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われわれは,生産的労働・不生産的労働概念をそれらと表裏一体的に捉えられていた価値形成労働・非形成労働概念と区別し,一方で賃労働を支える再生産労働,他方で価値非形成労働の理論的位置付けを明らかにしてきた。しかし,価値非形成労働の要件については不明確な点を残していた。ここではまずその点に検討を加えた (I.)。
ついで,価値を生まない労働とは生産過程ではどのような役割を果たしているのかを検討する(II.)。単純労働以外の労働類型として先行研究が指摘する生産過程間の調整を行なう調整労働も,生産過程間が連結可能とする「労働の標準化」も,どちらも追加供給に難があるという意味では,価格変動の重心を規制する価値を生まない労働である。しかし,後者は就労前に,すなわち企業外で形成される熟練であるのに対して,経験による判断が要求される前者は企業内の就労に伴って蓄積される熟練であり,類型を異にすることを明らかにする。
さらに,後者の場合,労働者の技能養成を誘発する仕組み,賃金制度とはどのようなものか,を最後に検討している(III.)。「労働成果の内容」を評価する後決め型出来高賃金制度を唱える先行研究を検討し,企業内技能養成は,出来高賃金等の賃金形態の問題ではなく,その賃金設計,能力の蓄積を認めたうえでその更なる伸長を促す賃金の等級制度にあること,現行の等級制度の問題点を踏まえて,正規労働者ばかりでなく,実質的に勤続を遂げている非正規労働者にも技能養成を誘発し,不合理な賃金格差を排除しうる能力評価の仕組みと昇級管理を明らかにした。
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いくら投稿直前に慌てて執筆したと言っても,これではあんまりだ。
目次を眺めながら要約を記しただけ(実際その通り^^;)で,なぜこのような論文に取り組んだのか,著者の意図が全く不明で,いきなり「要約示めしすから本文読め」というようなものだ。
そこで,今朝,次のように改めてみた。
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働き方改革法案の中には,非正規雇用の正規雇用との格差を是正する仕組みが盛られていた。その内,手当や賞与に関しては,法案が通過する前から,一定の是正がみられた。既に2016年12月に政府が公表した「同一労働同一賃金ガイドライン案」に基づいて,訴訟が進み,法案通過の直前,2018年6月1日には,手当支給や(定年退職後,再雇用された)嘱託労働者の正規雇用との賃金格差に係わる2件の最高裁判決が下りている。しかし,複数の決定要素が絡む基本給の賃金格差是正には見通しが立っていない。すなわち,非正規雇用の賃金は,正規雇用と異なり,勤続昇給していない状況の是正は依然として望まれる。
ここでは,勤続昇給する労働とはどのようなものか,その理論的位置付けを追究した。
すなわち,まず勤続昇給する労働を,価値を形成する単純労働とは異なる類型とし,価値非形成労働の要件を検討し,その特徴を追加供給困難な労働に求めた(I.)。ついで,価値を生まない労働とは生産過程ではどのような役割を果たしているのかを検討し,技能蓄積が企業外で行われるものと企業内で経験に基づいて行われるものという2類型の労働を摘出した(II.)。最後に,後者の場合,労働者の技能養成を誘発する賃金制度とはどのようなものか,また技能・知識の蓄積とは無関係な勤続昇給が滑り込まないようにするには賃金制度の運用面でどのような工夫が必要かを検討した(III.)。
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今度は要約が短く,丁寧ではない。しかし,要約自体は「むすびに代えて」でも記している。
幸い合同ゼミでご一緒した執筆者たちはまだ論文を提出していないようだから,もう少し練ってみよう。
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