昨日,学部のFD研修会が開かれた。
テーマは今年度よりスタートした基盤教育(旧教養教育)の目玉「スタートアップセミナー」
前半は前期担当した教員,両学科2名ずつ4名の実践例。後半は地域文化教育学部,理学部各1名の担当教員の実践例が報告された。
質問は,スキル教育の,あるいはテキストの重視度合い,クラス割りの仕方,キャンプ費用の財源など。
本学科がテキストに盛られているスキル(グループセッション,モックインタビュー,ディスカッション等)教育をなぜ重視しているかに関して,担当者でない自分が答えた。
「他学部や他学科は従来の専門基礎科目をそのまま横滑りしたが,専門基礎科目を2年生演習にスライドさせた当学科はそれとの違いを強調する余り,テキストに盛られたスキル伝授が重視された。しかし,スキル伝授と言ってもメニューは盛り沢山であり,一つ一つには余り時間が取れない。むしろ「スキル教育」という物語,体裁を取った専門基礎科目という点で他学部・他学科と違いはない」。
言い足りなかったことがある。
こんにち,自分が選択した専門学部がどのようなところか,どのようなことを学び,卒業したらどのような進路を取るのか,よくわからないまま入学した学生が多い。
そのため,いきなり高度な専門教育はできない。初年次セミナー,ゼミと言っても昔ながらの輪読では付いてこれない。一方的な座学,講義はなおさらである。そこで,グループセッションのような参加型授業を試みたり,あるいはその前に専門教育のための意識付け,動機付けが重要になっている。
他方,基盤教育と言っても,所属する専攻とは無関係ないし中立的な教養にはなかなか耳を傾けてくれない。そこで,「卒業後の自分を見据え,大学の4年間の学習イメージを確立する」と,専攻を想定しない限り成り立ち得ないことを「ねらい」の第1に掲げ,学生のモチベーションを保とうとするようになった。
以上のことは,地方大学だから,複合学部だから,複合学科だから発生することではなく,こんにちの日本のどの大学でも起こりうる問題への対応という意味では普遍的な試みではないだろうか。
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