2024年3月11日月曜日

送別会での挨拶(2024.3.6)

  3月6日は昼休み,職組の送別会に招かれ,弁当を食しつつ,図書券まで頂いた。

 1991年赴任時より組合に参加しているので何回か執行部委員が回ってきた。覚えているのは最初期,東洋史のA書記長による「組合で大切なのは勉強会や芋煮会などで弁当を配ること(親睦を図ること)だよ」という発言。出不精の自分が米沢の上杉会館,小野川温泉,天童温泉,弘前を初めて訪問したのも執行本部の忘年会や大学職懇(職種別懇談会),東北地区職懇に参加してのことであり,みなさんの組合費の本部上納金のお陰でもある。

 しかし,自分が支部の書記長になったとき,次年度の本部執行委員長を人文支部から選出することになり,組合員を方々回ったが色よい返事を得られず,T支部執行委員長が責任を取って次期本部執行委員長になった。このとき,自分の統率力のなさを実感すると同時に,メンバーの組合に対する結集力に疑問を覚え,以後しばらくは会合にも芋煮など懇親の場にも参加しない幽霊組合員と化していった。


 それが2017年度,T先生,N先生に勧められて支部執行委員に就任したのは,若い先生が苦労されているようであったのと,書記長と違い,委員長はそんなに忙しくないだろうという打算があった。しかし,その時の支部執行部としての活動については全く覚えていない。覚えているのは本部執行委員のT先生に誘われて,大学との団体交渉に応援参加したこと。ちょうど2018年4月より非正規雇用の無期転換の基準である雇用期間5年を超える状況にあった。焦点は外部資金に雇用されて非正規雇用の処遇だった。大学は非正規雇用の無期転換自体は法律の定めに従い受け入れる姿勢であったが,期限付きの外部資金に雇用された非正規雇用は長期雇用を前提していないので不可という立場であった。そこを組合本部は,(本人は採用時には財源が内部資金か外部資金かは知らされてはおらず,採用時の異動でたまたま外部資金に配属されたにすぎないと)押し返して,最終的には所属部局が認めれば追認する方向になった。「やはり交渉は重要だ」と実感した。


 2022年度は地域教育学部を職組の本部とする本部執行委員になった。このときの課題は例の人勧の賞与削減の受容。自分個人は内心仕方ないと思っていた。今年度のように給与が上がるときは労使交渉ではなく,人勧に準拠するのだし,国と独立の大学法人と言っても財源の大半は国からの運営交付金なので。しかし,交渉準備の過程で,他大学では押し返している例や本学でも過去引き下げの代償措置を獲得していたことを知った。実際の交渉は完全に押し切られた終わった。H理事は団交の場ではよく喋ってくれるが,DX対応に費用が掛かる,70歳定年延長の財源も必要など一般的な話に終始し,要求には一切耳を傾けてくれなかった。A委員長もI書記長も,高校教員時代,組合で活動してきた力のある方だが,お手上げという感じだった。しかし,看護休暇の基準を子どもが現行6歳から小三までに引上げるとの代償処置を得た。また,われわれが基準を小六や中三にしている周囲の市や県,あるいは他大学の例を出してさらなる引き上げを求めたことには応じてくれなかったが,「本年度は小六まで引上げてみて,実態を見て引上げも検討する」という言質を得た。検討に過ぎず,実現までには至らなかったが,働き方に関心が集まる今日重要な措置だと思う。ここでも交渉の重要性を感じた。H理事等は本題の人勧実施自体は一歩も譲らなかったが,その代償措置では教職員の働き方について交渉に応じ,看護休暇を切り口に本部との会話が成立したように思う(多くが非組合である事務職の方々との会話にもなったのではないか)。


 しかし,なんと言っても引き出せる代償措置の範囲や程度もやはり職組の組織率が物を言うのではないか。実際,代償措置には大学間でバラツキがある。またH理事は先の非正規雇用の無期転換時は隣のT大学の理事として,転換期限の5年を迎える前に全員を解雇し,6年目以降の雇用は試験によるという強攻策を推し進めていた。学会誌の編集委員会で一緒だったK先生によると,教員の参加が少ないT大学の組織率は極めて低く,K氏自身,後任がいなくてT学職組本部の執行委員長の留任を続けるとのことだった。

 本学で組織率を上げるにはやはり職員の人に参加して貰う必要がある。本部執行部に入ってみると,日常の職場ではいろいろトラブルがあり,相談が上がってきているということだ。看護休暇の充実など,職員の方が関心を寄せる働き方改革の提案を推し進めるのもその一手だと思う。


 自分が組合員として,また執行委員としてさして貢献して来なかったのにいろいろ喋ったが,人文支部の今後の一層の発展を祈念してお別れの挨拶としたい。

 永年お世話になりました。

※カッコ内は原稿には入れていたが,当日はそれを読みながら離すわけにも行かず,飛ばしてしまった部分。


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