫理学』(社会評論社)が届く。

 ここ数年自分の考えをまとめるために狭い範囲でしか勉強してこなかった。
 週末まで,短いが時間ができたので,青木先生に学びたい。

 ゼミのテキスト?
 かなり難しそうだ。

御礼

 8月6日 元埼玉大学教授で現在埼玉学園大学で教授を勤められている奥山忠信先生より御著書『貧困と格差---ピケティとマルクスの会話』(社会評論社)を送って頂いた。

ちょうど学会報告「生産的労働概念の活用」の原稿を仕上げ,時間ができたので勉強したい。

また,ゼミのテキストとしてゼミ生にも勧めたい。(奥山先生には昨秋,学部講演会でお話し頂いている)。

2016年9月7日水曜日

倦むこと

 4日日曜日,久しぶりに球場に駆けつけたのは,7日締切りの学会報告原稿に目処が付いたからだ,というのは前に述べた。

 しかし,もう1つ理由がある。
 一応文章として最後まで書き上げた原稿の推敲を繰り返していると,だんだん飽きてくる。気分転換が必要だったのだ。

 報告は,自著のまとめのようなものだから,一通り書き上げるのに時間は掛からない。
 特に報告時間が30分とあっては,議論の細部には入れない。
 また,6月中旬の地方部会,8月上旬の合宿と既に2回報告している。

 さらっと仕上げた文章は,読み返すと繋がらないところが出てくるし,構成も見直しの必要を感じたりする。
 しかし,推敲を毎日,場合によっては日に2,3回,朱を入れては書き直し,打ち出してまた朱を入れるを繰り返していると,そのうち気になる箇所が減ってゆく,そうすると見直し,推敲自体に飽きが来る。

 しかし,推敲は重ねるしかない。
 問題点は,研究発表への質問という形で他者から気付かされることもあるが,たとえその場合でも,疑問点を自分のなかで捉え返すという作業を通さないと次の文章,論文に繋がらない。

 と格好付けてしまったが,締切り当日には読み直しも大急ぎとなり,夕方には学会事務局に投稿することになった。

   9月6日 定例学部教育委員会。

2016年9月4日日曜日

戦力差歴然

  7日締切りの学会報告原稿に目処が付いたので,およそ2ヶ月ぶりにチャリで球場へ。 
 パリーグ4位とは言え,上位チームにはからきし弱い。1勝2敗のペースだ。
 にもかかわらず球場の入りは悪くない。さしずめ見舞客でごった返す病院,といったところか。

 福岡ソフトバンクホークス1x5東北楽天イーグルス
 初回裏の満塁ホームランで勝敗は決まったものの,試合としては起伏に乏しかった。
 また,金曜日からのこのカードは1勝2敗で勝率落としただけで終わった。
 ソフトバンクスの3,4番内川,松田と並んでいるだけで脅威だし,これに故障している柳田が加わったら,1勝もできなかったかも知れない。
記者席の奥から撮った先発辛川投手
さらに,ソフトバンクは投手を2,3回毎に代えながら,どの投手も安定感がある。
 打線も投手陣も,層の厚さの違いに圧倒され,1勝2敗でも納得しかねない怖さがある。

今期の反省山盛り

 先々週金曜日,学生による授業評価の結果,各スコア一覧表と自由記述のあるアンケート原票が戻ってきた。

  授業評価の値は,自慢ではないが,高くない。
といって,手を抜いているわけではなく,いろいろ改善しているのだが,学生からは工夫を逆に受け取られることもある。しかし,この点を述べると愚痴っぽくなるので,結果から気付いたことを1つ,2つ。

 1つは,スコアが相対的に高かった「市場と組織」の理解度と総合評価が大きく落ちていることだ。
この科目は,「経済原論」と異なり,賃金制度や内部労働市場の仕組みを具体的に解説している(かつてのように知的熟練をめぐる細かな学問上の議論には立ち入っていない)ので,スコアは高かった。少なくとも平均的だった。これが大きく下落している。

 いろいろ考えてみて,思い当たる節は2つ。
 自由記述にも記されていたが,毎回の確認問題の選択肢の既述に紛らわしいものがあり,正答肢が見つけにくかったようだ。確認問題の点数は1回3点だが,そのまま合計点に算入されるので学生には不安・不満が生じたのだろう。ほとんどの問題は毎年使っているが,新たに作った場合には周到にチェックしないと,紛らわしさが残ることがある。

