2010年8月6日金曜日

七夕祭り

いよいよ七夕祭り。山形では一足先に昨日から花笠祭り。あいにく日曜日から合宿で。その前も。。。。(予算の関係上,合宿当日出発となっていますが,実は。。。)

今日は午後から基盤教育(旧教養教育)ワークショップが開かれる予定だったが,参加を申し込んでいた「スタートアップセミナー」分科会がラウンド2になっていたため,朝から登校したものの,開始1時間後の14時30分までは週末の報告資料の見直しに専念していた。もっとも穴はなかなか埋まらず,時間ばかり過ぎ瑠,という結果に終わったが。

その分科会,出向いてみたら,既に報告が始まっていた。3つの分科会同時開催なので,ワークショップ開始と同時に1時間前から始まっていたのだ。
報告者は全て本学の教員。各1名,地域教育文化学部,理学部,工学部各1名の構成だった。

並べて聴いてわかったことは,第1に,スタートアップセミナーをどの学部学科も,人文学部法経政策学科以外は,従来の専門基礎教育を流用しており,「専門基礎」という位置づけをしているということだった。

基盤教育科目と言っても,学生の所属部局の教員が担当しているので当り前と言えば当り前である。
しかし,法経政策学科は,旧来の1年生向け専門基礎演習を2年次開講に移したため,新設されたスタートアップセミナーはあくまで基盤教育科目なのか,専門基礎科目なのか,位置づけを巡って担当者の見解が分れていた。
併せて,スタートアップセミナーの全学共通テキストが,レポートの書き方,ディベート,ワークショップなど,アカデミック・スキル中心の叙述になっているため,担当教員の専門専攻に関わりなく基盤教育としてアカデミック・スキルの伝授に徹するのか,それとも専門専攻をベースにした演習とし,共通テキストはあくまで副読本程度の活用に止めるのか,についても担当者の間でも見解が分れていた。
これに対して,他学部学科は共通テキストを尊重しているとは言え,それをそっくりそのまま活用するのではなく,旧来の専門基礎科目の中で部分的に活用していた。

したがって,第2に,アカデミック・スキルの習得と言っても体験させることに主眼があり,達成目標があるわけでもない,ということだ。その点で,情報処理科目とは全く異なる。

それはそうであろう。スキルの習得であれば,レポートの書き方1つとっても数コマ必要なはずである。ところが,スタートアップセミナーの共通テキストでは,レポートの書き方について解説はされていても,演習問題は設定されていない。担当者任せになっている。フロアからはレポートの指導について質問があったが,どの報告者もでは,レポートの作成には2コマ程度しか割り当てておらず,個別指導にそんなに時間を費やしていないと答えていた。他のメニューがこなせないからだろう。つまり,スタートアップセミナーでは。レポートの書き方,ディベート,ワークショップ,モックインタビューとスキル,ツールのメニューが豊富であるが,その消化,あるいは達成度の評価を予定していない。あくまで学生を飽きさせないようにメニューを盛り沢山にしているだけなのである。

第3に,スタートアップセミナーの位置づけが専門基礎科目であると言っても,専門科目体系の中の基礎科目を展開しているわけではない,ということである。むしろ専門専攻のオリエンテーション,動機付けに力点がある。

例えば,工学部電気電子工学科では,米沢キャンパスに招いて研究室を紹介し,そのまま蔵に連れて行って合宿を張り,技術者のキャリアを紹介して,それに必要な能力,知識を紹介している。理学部地球環境学科では,各教員が担当科目を紹介し,学生にそのようやくを求めている。あるいは触れ手万キャンプと称して蔵王に連れて行き,ルートマップの作成を体験させている。
そこでは専門知識の伝授,習得はさほど期待されていない。
両学科の担当者がいみじくも述べていたことだが,高校の進学指導の結果,当該学科に入学した学生には,当該学科,当該専攻のことをよく知らないままに入学した学生が少なからずいるため,その「ミスマッチ解消」が専門基礎科目の目標の1つとされている。

その点で象徴的なのは専攻によるクラスサイズの違いである。
専門性と卒業後の進路との関連が曖昧な人文学部,地域教育文化学部の場合には1クラス10余名で丁寧に専門専攻について解説しているようであるが,理学部,農学部では30-40名規模,工学部では80名である。ところが,医学部になると,医学科は1クラス125名,看護学科は60名となっている。
医学部医学科,看護学科に入学する学生の場合には,学部の専門性,将来の進路について迷いがないはずである。
したがって,専門性のオリエンテーション,動機付けという意味での「専門基礎科目」「導入科目」はいまさら不要で,いきなり専門科目を教えても何ら問題ないのであろう。

この点にこそスタートアップセミナーの本質が現れているのではないだろうか。これが当日一番感銘を受けたことでもある。

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