2012年1月24日火曜日

採点さえなければとはよく言ったもので

「採点作業さえなければ大学教師は楽な商売」とは昔からよく言われていた。
さすがに今日では諸々の作業に忙殺され,とても楽な商売だとは思わないが,
キツイ仕事の1つが採点作業であることには変わりあるまい。

期末テストは,学生にとっては卒業単位に予定している単位が取得できたかどうか,勉強の成果が高く評価されたかどうか,気になるところであろうが,教員にとっても精力を傾注せざるを得ない大行事だ。

まず設題の工夫。
簡単すぎれば,丸写し(A3版用紙1枚の持ち込みを認めている),丸暗記になり,テストをする意味がなくなる。
捻りすぎれば,得点が低すぎて最終的に全体を一斉に底上げするため,同様にテストの意味が薄れる。

また採点作業も,論述式の場合,受験者がたとえ多くなくても,気を遣う作業となる。
当然,模範解答,採点基準を設けて臨んではいるが,
実際に試しに数枚採点してみると,そのままの基準では,ほとんど得点が伸びないという意味で差が付かず,基準を緩める方向で変更することがしばしばある。
基準を緩めても,採点途中でその基準がぶれては困るので,一気に採点する必要がある。
枚数が多い場合には一気にといっても一日では終わらないが,なるべく他の作業を挟まず一挙に採点する必要がある。

また,成績に直結する作業なので,答案内容やその得点の再チェック,エクセルに入力したデータの再チェックを細心の注意を払って進める必要がある。

それに比べたら,学生が最大の関心を持つであろう「合否の線引き」にはそれほど戸惑いはない。
最近は平素の学習を評価するようになり,小テスト等への配分を高め,
期末テストだけで合否が決まるわけではなく,
場合によっては小テストの得点だけでほぼ合格ラインを超えることもあるからであるが,
それ以前の,いつの時点からか「合否の線引き」を割り切って行なうようになったからでもある。

もちろん,最後の最後に,成績票への転載,現在ではオンライン入力ないしファイル転送が待ち受けており,
これは最終的な成績の確定なので,チェックを繰り返す必要があり,気を遣う。

こうして最後の最後まで気の抜けない作業だが,
やはり最大のポイントは採点基準の設定と実際の採点のなかでそれを微修正する作業だろう。

講義日程を組み時も,また実施に講義しているときも「ここは大事」「ここは伝えたい」と考えてうえで行なっており,だからこそそれらの中から出題しているのだが,実際採点を進めていると,最低ここが書けていればOKという基準を自ら緩めざるを得ず,半としないし1年行なった講義の末に,その意義を改めて考えさせられるからからである。

 1月23日 宮城学院女子大にて宮城学院女子大学「経済社会特論」および「経済理論」期末試験。終了後,自宅で直ちに採点作業。といっても,実際の採点に入る前に,答案を学生番号順に並べ替え,実際に受験した学生をExcel上の成績票に記録する。それから,上記の通り,試しに数枚採点してみた後に,採点基準と配点を微調整。基準がぶれないよう一気に仕上げたいと思ってはいても,気が詰まって途中かなり寄り道。21時過ぎようやく終了。やはり専門科目の方が良く書けている。逆に教養科目の出題は難しかっ​たかな。

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