今日の日経「経済教室」。「格差を考える(上)」として森口千晶一橋大学教授「戦後日本,富の集中度低く」。
成人人口の上位0.1%の高額所得者の所得が総個人所得に占める割合「上位0.1%シェア」を1890年から2012年まで追い,キャピタルゲイン(株,土地の売買益)を除いた系列をみると,産業化初期の急成長期(1890~1938年)に所得の集中が急激に進み,大戦前夜に9%を超えたが,戦中に急落し終戦時には2%にまで激減,高度成長期(55~73年)には低位で推移し,安定成長期にさらに1.5%まで低下していることを確認し,「日本の高成長は戦前には「格差社会」,戦後には「平等社会」のなかで実現」「ピケティ氏が警告する「富裕層のさらなる富裕化」が起こっているようにはみえない」と結論。
戦後「平等社会」に転換した原因として挙げられているのは「日本的企業システム」(株式持ち合いによる内部昇進と企業内組合の企業統治への参加)により戦前に比べて配当・重役報酬が大きく低下したこと。
しかし,
「経済の金融化」が強調される今日ではキャピタルゲイン(グラフの点線)も考慮する必要がある,
統計の先=12年以降は株価が著しく上昇している,
日本的企業システム自体が変質している(配当・重役報酬重視への転換,労組組織率低下)等
を加味すると,
戦後と一括りにはできない時期に来ているのではないか。
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