2012年9月15日土曜日

聴き取り

9月14日(金)午前,市役所の福祉事務所で生活保護の受付実態について話を聴いてきた。


2009年度から毎年100名ずつ,1割ずつ増えている。
(リーマンショックは2008年夏,全国的な派遣切りは08年末から09年初めがピーク)。
平成23年度の保護率は6.48パーミル(千分の地位)である(県内最高は11.85パーミル(Y市),最低が1.77パーミル(Y町))。

「都市部」「製造業の街」に多い。
職を求めて人が流入する都市部は身寄りのない者が多く,農村部は大家族で支え合える。
また円高による工場海外転出等で製造集積の高かった街では次の職にありつけない者が多くなる。
(平成23年度の全国平均は16パーミルを越えており,県平均5.93パーミルはそれに比し随分低い)


世帯分布で見ると,労働能力のある,分類上「その他の世帯」世帯は,2名以上の世帯ではそれほど増えていないが,単身世帯で顕著に増えている。
しかも,単身世帯が全体の8割を占めている。

保護開始理由としては「勤労収入等の減少」が最も多い(そのすべてが世帯分類でいう「その他の層」とは限らない)。
年齢性別構成を見ると,男性50-59歳層,男性60-69歳層が多い。彼らは失業した場合,正社員への再就職は難しいからであろう。全年齢計では男女はほぼ同数。

申請の際に調査への同意書を提出して貰い,金融機関等に調査する。しかし,a.支店毎の額しか判らないケースがある,b.稀に回答を得られないケースもある。生活保護法第29条は「調べることができる」としか規定しておらず,金融機関に対する強制力はない。
生活保護費の4分の1は自治体の負担であり,平成23年度本市では25億円弱に達した。

求職者支援制度を受けられることになれば,減らすが,支給額が10万円なので保護打ち切りには至らない。

全体として,申請抑制,いわゆる「水際作戦」と受け止められないよう,「生活保護を受けられる人には給付する」が基本姿勢のようであった。

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