2012年9月2日日曜日

次作を期待


母の希望で高倉健さん『あなたへ』(東宝,降旗康男監督)。

母は専ら健さんはもちろんのこと大滝秀治,長塚京三,原田美枝子,佐藤浩市など名優がたくさん配されていたことで感動していたようだが,
作品としては必ずしも良い,とは言えなかった。

作品では,高倉健-田中裕子,佐藤浩市-余貴美子,草彅剛-?(出てこない)の3夫婦(婚約中の綾瀬はるか-三浦貴大も加えると4カップル)が登場するが,
多少とも関係が,描かざるを得ない関係として明らかになったのは,バイプレーヤーの佐藤-余くらいで
肝心の主役,高倉ー田中については,なれそめが少し描かれているくらいで,
妻が存命中の夫婦関係は明らかでないし(妻の希望で子どもない生活を選択した,くらい)
そもそもなぜ2通の遺言(一通目は散骨希望,二通目は散骨先局留め)が必要だったのかが描かれていない。

最後に高倉が佐藤にその意味はこういうことだったろうと語り聴かせているのは,
映像で描けなかったことの証左であろう。

亡妻の故郷の海に散骨するというのは,妻の遺言に応えたものであり,
それはそれで,良好な夫婦関係を示しているのであろうが,
「初めてのお遣い」ではないのだからそれ自体を描くことにはさして意味が無い。
物語である以上,それに係わって大小様々な夫婦のストーリーが込められているはずだが,
残念ながら映像からはそれを十分読み取れなかった。

これが健さんの最終作品に終わらず,次作が企画されることを期待させる一品だった。


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