2016年2月29日月曜日

屈託のなさに一抹の救い

2月28日(日) 北九州市出身村田喜代子の小説は,気になっていても,幻想的な叙述がイマジネーション乏しい自分では読みこなせない,と敬遠していた。途中で読むのを止めた小説もある。

朝刊の書評欄で,一昨年の読売文学賞受賞作品『ゆうじょうこう』が文庫本になっていると知り,昼頃手に取り,ジムをサボって読みおえた。


明治中期,貧しい家庭の女性の厳しい境遇が描かれている。
ストライキは実話らしいが,話の流れとしては唐突な感じがする。
同様の環境は少なくとも戦前は続いていたからだ。
しかし,主人公である少女の屈託のなさに境遇は容易に変わらなくても将来を捨てないという意味での一抹の救いを感じる。

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