日曜日の夜,ホリプロ創業者堀威夫の評伝,村松友視『ギターとたくあん』(集英社,2010)を読んだ。
前夜のシナリオライターによる小説と異なり,
小説家による評伝はやはり読みやすい。
文章力というより,文章としての飛躍がないからだ。
他方で,堀の足跡を振り返ることで,バンドマン出身で芸能プロダクションをはじめて株式上場させたこの男の何を明らかにしようとしたのか,不明な点が残った。ギター的資質(バンドマン性,企業家性),たくあん的資質(堅実性,良識性)の両面性といってもいうだけでは食い足りない。誰しも一面的である方が稀有なのだから。
評伝は,小説ほど著者独自に造形できないとは言え,対象とのスタンスがもっと明確であった方が良かったのではないか。
12月13日 大学院教務厚生部会。「専門基礎演習Ⅱ」は小沢修司「ベーシック・インカム構想にみる『就労』と『福祉』の転換」(『社会福祉研究』6,2005)の報告。所得への比例課税,福祉国家の限界,労働市場の流動化について。第1,第3の点は次回の宿題。
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