4月18日付けで「復興案の行方」に懸念を示した。
壊滅した農地や沿岸部に200以上ある漁業関連施設の集約化は,少子高齢化の中では経済合理性があるものの,独立自営民である農漁民の納得を得るのは難しいだろう,と。
その集約化について,村井嘉浩宮城県知事の抱く構想が今朝の朝日新聞で報道された。
壊滅した「漁船,養殖施設,水産加工施設といった水産関連施設」の再建資金と運営資金を国が出し「実際に仕事にあたるのは地元の漁業関係者で「公設民営」に近いイメージ」という。
保守系知事から国有化案が出るのが面白い。
しかし,国有化,すなわち所有権は単純な問題ではない。
港湾などインフラの再建に止まらず,本来私有物である設備の再建に税金を投入しながら,民営を維持するというのでは,納税者である国民に「金だけ出せ」と言っているようなものだ。「水産庁は国有化には否定的」というのも肯ける。
他方で,国が「金だけ出す」に止まず,出資者として経営に容喙するのであれば,漁民は自営業者には止まれない。「共存を目指す漁協との調整も水面下で始まったばかり」という。
国有化の内容が,現在の私有者の権限を否定するのあれば「説得」が,制約するのであれば「調整」が難航するのは当然であろう。
実は「公設民営化」は地方には珍しくない。
投資が乏しい中で雇用確保と公共事業対象として導入されているのだが,
「所有と経営の問題」は,納税者が無関心でいてくれない限り,大きな問題なのである。
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