2017年2月23日木曜日

高瀬にて

 2月22日 昼休み大学院改革の説明会。
8時より県からの受託事業「地域課題解決実践活動モデル事業」の成果報告会。
今回は高瀬紅花ふれあいセンターにて。
同時号23年目の今年度は,一年目の高瀬,二年目の山寺地区を一体的にとらえ,仙台からの道,二口街道,仙山線,高速道路を媒体に仙台圏からの誘客や地域振興を考える,がテーマなので,2地区で報告会。
今回も地元の方が様々質問,助言をくださった。

2017年2月22日水曜日

おさらいとしてのワークショップ

 本務校の基盤教育のなかの基幹科目では,来年度よりワークショップを実施することになった。
 世はアクティブラーニング花盛りである。
 同様に,昨今は本務校に限らず,シラバスに講義メニューのみならず,成績評価の基準,手法を詳細に記すことが求められている。

 自分もここ数年来,基幹科目として「市場と人間の生活
 しかし,自分自身は経験がないので,どのように授業を進めたらよいか,皆目見当がつかない。
 そこで,シラバスでは,講義メニューを一部見直すと同時に,3つの単元の最後におさらいの時間を設け,
まとめをレポートとして作成したり,グループ毎の理解や考えを交えるワークショップに当てたりする」と記述することにした。

 これから開講までの間に具体的な案を練る必要がある。

収穫は乏しい

 先週の内にゼミ生のまとめレポートの講評を作成し,自分の勉強に戻った。
 生産的労働から少し手を伸ばして,価値と労働の問題だ。

 しかも25年以上も前に出た古い本。
 別の方から贈られてきた論文の抜きづりに目を通していて気になったからだ。

 しかし,頭に入らない

 第一に,重要なテーマだとは思っても,アプローチの仕方,あるいはそもそも関心が異なるので,問題の攻め方が「外在的」だと,ついつい批判的にみてしまうからである。

 しかし,第二に,より大きなことは,漫然とした関心で手に取ったので,なかなか集中できないということであろう。

 試験の採点,レポートの講評を終え,こなさなければならない作業は少ない,勢い自由時間がたっぷりある。
 そのため,取り組みが漫然としていたのであろう。

 土日潰した割にはさして進まなかった。
 漫然と過ごしたのでは収穫は乏しい。
 もう何回繰り返した反省だ。

2017年2月15日水曜日

コウセイ!

 2月14日 「教養セミナー」のまとめレポートの講評を受講生に送付。
 その前日辺りから,経済原論演習のまとめレポートの講評作り。
 いわゆる研究論文ではないから,教養セミナー同様,公務員試験に適用される採点基準,内容,構成,表現の三面評価を用いた。

 迷ったのは,内容についてどこまで踏み込むか,ということ。
 論理展開の不備,知識不足にタイ売る指摘は良いとしても,本人の結論に密接に関わる部分については本人が検討するしかない。
 その部分まで,「コウセイ,アーセイ」と指摘していたのでは勉強にならない。

 そこで,構成面を中心にコメントした。
 本人の設定した命題,言い分は尊重しなければならない。
 しかし,その命題を導く手続きは改善の余地が大きい。

 結局,「全般的に言えば,結論への展開からみて余分なの要素は削るか,補足として別に配置した方が良い,ということです(せっかく調べたしたことを削るのがつらいのは我々が論文を書くときも同じです)」。

2017年2月12日日曜日

現地報告会

 2月12日 午後,山寺コミュニティーセンターにて県から受託した「地域課題解決実践活動モデル事業」の成果報告会。
同事業は,地域が保有する観光資源や歴史資源を,若者が現地実態調査によって独自の視点によって掘り起こし,地域の振興や仙台圏からの誘客に活用することを趣旨とした県の事業であり,学部と県村山総合支庁との合同研究会「山形仙台研交流研究会」はこの事業を3年連続で受託し,本年度は,高瀬,山寺両地区を一体的に捉え,仙台圏からの誘客策を検討した。
この課外活動に参加した12名の学生は,3班に分かれ,それぞれ仙台からのルートである二口街道,仙山線,高速道路を担当し,フィールドワークと学内ワークショップを重ねた。
当日は,その成果を地元住民の前で報告することになった。
20名を超す住民は,学生の報告に耳を傾け,種々様々な質問が飛び交った。
また,報告後はフロアーのそこかしこで学生,教員,住民を交えた議論が行なわれた。

