2013年5月31日金曜日

ご冥福をお祈りします。

研究室で中国人留学生とマンツーマンで大学院ゼミを開いているところに
昨日馬渡尚憲先生が亡くなられたとのメール連絡があり,呆然としていた。


九州は福岡から山形に赴任した僕は,先生主催の経済学研究会に,いわば居候みたいな形で籍を置かせて貰った。
年1回8月に開催される研究会は,先生の法政大学時代,あるいは東北大学での教え子である全国の研究者が顔を揃えられていたので,
そのお歴々の前で何度も報告させて頂いたことは,僕にとっては貴重な経験であった。

僕は報告では,しばしば先生からより具体的な主張,データに基づく主張をアドバイスされていた。
有り体に言って,当時先生は既に経済原論的な研究分野からは距離を置かれていたように感じられ,
「生粋の原論屋」を自負していた僕からすると,例として挙げた事例ばかりでなく,理論面でもコメントが欲しかったのだが,
それはそれで,僕の中に一層原論屋としての仕事を意識させることにもなった。

個人的にお話をしたり,アドバイスを受けたことはあまり記憶にないが,
昨年松山での経済学会からの帰り,仙台までの直通便はなく,乗り換えの伊丹空港で,あることでご教授いただいたことが記憶に残っている。

ある概念の経済学史的淵源についてアドバイスいただいたのだが,
未だその点を調べていないので,詳細は省く。

未だ先生にご報告できるだけのまとまった成果は上げていないが,
上にも記したように,非原論的立場へと旋回をされている先生の前で,年1回ご報告することを励みとしてきた者としては,
ただただ感謝すると同時に,ご冥福をお祈りする次第だ。

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