2015年5月12日火曜日

労働者の個性

講義の最後に,確認問題への回答と質問,感想等を求めるレスポンスカードを配布回収していると,全体のせいぜい5%くらいだが質問,感想が寄せられる。
そのうち,初学者の知識不足による質問,言い換えると正誤がハッキリしている単純な質問はここに載せるまでもないまでもないが,
初学者に限らず世間に一般的な疑問,あるいは深く考えさせる質問は紹介してみたい。

労働力商品が「社会的平均的能力」の売買であることについて「労働力には個人差があるものなので,社会的平均的能力だというのには少し違和感を覚えた。」

「一般の労働者は個人差を問われていない。単純な例が残業代の有無で,仕事の手順を本人では決められない(裁量性がない)以上,残業の発生は,個人の能力の問題ではなく,与えられた仕事が多すぎた,ということです。」(今日の講義で回答予定)

詳しい説明になるとかえって難しいので、講義プリントには下の図とともに掲載した。


新聞のイラストもあくまで例示で,細かくいえば,課長という肩書き,職位だけでは「残業代不要」とは言いきれない(例「名ばかり管理職」)。
裁量労働のイラストに三角マークを追加したのも、裁量労働に対する「見なし労働」適用は,8時間と見なせば,実際には10時間でも残業代不必要だが,9時間と見なせば,6時間労働でも残業代が1時間分支払う必要があるからだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