今日,3月7日の朝日新聞は,米国通商代表部USTRのカーク代表と茂木経産相がスイスで行なっているTPP参加交渉について日本の戦略を次のように解説している。
米国が裏で要求している米国への輸入車関税の温存と日本に輸入される米国車に対する安全審査手続きの適用拡大(現在では年間輸入台数2千台以下の車種のところを5千台以下の車種にも拡大)
を飲む代わりに農産物関税の例外を勝ち取る。。
TPP参加11ヶ国に日本が年間支払う関税4700億円の半分が自動車関連とあって、
大手自動車メーカー幹部は(米韓FTAで将来の関税撤廃が決まっている)「韓国メーカーとまともに戦えない」とこんわくしている。
この戦略は米国に押し切られてTPP参加を飲まされた振りをしてTPPを有名無実化」「換骨奪胎」することになるのだるか
それとも農業保護を守りきって万骨枯る,他の多くの産業が犠牲になる,ということであろうか。
いずれにしてもこれではTPPに参加する意義がない。
例えば,現在のような保護の下,後継者が育たず高齢化が進んでいる農業はTPPに参加したからといって問題が解決するわけではない。
しかし,アメリカが主導するスキームに従って,TPPに参加する以上,
如何にして農業を維持し,国土を保全するか,ということを真剣に考えざるを得ない。
今までの保護で結果が出ない以上,別の形の保護を考えざるを得ない。
(山間地の多い日本では「農地の大規模化」といっても米豪にはとても太刀打ちできないから,保護は不可避であろう)
黒船が来航した1853年以降,日本は「泰平の眠りを覚ます上喜撰たつた四杯で夜も眠れず」となったように,
当面アメリカ設計のスキームで進まざるを得ないとすれば,守るべき農業,国土あるいは保険等のあり方を真剣に議論すべきであろう。
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