 もう1つは能力主義賃金の年功制をめぐる議論を久しぶりに紹介したが,講義資料も説明もこなれておらず,わかりにくかったのではないか,ということだ。
 元々賃金制度に則して,能力主義賃金には年功的側面があることを仕組みのうえでは説明してきたが,それに関する学問上の議論を紹介するのはまた別の話で,理屈っぽい話となる。
よく整理し,内容を絞る必要がある。


 気付いたことの2番目は,以前記したかも知れないが,今期は私学の講義が増え忙しくなった分,気持ちに余裕がなく,レスポンスカードの数が足りない,プロジェクターが映らなくなっても気付かずに講義を続けたりいなど細かなミスを繰り返してしまった。
 これらは技術的な問題で,講義内容そのものの問題ではないが,学生には準備不足というイメージを与えたかも知れない。

 忙しくなった分,講義の準備や後処理の中味を絞れば良いのだが,絞りきれず余裕がないままに進め,学生には迷惑を掛けた。

 以上の反省に立って来期のこと(講義はほとんど前期に固めている)を検討する必要がある。
詳しく述べようとして2週間も経ったので,ポイント2つ。

  1つは,進度の設定。
  毎回確認問題を出題し,平素の成績として配点している。
択一式問題2問が一般的だが,正誤を問う問題である以上,その範囲まで授業を進めないと出題できない,授業の進度を拘束されている形だ。
  」毎回のまとめのような記述式に代えるのも方法だし,確認問題の出題を1回毎ではなく,事前に全範囲分の問題を別紙にまとめ,毎回の授業ではその中から適宜利用するのも一法だ。

  もう1つは,作業の合理化。
  「地域社会論」では,レポートを課して,採点し,その成績を単位に反映させている。
  レポート=提出すれば単位ではまずい,と考えているからだ。
  実際には枚数が多いので,段落分けや各段落の分量など形式的な面の採点に留まっている。
  しかし,それでもかなりの時間を食うし,他科目とレポートの取扱いがあまりにも異なるということも考慮する必要がある。

 また,同科目では,毎回のレスポンスカードで要約,感想,質問・要望等を提出させているが,その提出記録のチェックと内容のチェックに時間が掛かっている。
 講師に返却する学生の質問・感想部分を読むことに専念し,提出チェックは,記録をWEB上で公開していることもあり,TAによるチェックだけで済ませても良いかも知れない。
 さらに,最も時間の掛かる,レポートの採点は他科目とのバランスから,もっと限定することも考えられる。 

今期の反省山盛り

 先々週金曜日,学生による授業評価の結果,各スコア一覧表と自由記述のあるアンケート原票が戻ってきた。

  授業評価の値は,自慢ではないが,高くない。
といって,手を抜いているわけではなく,いろいろ改善しているのだが,学生からは工夫を逆に受け取られることもある。しかし,この点を述べると愚痴っぽくなるので,結果から気付いたことを1つ,2つ。

 1つは,スコアが相対的に高かった「市場と組織」の理解度と総合評価が大きく落ちていることだ。
この科目は,「経済原論」と異なり,賃金制度や内部労働市場の仕組みを具体的に解説している(かつてのように知的熟練をめぐる細かな学問上の議論には立ち入っていない)ので,スコアは高かった。少なくとも平均的だった。これが大きく下落している。

 いろいろ考えてみて,思い当たる節は2つ。
 自由記述にも記されていたが,毎回の確認問題の選択肢の既述に紛らわしいものがあり,正答肢が見つけにくかったようだ。確認問題の点数は1回3点だが,そのまま合計点に算入されるので学生には不安・不満が生じたのだろう。ほとんどの問題は毎年使っているが,新たに作った場合には周到にチェックしないと,紛らわしさが残ることがある。

 もう1つは能力主義賃金の年功制をめぐる議論を久しぶりに紹介したが,講義資料も説明もこなれておらず,わかりにくかったのではないか,ということだ。
 元々賃金制度に則して,能力主義賃金には年功的側面があることを仕組みのうえでは説明してきたが,それに関する学問上の議論を紹介するのはまた別の話で,理屈っぽい話となる。
よく整理し,内容を絞る必要がある。


