2012年10月28日日曜日

バッドスタート・バッドフィニッシュ

2日前になるが,28日金曜日の日本経済新聞,経済教室欄は高山憲之,白石浩介両氏による「「非正規」の低年金、深刻に---国は正規転職、支援を 職業訓練は雇用の現場で」

「ねんきん定期便」に着目し,調査を実施して膨大なパネルデータ(個人の長期に亘るデータ)を得て,いくつかの発見をしている。同記事では4つ挙げている。

そのうち,第1の,初職時非正規雇用比率が上昇している点は既に『就業構造基本調査』で指摘されていた。

第2の,加齢に伴う就業状況の変化に男女間で大きな差がある点は衝撃的で,要は,男性は初職時非正規雇用でも30歳までは「加齢とともに正規への転職者割合が総じて漸増する」一方,女性は「年をとっても非正規のまま残存するケースが多い」。

第3は,正規雇用転換への影響に関するもので,初職に雇用期限の定めがなかったり,勤続2年以上の経験が一度でもあれば,正規転職比率が高まるものの,公的機関での職業訓練経験は逆に低くしている。

第4の,初職が非正規雇用の者が保険期間25年に達せず「無年金」に陥る確率が男性は50%,女性は90%程度も衝撃的だ。

併せて,拠出に応じた給付という年金原則からして非正規雇用向けの年金改革には限界があるとして,正規雇用転換を促す政策,「非正規から正規への昇格規定を設ける事業所を増やし、職場内訓練・能力開発への補助金」の拡大が提案されている。

貴重な発見とそれにもとづく提案,と言うべきだろう,



(表題は記事から取りました。その意味は本文で述べた通りで,「近年イタリアをはじめ欧州各国で関心が高まりつつある」そうです)

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