2013年4月22日月曜日

方法論

新学期が始まると,
その準備に追われて1週間が終わる。
少なくとも意識のなかではそれに近い。

と言っても,講義内容は年によって大きく変わるわけではないから,
前年度の講義資料を打ち出して,誤字やわかりにくい表現を訂正したり,データや新聞記事の引用などは最新の物に変えれば,
集中すれば,週の前半でその周晴楓の分をこなすことも可能だ。

しかし,内容を見直すとなると,
構想,試行錯誤,資料収集で結構手間取る。

その中でも最も時間が掛かるのはやはり構想部分だ。

特に学期始めは方法論的な部分なので,
凝れば調べ五とだけ結構時間が掛かるし,
学生に関心を持って貰㝢ようにすればどうすれば良いか,そもそも関心を持って貰えるか,等と考えると
それだけで一日,二日あっという間に時間が掛かる。

方法論が入るのは「経済原論」だ。
テキストには,経済学の成立から商品経済の発達,三段階論や唯物史観論も記されているが,
これを一々解説していれば,数回費やすことになる。
進学希望者でもない学生相手に方法論ばかり数回というわけにはゆかない。
そこで,経済と経済学は毎年解説するとして,三段階論や唯物史観等は年によって解説したり,省いたりしている。

今年は『資本論』との原構成の違いを本論に入る前に講義しようとして,
一旦両者の違いを解説するスライドを作成したものの,
「これだけでは学生には何のことか,どういう意味があるのか分らないのでは」と思い直して
マルクスの経済学研究に至る経緯と,経済学批難体系プランにも触れることにした。
しかしこれはこれで少し立ち入るとそれぞれのパートが1,2回要する内容だ。

そこで,「資本一般」では排除されていた「諸資本の競争」を組み込むという観点から
『資本論』との対置でテキスト(日高普『経済学』)の構成の特徴を解説することにしたが,
これも所詮方法論,学生が関心を持って聴いてくれるか,心許ない。

しかし,テキストの解説ばかりだと,
高校の授業のように知識を一方的に植え付ける,学生にとっては丸暗記科目のように捉えられかねないので,
学問的方法,体系,すなわち方法論的な部分にも触れたくなるのだ。
これが上手く伝わるか,せっかく試行錯誤しながら準備したので楽しみにしたい。

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