2018年12月9日日曜日

好評得られず

 半年に1回開かれる三大学合同ゼミが2018年12月8日(土),宮城学院女子大学で開かれた。
 第35回のテーマは結婚相手は抽選で」。
 ドラマのタイトルだとか
 主催者側の論点にしたがって,各テーブルで議論し,おおよその意見を 順番に発表する,を3ランドこなしていた。

 最後に教師の講評。
 当方のコメントはおおよそ次の通り。

 田中先生からは準備が捗っていないとの連絡を受けていたが,蓋を開けていれば,結婚を少子化問題と結びつけていたので,各テーブルの学生にもわかりやすく,議論がなされていたようだった。
 しかし,結婚と少子化問題を結びつけわかりやすくなった反面として,結婚制度が自明のものとされてしまったように思う。確かに第3ラウンドでは、結婚を前提にしない子育てがテーマになり,フロアーからは婚外子の子育て支援などが提言されていた。しかし,現在,出産,子育ての前提が結婚になっているのはなぜか,事実婚における出産,子育てが広まらない原因は何かに目を向けて欲しかった。例えば,時々ニュースになる「寡婦控除」。死別ないし離婚による母子家庭,父子家庭には所得税,住民税が控除されるが,結婚しないカップルの間に生まれた子どものひとり親世帯にも寡婦控除が適用されるべきか。結婚の結果生まれた子(嫡出子)か未婚のまま生まれた子(非嫡出子)かは子どもには責任はないので寡婦控除を適用すべきという意見もあれば,否,家制度を守るためには非嫡出子の保護は適切ではないとの意見もある。
 こうしてみると,普通いう結婚とは法的保護のあるカップルになるということ。そして,結婚を出産や子育てと一旦切り離して,法的保護の有無に絞ると,最近話題のLGBTも係わってくる。
 たしかにLGBTカップルは子どもを産めない。しかし,カップルのうち年収の少ない方が130万円未満の場合,その者に年金,医療保険等の保険料が課されない第3号被保険者制度は適用されるべきか。同じく年収103万円未満場合,他方の所得税が控除される配偶者控除は適用されるべきか。
 結婚を出産・子育てと一旦切り離してみれば議論に膨らみが出たのではないか。
 
 突然このようなことを言うのでは好評を得られなかったかも知れないが。

 

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