2016年10月5日水曜日

再分配の壁

 10月5日の朝日新聞に「配偶者控除見直し,誤算 財務省案,与党から逆風 「壁」引き上げ模索へ」という記事が載っていた。

 財務省は2013年頃から配偶者控除の見直しにより「税負担の累進性を高めることで,低所得層の負担軽減を図る」(昨年11月の政府税調による論点整理)ことを検討してきた。

 「103万円の壁」といわれている配偶者控除を夫婦控除に代え,女性の就労を促す。
 「所得控除」である配偶者控除を「税額控除」に代え,所得再分配機能を高める。
 配偶者控除の夫婦控除への代替では税収を減らさないように控除対象者を絞る。

 しかし,高所得者を中心に負担増となることについて与党から反発の声が出た。
 来夏の都議選への懸もある。
 記事では,有力与党や官房長官の慎重姿勢に,「永田町では年明けの衆院解散・総選挙の見方まで出て,慎重論が広がる」という。

 そこで,政府は来年度税制改正では,基礎控除額を増やし壁を103万円から引き上げるなどして所得税の「壁」を103万円から引き上げる案を中心にする,その際,増税世帯への負担を増やしすぎないよう配慮する。(103万円とは,給与所得控除額,最低65万円と基礎控除38万円の合計なので,後者が引き上げられると壁も上にシフトする)
 
 記事は「その分,改革は小粒になる。..政府税調の委員の1人は『再分配を高める貴重なチャンスだった。働き方改革だけで進めてしまうと,議論が広がらない』と話す」と結んでいる。

 確かに保守党の中には,女性の社会進出に抵抗を抱く向きもある。
 しかし,報道の限りでは,与党・政府内の抵抗は働き方改革に対してではない。再分配を高めることに対してである。

 焦点をぼかすようでは小粒の解説であろう。

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