2012年11月25日日曜日

石を積む

論文はアイデアが勝負だから,
シッカリした  アイデアもなしに思いつきというか問題意識が芽生えた程度で筆を執るわけには行かない。

そんな当たり前のことは,習作時代,論文を書き始めた時期,というかせっつかれて論文を書いていた時期に疾うに身に滲みて学んだはずだが,
その正に止むに止まれぬ事情に「せっつかれて」論文を書くことになったために
この2週間近く,一定の段階でピタッと筆が止まり,
平日,他の用がなく研究室に籠っても,
休日,ドトールコーヒー,スターバックスと渡り歩いても
二進も三進も進まなくなった。

当初の見通しが甘く,
勢いで書き始めたことの祟りが覿面に露わとなった形だ。
「後悔先に立たず」。

もっとも,書き進めている途中で壁にぶつかり,二進も三進も,ということ事態は珍しくもない。いき
一定の図面を以て書き始めても,論の進め方,構成がシックリ納得できなくなるからだ。
こういう時は,当初の構成を一旦崩す勇気が必要で,
納得行かない構成を引き摺ったままでは,本人も先の展開に自信が持てず,論文が仕上がる予感がしなくなる。
逆に構成をがらりと変えることで,問題に対する理解が当初よりさらに深まる。
そうすると,先の展開にも自信が持て,論文の仕上げに向けて邁進できる。

泥縄式に書き始めた場合の二進も三進もと,ある程度構想を詰めて書き始めても逢着する二進も三進では全く違う。
泥縄式の場合「それみたことか」と気が滅入って当分書き繋ぐ気が起こらない。
後者の場合も戸惑うこと自体は同じだが,それを機に認識がより深まる予感がする。

しかし,一度固めた構想を一旦反故にしてまた練り直す,という意味ではどちらも「賽の河原の石積み」をしているような気にもなるものである。
キッカケ,経緯はどうであれ,
今まで積み上げたものを壊す勇気がなければ,先に進まないものである。

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