2016年11月29日火曜日

月末の一日

 11月25日 教養セミナー「格差を考える」では,効率性と公平性がトレードオフか,が議論された。
 しかし,抽象的に考えると,それぞれの考え方の対置になっていまう。具体的な政策の問題として考えてみたい。
 労働法改革に関する本を扱っている「経済原論演習」は年次有給休暇。なぜ長時間労働が是正されないか,レポーターから議論点が設定され,古い世代の価値観,キャリア官僚の世間知らず,国民の考え方と分かれた。ここでも個人の見方をぶつけるだけではもったいない。テキストの扱う法令は多く,一つ一つは難しいが,具体的な法案を審議段階から追い,さまざまな立場の見解をフォローしたり,あるいは広くグローバス資本主義など国際的な流れから法案を捉え返したりする必要があろう。

 週末は,いつものように?,自宅,ドトールコーヒー,ジムの三角運動。
 現在のテーマを追うことから少し離れ,秋の学会報告の原稿を手直しししていた。

2016年11月22日火曜日

身につまされる

 昨21日,読売文化欄はティム・ヒッチンズ駐日英国大使「間の美学にほれ込んで」。全国版では夕刊かも知れない。

 離日に際して寄せた一文で若き日の日本体験から振り返っている。
「21歳で遠藤周作の『沈黙』を読み、すっかり魅了された。英語では、平安を意味する「静けさ」と、求められる音の欠如を意味する「沈黙」は、ともに「silence」で、区別はない」。

 普段気付かない,日本文化の特長。 
 我が身を振り返って,講義でも論文でも詰め込みすぎだと,身につまされる。
 

まだ先は

 更新が遅れた。 
 ある論者の著書(の一部)を読み返してはノート。ノートを読み返しては朱入れ,時に著書に戻ってチェック,を繰り返している。
 実はこの作業,9月末の学会報告移行,あるいはそれ以前からずっと続けている。
 途中,「これで一篇の論文くらい書けるかな」と思ったこともあるが,考察の浅深,視角の広狭という点で満足できない。そのうち,論点が広がり。。。

ということで,先はまだ見えない。


11月17日 宮城学院女子大学「経済社会特論」は年金記事「(08政権選択にっぽんの争点)基礎年金保険か税か」(朝日2008年2月19日付け)の読み取り。
 その前の週に,日本の年金制度の仕組みと問題点を解説した上での読み取りだったが,レスポンスカードを読む限り,学生には難しかったようだ。未納問題,財政問題,女性の年金問題と,関連する問題を組み込みすぎたせいか。
 午後は,東北学院大学「政治経済学II」は成果主義人事制度。こちらも難しかったようだ。前の回,祝日と特別選抜を挟んだので9月末だ,戦後の日本の賃金制度を生活給から,職務給の導入と挫折,職能給の普及と問題点と解説した上で,この日は90年代末に流行った成果主義人事制度を富士通を例に,その背景や仕組み,問題点と制度改正を解説したが,1回では盛りだくさんだったかな。

11月18日 教養セミナー「格差を考える」はテキスト第3章後半。地方格差,女性の就労。このうち地方格差は,学生がそれぞれ出身地の企業誘致の例や兼業農家の例を持ち出していた。後者は後者で,女子学生に限らず,切実な問題であると言うことが伺えた。
 「経済原論演習」は,前回の補足として,労働時間法制に関する判例を須田君に報告して貰った。労働時間問題は,最近某一流企業の若手社員自殺がニュースになっていたこともあるが,就職を前に長時間労働など,働き方に関心を抱かずにはおけない四年生が選んだ後期のテーマが最近の労働法制の動きだった。

2016年11月10日木曜日

定かではない

しばらく,ある論者の著作を追っていると,今まで見落としたことに気付く。
今まで理解していたつもりでも,より広い構造のなかで述べられている。
原著者により接近したことになる。

それは良いのだが,
細かく論理を追っていると,当初,その著作を読み返そうとしていた意図,目論見を忘れそうになる。
新たにホッくつしたことを再び埋め直して,大枠を見ることも重要だ。

他者の論文を読み返していると,論点の広がりもにも気付く。
今まで論文の主題とは考えていなかった領域にも係わりがあることが明らかになる。
自分は主題として考えたことはないが,著者が関係づけている以上,自分の考えが問われるからだ。

具体的には,労働過程,生産過程の違いなどを考えていると,搾取論,蓄積論との関係も隣接領域として意識せざるを得ない。
今までも避けてきたわけではないが,今後は避けて通れないようだ。

但し,まだ論者の考えを追っているだけで
いつ論文になるのはいつか,定かではない。

浅い冬

新山釣り堀辺り

昨日は予報通り雪が降ったようだが,直ぐに止み帰りは雨だった。今日は,宮城学院女子大学での講義後,会議出席のため,久しぶりにクルマで県境の山越えをするので期待していた。しかし,雪は道の外にポツポツ残るだけで傍らは深緑の山々。冬はまだ浅かった(16/11/10)。
馬見ヶ崎川上流

2016年11月2日水曜日

風邪の予兆

 11月1日 留学生から風邪による体調不良で大学院授業欠席の連絡を受け取った昼前辺りから,頭痛が始まった。
 こめかみの辺りがズキンズキン。
 午後は,大学院授業の時間が空いたものの,臨時教育委員会,教職免許課程ミーティングと立て続けに会議。頭痛が治まらない。
 平熱ではあったが,明らかに風邪の予兆あるいは前期症状と思われたので, ジムには寄らずに自宅直帰,静養に努めた。

ハローウィン前日の30日,住宅街のフェでも

2016年11月1日火曜日

ずっと手前で


 9月半ばの学会報告以来,あるいはその前から方向性に悩んでいた。

 生産的労働をテーマとした博論や自著の発表を踏まえて,
その活用を原論並びに現状分析という広い範囲で行なうか
さらに深堀して,原論内の隣接する諸テーマに範囲を広げるか。

 当初は,全社の大きく展開論だったが,時間が経つにつれ,後者に傾いてきた。
 要は,ことはそう簡単ではない,ということだ。

 学問研究である以上,テーマに関する過去及び現在の学問状況を丹念に調べ,自分にとっての確かなことから未だ不確かなことの回名へと進めざるを得ない。

 これまで扱ったのが,労働と生産の狭間,生産と消費の狭間,あるいは関連移動ということなので,次は,例えば,生産力(生産性追求の試み),流通,蓄積となる。
といっても,単に隣接領域に手を伸ばすではなく,これまで労働に関して得た知見を基にアプローチすることになる。

 実際,この間,行なってきたことは正にお勉強だ。
 まずある論者の生産と労働に関する論稿を読み返し,その蓄積論への展開をノート取りしていた。
 もちろん1人の論者の見解を追うだけでは勉強とは言えないが,これだけでも未だ終わっていない。

 実際にやれる範囲は狭いにも関わらず,先は長い,ということだ。
 ブログにいう「第三原論」の,ずっと手前で佇んでいる感じだ。
 

フィールドワークに帯同

10月29日土曜日,県からの受託事業「地域課題解決実践活動モデル事業」の一環として,べに花の里高瀬と山寺に2度目のフィールドワーク。(主体は学生なので就いていっただけだ)

今年度のテーマは隣接する両地区を結ぶルートに仙台から観光客を呼び込むこと。

学生は仙山線,高速道路,二口街道の3ルートを分担。

事前に学習会を重ねたものの,実際に足を運んでみると,目論見の甘さが露わになり,構想自体の練り直しが必要になったチームも。

来月も現地調査に赴き,12月から具体策の作成に入る予定。