2012年12月4日火曜日

思い出公示

3日,急遽経済理論学会の西南部会が設定され,報告の機会を得た(「いわゆる再生産労働について」)。
月曜日の変速開催にもかかわらず,恩師や弟弟子?が参加して下さり,貴重なご意見を様々いただいた。
これからゆっくり検討し論文に反映させたい。

当日は,博多駅のセンタービル前からバスを利用した。
現在では大学の案内ではJR駅からでも天神(私鉄福岡駅)からでも地下鉄の利用を勧めているが,
せっかくなので,昔利用した,当時の系統番号10番ないし20番のバスに乗ることにした。

4,5年前,全国学会の時も乗ってはいるが,待ちの移り変わりを確かめてみたかったのだ。
経路自体は全く変わっていない。
特に箱崎近くの旧路面電車の線路を利用した道路は狭い道ままだ。
ただ,学生時代,一時通った料理屋はスナックに変わっていた。

別の,院生時代のアパートに近い喫茶店Wには回収券まで購入して週3,4日利用していた。
小柄なイケメンマスターと少し小太りした女将さんの2名で切り盛りしてして,
客も多かったが,二人が仲が良すぎて客の居る前で夫婦喧嘩することも珍しくなかった。
客も毎度のこと,というように店に置いてある漫画本や週刊誌をめくったり,食事していた。

店は普段音楽を掛けていたが,たまにラジオ放送を流していて,
阪神タイガースが20余年ぶりに日本一になった瞬間はこの店のラジオ中継で聴いた記憶がある。

また,あるとき,見覚えのある銀髪の紳士が尋ねてきた時にはビックリした。
やはり学生街の,より正門に近いところで洋食屋Sのご主人だったからだ。
討ち入りでもなかろうに,何事かと様子を伺っていると,
銀髪紳士はただでさえぎょろっとした目をさらに輝かせて「宜しく」と声を掛けてパンフレットを置いて行った。
当時の政権党のパンフレットで,業界団体の役員として選挙活動をしていたのだろう。

銀髪紳士の店は,5年前に訪れたときには既に店仕舞いしていたが,
仲の良い夫婦も既に年金生活に入っているだろうから,店を畳んでいても不思議ではない。

それだけ思い出深い店ではあったが,
今日から衆議院選挙の公示のせいか,
不思議と思い出すのは年中行事の夫婦げんかよりも,
銀髪紳士がパンフを持ち込んできた場面の方である。

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