頭の片隅

 2月11日,12日 「教養セミナー」のレポート講評作り。
 同セミナーでは,最後の2回をまとめレポートの作成に当てた。
 レポート提出を単位取得の条件にすると,提出すれば単位は貰えるだろうと安易に取り組む学生が出てくる虞があるし,他方で,レポートを書くのが苦手でレポート提出を放棄する,つまり単位を諦める学生が出てくる可能性がある,現にかつてあったからである。

 初回,作成途中のファイルを提出して貰ったところ,とてもあと1回で完成するとは思えなかった。
 そこで,事前準備が重要だと伝えると同時に,2回目で完成していなくてもOK,と告げていた。
 実際2回目冒頭でも,途中OKだが,節構成を意識する(節のタイトルを明示する),段落分け、出展を明示するという3点だけを求めた。
 レポートの指導は1回で終わるものではなく,1年生の時からさまざまな科目で繰り返し教えるほかないと考えており,1年生に多くを求めていないからだ。


 結果、欠席1名を除く11名のレポートはほぼ完成していた。

 こちらもレポートの出しっ放し(教師側の受け取りっぱなし)では済まないので,講評を作成することにした。
 その際,公務員採用試験に倣って,内容,構成,表現の3面評価を用いることにした。

 これが難しい。
 一読すれば,出来不出来の判断は容易にできる。
 しかし,問題点を具体的に指摘するとなると、採点基準を念頭に繰り返し読みかえす必要がある。
 実際,学生が講評を呼んでくれるかも怪しい。

 しかし,表現には表現でお返しするのが筋であろう。
 講評も三側面に即して行なうことは,こちらにとっても文章の基本を見直すことになる。

 こうして、頭の片隅では「受け取りっぱなし」に魅力を覚えつつ,週末を潰したわけである。

2017年2月10日金曜日

格差と貧困

 ゼミのテキストを学生との話し合いで決めていると,
テーマはその時々で変わる。ピケティ,若者の雇用,貧困世代,労働法改正等々。
 
 もっとも「経済原論演習」らしく,柱は格差や貧困になる。
 こちらもこんにちの問題としてテキストを一緒に読み,内容を検討していく。

 そのうち,両者の違い,ズレ,振幅が気になってきた。
 もちろん,まだ考えが固まったわけではないが,
そのズレは何だろうか,と考えてみると,
対象,「主体」の違いに行き着く。

 今日「貧困」といって取り上げられるのは主に高齢者や母子家庭だ。
 もちろん,「経済指標の解説」でも指摘したとおり,2016年の消費は前年割れとなるなど,日本経済全体として消費抑制が進んでいる。また相対的貧困率でいえば,全体平均も子どもの居る家庭も15%を超えており,先進国では上位に位置する。
 しかし,生活保護需給世帯の5割超が高齢者世帯である。また,同じ子どもの貧困率もひとり親家庭となると50%を超える。
 つまり,「貧困」を以前より生活を切り詰めていることまで広げれば,日本全体で起きているとみることも可能だが,以前より低い平均水準にとうてい届かないという意味(相対的貧困率とは所得の中央値の半分以下)に捉えると,特定の主体,世帯類型に行き着く。
 
 これに対して,格差は労使間でも,正社員,非正規雇用という労働者間でも存在し,同一労働同一賃金の導入など社会的問題,政治的課題になっている。つまり日本経済全体の問題であり,主体は一部の労働者に限られない。

