2018年2月5日月曜日

生きにくい時代

 投稿していないなぁ,そろそろと思っているうちに1カ月も空いた。
 紀要原稿の校正,学期末の講義資料作成,年報原稿の校正と紀要の第2校,期末試験の採点に追われていた。

 この間,起きたことについて投稿しようとしたが間延びしてしまった。
 特に西部邁氏の死去については,その論稿をさほど熱心に読んでいたわけではないが,保守派の代表的論客と思っていただけに,驚き,戸惑った。(ご冥福をお祈りいたします。)
 安倍内閣が高支持率を維持したり,早紀の総選挙では「リベラル派排除」が民進党から希望の党への組み替えの旗印になるなど,保守勢力の伸長が著しいように見える。しかし,安倍一強の中で信条の強固さや層として厚みは感じられない。

 安倍・プーチン首脳会談を計17回もこなした北方領土交渉は,これまでの政権が拒否していた(領土のロシア主権を是認する)共同経済活動締結で終わった。
 安倍首相が意気込む改憲の案も,憲法9条2項(戦力不所持)は残したまま,第3項で自衛隊を明記するレベルだ。
 社会保障予算見直しの中で,教育無償化など従来リベラルが主張していた政策が前面に押し出されている。
 待機児童解消論も,女性の社会進出を前提にいしているが,従来,家庭生活に重きを置いていた与党内でその是非を問うているようには見えない。

 安倍一強は続き,野党は分裂し政権奪取の目処は付いていないにもかかわらず,政権の繰り出す施策は,必ずしも保守的とは言えず,むしろその時々の国民の要求に反応しているだけで,政権の維持が自己目的化ているように見える。

 西尾幹二『保守の真贋』が吐露しているように,「保守期待の星」である安倍晋三氏が首相に返り咲いて,保守の運動はかえって停滞した。

 以上は保守だが,
 世間的に排除され気味な改革派も,「リベラル」と一緒くたにされては堪ったものではないであろう。
 それぞれが何が正しいかを思索し,時には強調しつつ,考えを深めてきたのに,その考え,スタンスの特徴には関心がもたれないのでは。

思想的に純粋であろうとするには,生きにくい時代になったのではないか。
 

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