 気付いたことの2番目は,以前記したかも知れないが,今期は私学の講義が増え忙しくなった分,気持ちに余裕がなく,レスポンスカードの数が足りない,プロジェクターが映らなくなっても気付かずに講義を続けたりいなど細かなミスを繰り返してしまった。
 これらは技術的な問題で,講義内容そのものの問題ではないが,学生には準備不足というイメージを与えたかも知れない。

 忙しくなった分,講義の準備や後処理の中味を絞れば良いのだが,絞りきれず余裕がないままに進め,学生には迷惑を掛けた。

 以上の反省に立って来期のこと(講義はほとんど前期に固めている)を検討する必要がある。
詳しく述べようとして2週間も経ったので,ポイント2つ。

 1つは,進度の設定。
 毎回確認問題を出題し,平素の成績として配点している。
択一式問題2問が一般的だが,正誤を問う問題である以上,その範囲まで授業を進めないと出題できない,平素の成績を配点できない。授業の進度を拘束されている形だ。
 毎回のまとめのような記述式に代えるのも方法だし,確認問題の出題を1回毎ではなく,事前に全範囲分の問題を別紙にまとめ,毎回の授業ではその中から適宜利用するのも一法だ。

  もう1つは,作業の合理化。
  「地域社会論」では,レポートを課して,採点し,その成績を単位に反映させている。
 レポート=提出すれば単位ではまずい,と考えているからだ。
 実際には枚数が多いので,段落分けや各段落の分量など形式的な面の採点に留まっている。
  しかし,それでもかなりの時間を食うし,他科目とレポートの取扱いがあまりにも異なるということも考慮する必要がある。

 同科目では,毎回のレスポンスカードで要約,感想,質問・要望等を提出させているが,提出記録のチェックをTAと教員の二回行っている。同カードでは,講師に返却する学生の質問・感想部分を読むことに専念し,提出チェックは,記録をWEB上で公開していることもあり,TAチェックのみで良いかも知れない。
 また,最も時間の掛かる,レポートの採点は他科目とのバランスから,もっと限定することも考えられる。 

2016年8月30日火曜日

復習と練習

先週初めから,秋の経済理論学会全国大会分科会報告用の本文の作成に取りかかった。

締切りまで半月。
のんびりしてしまった。

当初は「自著の次の展開」と考えていたが,時間的余裕がなかった。
分科会の報告時間が30分と定められ,内容も欲張れなくなった。
 6月半ば,学会の西南部会では1時間程度割り当てられたが,スライド18枚用意し時間オーバーしている。
 今月初めの八王子合宿では、スライド12枚に絞ったが,50分近く掛かった。
 そこで,報告スライドの作成,なるべく6枚前後,最大12枚の作成を優先してきた。

 話す時間が限られているのだから,「本文を新たに構想してもなぁ」などと斜に構えていたが,報告要旨はA4版1枚で済むものの,本文は20枚以内と通常の論文と変わらない。
 また,事前に目を通して下さるまじめな学会員もいることだろう。

 そう考えると,集めた材料を裁いてゆく,通常の論文作成とさほど変わらない。
 違いは新たに展開するというよりもこれまで発表してきたことの「まとめ」という点だ。
 そして,まとめとなると,要約であれ,4つの章で議論したことを順番に示す時間が与えられていないこともあるが,新しい枠組みとその意義を端的に示さなければならないために,集めた材料,論文やノートを読み返し,より踏み込んだ裁き方を示す必要がある。

 それは全体から見れば,一部に過ぎないが,既に発表したことの単なる復習ではない,次の展開に繋がる予行練習でもある,という楽しさがある。

2016年8月24日水曜日

先輩に学ぶ

 8月24日 先に自著を送った法政大学の原伸子先生よりご著書『ジェンダーの政治経済学』(有斐閣,2016)を送って頂いた。
 時期的には重ならなかったものの大学院の先輩だ。

 既に部分的には読んでいるが,一層勉強させて頂こう。


昼軽食派の居場所

 8月22日 午後から激しい雨。その内雨よりも風が強くなり,折りたたみ傘が裏返って,骨が折れる始末。

 8月23日 一転して暑い1日。午前中,教育委員会。 臨時開催なのに2時間を超えた。
 13時から学外で会議が予定されていたため,昼食は道中で。

 以前利用した市立済生館病院内のドトールコーヒーで昼を,と思っていたが,
菓子パンはほとんど売り切れ,また好物のレタスドッグは販売自体を中止。

 中心市街地七日町の,まさに中心地ではミスタードーナッツが撤退し,「昼は軽食」派には一層利用しづらくなった。
 結局,売店でサンドイッチ等を購入し,待合室でぱくついた。