 もちろん,両者は関係する。
 今や就業者の9割超が雇用者なのだから,生活格差の源は収入格差と言って良い。
 
 生活保護世帯の半分が高齢者世帯(男女とも65歳以上の者のみで構成されている世帯か,これらに18歳未満の者が加わった世帯)であるのは,低年金,無年金が原因とされている。現役時代に週の所定労働時間が短かったり,会社規模が小さいため厚生年金には入れず,国民年金の保険料を払った期間が短いからであろう(昨年まで25年未満は「無年金」)。
 また,母子世帯の貧困率が高いのは,正社員非正規雇用の賃金格差と男女賃金格差の2つが重なっているからであろう。(幼子を抱える母子家庭では非正規雇用が多い)

 つまり,「格差」と「貧困」は当然関連している。
 しかし,「格差」と「貧困」では,より悲惨な「貧困」の存在に関心が引っ張られやすいが,別物である。
 格差の問題は,たとえ限定された意味の貧困でなくても,ついて回る。
 軽であれ自動車を所有し,たまにであれ外食や家族旅行を楽しみ,ローン奴隷といわれながらもマイホームをもっている者であっても,格差は見過ごしにできない。
 性別格差は男性であっても、「我関せず」されて良いわけではない。
 収入は抑えられているから,貯蓄は限られ,子息を大学に進学させることができても,奨学金ローンが子息に負債として残る。また,将来無年金ではなくても,国民年金は40年間は払い続けていても月65,008円に過ぎない。厚生年金が上乗せされても,低賃金であれば,上乗せ額は小さい。つまり,「貧困」にいう「無年金」「低年金」とは異なるが,準「低年金」であるから将来生活に不安を抱えることになる。日本経済に蔓延する消費抑制の源である。

 「貧困」に対しては,子息に養って貰え,同居させて貰えとか,離婚するなとは言えない,強制できないから,対策は勢い対症療法となる。
 しかし,「格差」は,「貧困」ではなく,直ちに税金による給付(公的扶助)が必要になるわけではないが(もちろん高校,大学無償化等の政策はあり得る),将来「貧困」に陥らないような制度設計が必要になる。
 賃金格差の解消,勤続の保障,ステップアップのための職業訓練への助成,「無年金」「低年金」を生じさせないような年金改革等々。

 対策を分けて考えるためにも,「格差」と「貧困」は意識的に分けて考える必要があるのではないだろうか。

2017年2月9日木曜日

なるほど立春

 「明日から仕事」と宣言したものの,さして進まず周回ばかりの2月8日,9日。

 2月8日には別の私学から追試験申請書が送られてきたが,追試験の実施要項(時間や持込みなどの指定),試験問題の締切りが翌9日15時指定。
 そもそも郵便物を受け取ったのが21時過ぎ帰宅してから。
 追試験希望者がいるのは分かっていたので,夜の内に問題作成,印刷。

 山形は9日朝には道路,歩道の雪もすっかり融け,道ばたに雪を残すのみだったが,帰る頃には冷たい雨、雪が降り始めた。
 しかし,雪は降ったりx3,止んだりしているが,朝も6時半頃にはすっかり明るくなっており,春が近づきつつあることを感じさせる。
 なるほど立春だ。
 

 


2017年2月8日水曜日

明日から仕事

 2月7日 前日届いた某私大の追試験問題を採点。最終的な成績評価をオンライン入力。
 昼休み経済経営系会議。午後,学部教育委員会。
 
 それ以外は前日に続き,新たに導入した中古PCの環境設定。
 今日は主にTEXのインストールと、Dropbox, OneDriveなどオンラインストレージの整理。
 明日から仕事しよう,っと。

2017年2月7日火曜日

平坦ならざり


2月6日 ほぼ1日かけてパソコンの環境設定。
4,5年前の新品,デスクトップがのろく感じるようになったので、中古のデスクトップPCを導入。
なんせIntel Core DuoからCore-i5へ,ハードディスクHDDからSSDへ。
快適になるはずだが,その前にソフトのインストール。
文書やスライドを作成するオフィスもインストールし治す必要があるが,
その前にファイルをコピーしたり,コピーした文字列のの履歴を保存したり,編集したファイルをバックアップしたりするユーティリティソフトのインストールが必要だ。

