2014年5月19日月曜日

柄にもなく

自己イメージと周囲の抱く評価外れているのは珍しくない。
人は次第にそのズレに気付いて,自分の抱くイメージ,自己評価を修正していくものだが,
何事につけても習熟に時間が掛かる自分の場合は,
つい最近まで自分はもっと細かいことに拘る緻密というか,ねちっこい人間だと思っていた。
しかし,やがて全く逆で,大雑把で執着心の薄い,言い換えればヘタレキャラクターだということが分かった。

そんな自分からすれば,意外なことだが,
今年の「経済原論」では,
貨幣論の貨幣数量説批判の件で,
アベノミクスの量的金融緩和の考え方や,
実際の貸出が増えていないという新聞に載ったデータを繰り返し紹介している。

アベノミクス解説の部分は昨年の講義資料にも載せていたが,
実際に貸出が伸びたかどうかは今年になってデータが出てきた。

新聞は,銀行の3月決算発表資料から,景気回復による貸し倒れ準備金が減少し利益が増えていながら,業務利益は伸びておらず,その原因は貸出がさほど述べていない点にや低金利で利ざやが縮小していることにあることを報じている。

そこで,講義資料に図表を切り貼りすると,
今度は遅れて決算報告した地銀のデータが報道され,また講義資料に切り貼りする,ということが続いたのだ。

少ししつこいかなと思ったが,抽象理論なだけになるべく現実との関わりのある点を示した方が良いと考え,断続的にデータ切り貼りを行なうことになった。

自分では,柄にもなくしつこく解説したつもりだったのだが,学生はどう受け止めただろうか。

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