2011年11月2日水曜日

うつむく生徒

11月1日 大学訪問に訪れた福島県立高校の生徒を対象に模擬講義「非正規雇用」。
先日,別の福島県立高校の生徒を対象にした50分の模擬講義にエピソードや確認問題を加えて90分構成にした。

講義スライドはデータ,図表中心なので,サクサク進んだものの,
途中でうつむく学生が多いことに気付いた。
最初は午後一番なので眠いのかなぁと思っていたが,
居眠りする生徒とは別にうつむき加減の生徒も少なからずいる。

内容に関しては,前半の非正規雇用の特徴や年齢別性別内訳等は難しいはずはない。
難しいとすれば,後半の非正規雇用増大の背景,社会的影響(格差拡大,年金未納問題等)だ。
これを解説しないと,大学の講義にならない,と考えて加えた。
こういう問題があるよ,見方があるよ程度でよいから聞いておいて欲しい話だ。

しかし,高校生にはやはり難しかったのであろう。
そもそも大学の講義ならそれぞれ一回ずつ分けて解説するテーマだ。
しかもそれ以前の回には関連した話題がいくつも解説されている。

なぜそうか,何が要因かなどの解説は重要だ。
しかし,要因は多面的かつ多層的だから論点は多岐に亘る。
例えば,非正規雇用拡大の背景としては経済のグローバル化のなかで労働者派遣法が改正されたことがしばしば挙げられるが,
それぞれ解説が必要だし,
その前段として,それ以前の国際的競争や非正規雇用の用い方との違いを解説する必要がある。
これでは予備知識のない生徒や学生には晦渋にしか映らないのであろう。

一言で言えば,
初学者ほどより直感的に説く必要がある,ということになるのであるが,
しかし,そのためには層的かつ多面的な要因の多くを削ぎ落とす必要があり,
その取捨選択でいつも悩まされるのである。

10日後にはまた別の高校の大学訪問があり,
今度は45分の模擬講義をすることになっている。
単純に言えば,今回の半分で
話の中野論点も削ぎ落とす要因もばっさり半分にせざるを得ないのであるが,
単純には割り切れないところでもある。

その後,朝方提出された放送大学学生の卒業論文の草稿を読んで,コメント。

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