2024年3月19日(火) 臨時系会議での挨拶
1991年4月に旧経済学科に赴任。長くて記憶曖昧だが,離れるに当たって頭に浮かんだのは古いこと2つ。
1つは,法経両学科が法経政策学科に統合した後に起きたロースクール構想。 宮教大,福島大との教育学部統合問題に絡んでロースクール構想が起きて経済コースはどうなるかと気を揉んだ。というのも一方が改組統合した恩恵で「他方が焼け太り」するタナボタは(文科省スキームでは)あり得ないと考えていたので。結局,教育学部統合問題が潰えてロースクール構想も萎み,数名の法律教員が転出することになった。その時,或る教員は「公務員養成では専門教育は維持できない」と漏らしていた。同様のことは当時属していたDNC SK部会の出題委員からも何度も聴かされていた。ところが,あれから20年経ったが,留まったあるいは新たに赴任した法律系教員の努力で専門教育は維持された。
もう1つは,さらに遡って,法経政策学会発足当時の卒論必修化問題。旧経済学科ではその末期に卒業論文を必修にしていたため,法学科と統合後,主に経済系教員から法律系も足並みが揃えられないかという話がしばしば持ち上がった。南髙前のバス停で政治思想史のH先生に出会ったので「法律系に必修化に応じられるんですか」と感触を伺うと「法学は論文執筆する前に勉強すべきことがたくさんある」とにべもなかった。実は自分も経済学について全く同じ考えだった。概説を理解させることが課題の状況で論文は難し,と。実際卒論で足並みを揃えることは起きなかった。ところが,時を経て,H29組織改革で卒業研究,卒業論文が必修化され,アウトプット志向というか,学ぶ動機付け,目標を与えるということなのか若い先生を中心に積極的取り組まれるように見える。やはり自分は古い人間なんだなぁと実感した。
以上思い浮かんだことは,1つはオーソドックスな形が守られ維持されたということであり,もう1つは手法は形を変えてゆくということのように思う。 これからも専門教育は一部は異質なものを受け容れながら続くのではないかと思う。
皆様の教育,研究の発展を祈念してお別れの挨拶としたい。 永年お世話になりました。
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