 山形県経済社会研究所の理事会に出席。
 今年の年報の構成について等々。

2016年8月22日月曜日

来年また

文化系総合研究棟10階21演出室にて開催
8月21日 故馬渡尚憲先生が主催されていた仙台経済学研究会第42回大会に出席。
 当初は懇親会のみ参加する予定だったが,前日,秋の学会報告の準備をしていて,煮詰ってきたので,気分転換と言っては失礼だが,耳学問のつもりで他人の報告を聞くことにした。
10階から臨む市街地

開始二時間を前に船をこぎ始めたハムさんこと,佐藤公俊先生
終了後は,仙台駅前の居酒屋で懇親会。先生のご令嬢お二人も参加された。

 やはり研究会は出るもの,勉強になった。
フラッシュ禁止設定で撮影という大失態

 来年また。

2016年8月17日水曜日

前期修了

 8月17日 久しぶりの登校は,前日から東北太平洋岸台風通過の報道があり,交通,特にこれまでに経験から帰りに不安を持っていたが,他方で,前期基盤教育科目の成績登録は今日が締切り。本務校の成績登録は学内ネットしかできないので,登校敢行!

 これまで採点を優先し教務システムへの成績登録は後回しにしてきた。
 採点と単位判定さえ済ませてしまえば,成績登録は全担当科目を短時間で一挙に行えるが,科目毎の採点は時間が掛かり,途中中断は判定基準の揺れを避けるために避けたい。

 そこで,期末試験の採点と確認テスト等平素の成績を加味した単位評価まで済ませると次の科目の採点に移る,という形で,全科目の採点終了を優先してきたのだ。

 市内バス,高速バスとも通常通り発車。高速道路が県境の笹谷トンネルを出た後,関沢IC-山側蔵王IC間不通のため,バスは馬見ヶ崎川の濁流横目にR286を走行しわずかの遅れで到着。

 午前のうちに,前期担当している基盤教育,学部専門教育,大学院の計7科目の成績登録をほぼ済ませることができた。
 午後は,学部共通科目「地域社会論」の学生の質問,感想に対して講師から届いた回答を整理し,pdfにして事務方に掲示を依頼。
 夕方,東北学院大学「政治経済学」I(前期科目)についても成績登録を行なった。


 これでようやく前期終了!
 いろいろ反省もあったという意味では修了かな?



お盆休みの一日

今年のお盆休み。
前半は合宿を挟んで残っていたレポート読み。
その後も秋の学会報告の構想。
16日1日だけ空いたので,岩波新書<シリーズ日本中世史>の第1,2巻。
近所のドトールコーヒーで,というのは変わらず。

しかし,難しかった。
やはり近代以前は,政治が中心というか,経済が政治と未分化で,その裏に隠れているせいか。
対外交易は描かれているが,荘園内経済の方は政治と一体化しているせいか,領土争い,あるいは相続等の訴訟レベルでしか表に出てこない,描かれていないように思う。

また,平安時代末期から「家」が形成されるようになったとされているが,
近代的な家庭,家族を普遍的なものとして意識してしまいがちなため,
古代や近代とどのように異なっているのか,直ちにはイメージできない。

やはり安直に知識を求めず,基礎から勉強する必要がありそうだ。

2016年8月14日日曜日

効果てきめん

8月11日(木) ジム系列店にてトレッドミル。8分走して2分歩く,を6本。
 
合宿中,ただ座っているだけで,飲み食いした,という後ろめたさがあったからだ。

効果はてきめん。
翌日から太ももがはって,階段を降りる際,痛くてたまらない。

8月12日(金)は合宿中中断していた業務に専念しジム通いを休み,
翌13日(金)いつものジムで,いつものマシーン。プラスステップマシーン24分。
こちらは特別な効果を狙ったものではなく,体調管理が目的だが,
効果があることを願うばかりだ。

2016年8月10日水曜日

偲ぶ

 8月10日 午前中に合宿を終えた八王子から国分寺に移り,和歌山大学を定年間際,今年1月に亡くなられた石橋貞男追悼研究会および偲ぶ会に参加。