2010年11月14日日曜日

冷たい人見知り

東北の人は口下手で人前ででしゃばらない、控え目だ、というイメージがかつては存在した。
かつてと言ったが、福田政権時、自民党と民主党との大連立話が頓挫した時、当時の小沢一郎民主党代表が「自分は東北生まれなので口下手」と涙ながらに訴えたのはそう昔のことではない。

しかし、そう東北人の気質を語る時には、寡黙だけれど人柄は至極、誠実だと想定されている。決して寡黙だけれど腹は何を考えているかわからない陰湿な奴だと思われていないことは確かであろう。
しかし、昨日、自分はゼミの学生から「冷たい」「人見知り」という判定を食らった。

昨日のゼミは、来年度からゼミを履修する2年生がゼミを選択するためにゼミ見学にやって来た。
研究室に入りきらない学生達を前に、何故、経済原論のゼミでベーシック・インカムを取り上げているのか、かつてはホワイトカラーの成果主義や能力主義を扱っていたか、少し間口を広げ勤続しても昇給しない正規雇用との対置で正社員の年功的な能力主義賃金を検討し、併せて非正規雇用拡大によってセーフティーネットが実は彼らには適用されない現実がベーシック・インカムを求める動きに繋がっている等々と説明した後、通常のゼミのようにレポーターにいくつか質問を浴びせた。
ゼミ生が先のセリフを吐いたのは見学者が帰った後である。
「先生は冷たい」「せっかく僕がゼミをピーアールしたのに、気のない返事で」「そういえば、昨年もそうだった」「人見知りなのでは」

しかし、例えば学生指導が煩わしいから他にゼミ生が来てもらっては困る、邪魔だなどと考えているわけではないことは言うまでもない。
ゼミ生が少ないと、ゼミ生の報告にも教員が一々コメントせざるを得ず、学生指導上、好ましくない、とは常々ゼミ生に語っていることである。
だだ、既に2年生に配られた来年度のゼミ生募集要項にゼミの活動テーマや方針を公表している以上、学生から追加的な質問がないのにこちらから長々とゼミの説明をしていては耳にタコ的な煩わしさを与えかねないと思って控えていたに過ぎない。

ゼミ生とは中国中央部出身の留学生と岩手出身の4年生である。
留学生はともかくとして,東北出身者は「敢えて語らない」意味を理解できないのであろうか。

時代は変わった,というほかない。
ちなみに自分は東北出身者ではないし,東北人の特徴という「口下手」「人見知り」は,人の性格の一つとは思っても,他よりも優れた特長と評価していているわけではない。

 11月11日 宮城学院大学「経済社会特論」は年金の仕組みを復習した後,朝日新聞の記事「基礎年金 保険か税か」(2008年2月19日付け)の読み取り。終了後,その回答の整理。質問への回答作成。
 11月12日 基盤教育「市場経済」は年金の仕組み解説。「経済原論演習」は山森亮『ベーシック・インカム入門』第3章。オープンゼミの見学者が研究室から溢れるほど参加。しかし,見学者は例年10名前後はいる。彼らが去った後「昨年より多いじゃないですか。でも彼らはいろんなゼミを見て回っているですね」。
 11月13日 ノートPCをデイパックに詰めて外出するも,遂に開くことはなかった^^;。

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