2013年9月22日日曜日

費用負担と事故処理の主体

福島第一原発の汚染水漏れが次々と発覚し,
五輪招致を決定するIOC総会を前に
安倍首相は、税金の負担で凍土壁の導入するなど「国が前面に出る」ことを表明した。

しかし,費用負担と処理主体の問題は別だろう。

現在は,旧民主党政権も現自公政権も東電が賠償及び原発処理の主体,という考えである(東電存続方式)。
賠償機構への他の電力会社や国の出資という形で税金は出て行くが,
あくまで賠償当事者は東電である。
事故処理も同様で,
初動時に馬淵議員が主張した遮水壁導入が見送られたのも,
汚染水の貯蓄タンクに溶接式でなく,ボルト式が選択されたのも,
私企業としての東電の判断による。

賠償主体として存続させるために(何十年も掛けて賠償財源を捻出するために)電気料金値上げも認められ,
そのたびに非難を浴びる。
社員のボーナス支給にも「事故を起こしておいて」と非難を浴びる。
いわば,悪役として矢面に立たせ続けられる。

これでは社員のやる気も失せるのではないか。
若くて優秀な社員は辞めていくのではないか。

事件の責任を問うのと事故処理の問題とは分けた方が良い。

東電を破綻処理しても(費用負担の優先順位を株主,融資元に求めて),
賠償にはとうてい足りないので税金が大幅に投入される。
しかし,税金投入は存続方式も同じだ。
何より国が事故処理の主体であることが明らかになる。

今のままでは私企業としての限界が露わになってから,国が前面に出ていく,の繰り返しになるのではないか。




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