2011年9月7日水曜日

ネジレは戻せるか

ねじれ国会の下,新首相が誕生した。
新首相は,総裁選選挙時から「101回断られても」「大連立」と訴えていた。

相手が戸惑っているのにプロポーズを続けたら,相手はさらに退いていくように思うが,
ねじれ国会,野党の協力なしには何もなしえない,ということであろう。

そんな弱体政権から「年金改革」の声が漏れ,マスコミに載った。
・パートタイム労働者の厚生年金加入条件(現在週の労働時間がフルタイムの3/4,おおむね35時間)を緩める
・保険料が課されない第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者であり専業主婦)の条件(現在年収130万円)を厳しくする。



いずれも安倍内閣の際に法案化まで漕ぎ着けていた改革案である。
自民党圧倒的多数でも,保険料が発生する専業主婦本人や厚生年金に移行して保険料労使折半となり負担が発生する事業主の反対が根強く,日の目を見なかった。

しかし,非正規雇用者比率を3割を超したなかで,
その多くを未納が発生しやすい国民年金に止めておくことは本人にとっても年金財政にとっても良くない。
また第1号被保険者(自営業者,フリーター,無業者,学生等)の専業主婦との関係で,第2号被保険者の専業主婦のみ第3号被保険者として保険料を徴収されないのも公平性を欠くし,
少子高齢化のなかで働きで出もあり年金の支え手を増やす必要性があるとき,女性の就労制限を招くとすれば,制度的に中立的とは言えない。

改革は現在の制度と比すれば,一人ひとりには,損得が発生するのは当然である。
個別の合理性を超えて社会的な合理性を追求して欲しいものだ。

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