2011年10月7日金曜日

片付けるべき課題は奥に

水曜日,学科会議の後,1年次基盤教育科目「スタートアップセミナー」と2年次「専門基礎演習」の反省会が開かれたので,
担当者の一人として後者に出た。
また水曜日には宮城県沿岸部区に高校訪問して,進路指導状況を尋ねると同時に小論文対策なども聴き出してきた。

そこで感じたのは「教師の苦労はどこも同じ」ということだった。
つまり若者が本を余読まなくなった状況で,小論文を書かせる,報告させることは通り一遍ではゆかない。
高校側では小論文模試に参加させたり,全教員に3年生数名ずつ担当させ指導に当たっているが,だからといって顕著に成果が出ているわけではなさそうだ。

大学の基礎演習も「毎週クラスに顔を出し友人関係を築く」とか「全員に発表の機会を与える」という当初の目標は達成されたようだった。
しかし,演習自体の内容となると,必ずしも活溌に行なわれた週ばかりではなさそうだ。

もちろん教員によっては
教員が最初の1,2週,レジュメの作り方,質問の出し方の見本を示す
最初は全員にレジュメを作らせ読み合わせる。
毎週テキストの該当箇所に関する質問を全員に出させてその読み合わせからはじめる。
報告当番が終わったらそれっきりにならないよう毎回復習テストを課した
等いろいろの工夫をしており,それなりの成果を出しているようだ。
それらに比べると,何と自分は工夫が足りなかったことか。

しかし,他方で個人的に感じたのは,
例えばレポートの書き方は,多くの高校で担任制を敷いて指導していたり,1年次のセミナーで指導していたりしていても,
それで修得したものと前提にしてはいけないということだ。
レポートの基本的なお作法が身についていない学生もおり,
倦むことなく巻き返し繰返し指導する必要がある,ということだ。
専門科目でも同じような課題を抱えていることはいうまでもない。


高校のある市街地では震災の影響はほとんど目に付かなかった。
後者の壁面に残る横筋がここまで水に浸っていたことを示しているくらいだった。
しかし「もう1本沿岸側の道では未だ瓦礫が山積み」という。

通常の学園生活でも
互いに成績表を見せ合うなど,ゼミ生同士の和やかな交流の奥底に
今のところせいぜいGPAの値や不可の数くらいにしか顕現していないが
就学上の課題,言い換えると指導上の課題が潜んでいるようだ。




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