後期の科目もほぼ終えたところで,来年度の講義メニューを考えてみたが,なかなか定まらない。
科目によって異なるが,専門教育科目といっても,ここしばらく学問上の議論に余り触れていない。
学問上の論点は,厳密に構成されているので,いまどきの学生には単なる細かなこととして関心を持って貰えないだろう,と思うからだが,
他方で,基本的に暗記科目である高校までの勉強と異なり,現実の具体的問題にまず触れて欲しい,と思っているからでもある。
現実問題となれば,なったで,問題を構成している諸要素を,具体的なデータ,資料を示しつつ,多面的に示さなければいし,
問題発生の背景という意味では,歴史的経緯に触れざるをえない。
つまり,解説すべきことが多岐にわたる。
こうして問題の多面性を伝えようとすると,詰め込み気味になる。
「深く」解説しているつもりでも「細かな話」と受け取られかねない。
また,昔ながらの論述式筆記試験では答案の論述がなかなか伸びないか,講述引き写しのような記述になるので,新聞記事読み取りで設問に答えて貰えいつつ疑問点を挙げて貰うとを実施すると,学生がどこまで理解しているか,問題のどのような点に関心を持っているかを抽き出すことができるが,それだけコマを消費する。最近は期末試験のコマを削って,あつまり期末試験をせずに,その分,読み取りの回数を増やしている科目もある。
コマ数に限りがあるから(2単位15コマ,4単位30コマ),多面的に論じようとしても,また新聞記事で現実の問題に触れて貰おうと思っても,解説する論点を絞らざるをえない。
その取捨選択で半日潰した。
しかし,締切りは月曜日,と迫っている。
1月29日 学科運営会議。基盤教育「市場経済」は非正規雇用の問題を単に労働者派遣法の成立(1985年)及び改正(99年)だけでなく,いわゆる労働市場の二重構造から解説。「経済原論演習」は研究生が病欠で,辞令が下りた4年生とこれからのこと,文字通りの「お茶会」。合間に来年度の講義メニューを構想。
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