基盤教育のシラバスを編集したほかは専らパソコンの環境整備。

1週間に亘る採点が終わったせいか,むしろ結果を出さない兵站,後方支援に専念。

2017年2月4日土曜日

ぐだぐだ夜更かし

 2月3日 朝のうちに東北学院大学「政治経済学II」の単位評価を確定。
前日までに期末試験の採点を終了させたからだ。日曜日夜からだからほぼ1週間掛かった。
 まだ,追試験の採点が残っているし,通年科目 である過年度生向けには前期と後期両方の成績を掛け合わせて単位評価が必要だ。
 しかし,まとめレポートの作成に入った午後の「教養セミナー」や「経済原論演習」の授業を終えると,半月に及ぶ学年末の慌ただしい時期が終わりに近づきつつあることが実感され,荷が軽くなった気分だ。
 折から金曜日の夜。アルコールに強ければ,思いっきり深酒するのだが,居間でぐだぐだ夜更かし。

2017年2月1日水曜日

まとめのみ

 先週のうちに宮城学院女子大学「経済社会特論」の期末試験の採点を終え,単位評価にも目処を付けたので,
1月28日,29日の週末はいよいよ東北学院大学「政治経済学」の採点に着手。

 しかし,これが進まない。。。。(その理由は後日)

 そうこうするうちに,春闘パンフレット「経済指標の解説」の締切日,月末になった。
 既に,指標解説は終わっていたので,書きかけのまとめ部分(下記)を編集。
 htmlで作成したので,官庁報告や新聞記事からコピー,加工したデータを示す図表が画像として映っているか,チェックして投稿。

◇まとめ◇

 以上、全国経済および本県経済に係わる諸指標を追ってみた。両者は生産と消費の方向がちょうど逆であった。しかし、やはり日本経済全体の傾向に着目しよう。すなわち、全国的には、企業部門、新興国、中国経済の持ち直しにより受注が増えており、特に中小企業では人手不足が顕著である。しかし、3か月後の先行きはなお慎重な態度である。他方、家計部門は一年間を通して消費抑制が続いている。
 消費抑制は、物価上昇が日銀の目標(インフレ・ターゲット2%)を充たすほど高くなくとも続く一方で、賃金の伸びがさほどでもなかったことに起因している、とみてよい。
 安倍首相が賃上げに熱心であることは明らかである。経団連に賃上げを要請する一方で、最賃審議会にも最賃引き上げを求めている。賃上げこそアベノミクスの成果としてアピールしやすい考えているからであろう。
 しかし、言うまでもなく、賃上げ要求は労働組合のすることであり、公権力が直接要求することではない。
 政府には、なぜ賃上げが進まないのか、企業はなぜ利潤を上げながら国内投資よりも海外投資に熱心なのか、賃上げの障害を分析し、それを取り除くことこそ求められている。
 日本企業が日本の国内市場の行方に自信が持てないことが、回収が長期に亘る設備投資が思うように膨らまない原因であろう。
 人口減少という長期傾向のなかで、年金生活者の不安と非正規雇用の増大、若年層における非正規雇用比率の上昇を踏まえると、「国内市場の成熟」を名目に、海外投資の促進という傾向が強まることが懸念される。
 人手不足という意味での好況も、依然海外経済頼み、あるいは端的に円安頼みの面がある。しかし、為替は、トランプ新大統領が選挙で公約した現在・規制緩和・公共事業増発への期待と、個別企業を名指しした海外投資牽制や貿易黒字国への関税引き上げ等保護主義的発言、さらにイスラム諸国からの入国制限令などによりこの間まぐるしく動いており、大統領に就任したばかりのトランプ氏の言動自体が、最大の不安定要因になっている。
 年金を始めとした高齢者の将来不安の払拭、子育て世代の働きながら保育する状況への支援、介護離職の引き留め等、すべて地方における経済環境の改善をもたらすのであり、政府は、減少した人口規模の下でも、国内市場を一定規模に維持するという姿勢を堅持することが重要であろう。そのためには、賃上げは当然として、地方における育児、教育、介護等生活環境、農水産業による国土保全等、地方の将来生活を積極的に提示する必要がある。